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術後の治療について

[管理番号:6180]
性別:男性 ⇒内容から女性として扱います。
年齢:44歳
田澤先生
初めまして。
日頃から当サイトで勉強させて頂いており、大変有りがたく感じております。
この度、妻(44歳)の診療内容につき、ご相談致したく存じます。
昨年末に検診で石灰化を指摘され、年始にマンモトームにて非浸潤性乳がんの診断となり、2月に乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘術をうけ、ティッシュエキスパンダーを挿入中です。
病理の結果も非浸潤性乳がんだったのですが、深部側断端が僅かに陽性とレポートされました。
腫瘍径 17×6×7mm
ER 100%、PR 100%
HER2 不明
ki67 2%
NG 2
担当医は「深部側は筋膜で剥離しているので、癌が残存する可能性は低いが、乳管の壁が筋膜に残っているかもしれないから、
念のため、放射線とホルモン療法を受けるべき」と提案しておられます。
以下の疑問が有るのですが、回答頂けますでしょうか。
①放射線治療の選択はは適切でしょうか?
担当医は追加で切除する部分はなく、見付けることも出来ないと言っていますが、追加切除はしないものなのでしょうか。
②ホルモン治療は必要でしょうか。
断端陽性なので、局所療法としての放射線はまだ理解できますが、全身療法のホルモン治療の必要性が今一つわかりません。
③断端陽性部を切除しないことにより、転移再発率は悪化しますか?
非浸潤性乳がんは綺麗に切除すれば根治と伺っていたため、残念であり、不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「「深部側は筋膜で剥離しているので、癌が残存する可能性は低いが、乳管の壁が筋膜に残っているかもしれないから、念のため、放射線とホルモン療法を受けるべき」と提案」
→非浸潤癌ならば、あり得ない事です。
「担当医は追加で切除する部分はなく、見付けることも出来ないと言っていますが、追加切除はしないものなのでしょうか。」
→私は、そもそも深部断端で追加切除などしたこともありませんが…
 理屈でいえば、「大胸筋膜を全て剥がす」ことは可能です(その必要があるとは思いませんが)
「②ホルモン治療は必要でしょうか。」
→不要です。
「全身療法のホルモン治療の必要性が今一つわかりません。」
→正しい理解です。
「③断端陽性部を切除しないことにより、転移再発率は悪化しますか?」
→非浸潤癌で全摘しているのに「根治ではない」事自体、異常なことであり、「ありえない」と思います。
「非浸潤性乳がんは綺麗に切除すれば根治と伺っていた」
→まさに、その通りです。
 ★要は、執刀医自身が(自信を持って)「深部断端陽性など、ありえない。」と言えればいいだけの話なのです。