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術後の治療について

[管理番号:5344]
性別:女性
年齢:54歳
こんにちは。
初めて質問させて頂きます。
今年5月末の検診で右胸にしこりがみつかり6月に精密検査を受診したところ乳がんが見つかりました。
その後、PET検査を受け、7月に温存術で手術を受け、現在、放射線治療中です。
今になり病理検査結果が気になり、
先生にお伺いしたいと思います。
結果詳細
閉経後
病期 TKNOMO
ステージ1
術式 右
乳房温存術 Bp+SN
センチネルリンパ節生検
リンパ節郭清 なし
組織型 IDC(sci)
診断:浸潤性乳管癌?浸潤径:1.2×1.1cm
センチネルリンパ節生検 陰性
リンパ節郭清 なし
エストロゲン受容体 陽性 95%
プロトゲステロン受容体 陽性 5~50%
染色法 0.1+
脈管浸潤 陰性
組織学的グレード 3?切除断端:陰性?Ki-67:20~30
放射線治療後にホルモン治療を行う予定です。
ただ、グレード3 とki67が20~30というところが気になり、主治医に聞いたところ、あなたの場合、抗がん剤はあまり勧めない。
と言われました。
でも、もしやりたいのなら構わないとも言われてます。
ネットでたくさんの情報を見てるうちに大変不安になりましたが、
先生のページを拝見し信頼出来る先生と確信し思い切ってメールをしました。
確かにki67 20~30はグレーゾーンとの記事を目にしました。
本当に抗がん剤無し、ホルモン治療のみで良いのか悩んでます。
先生ならこのような患者さんにはどうな治療を勧めますか?
それと、ホルモン治療のみの再発率はどのくらいでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「確かにki67 20~30はグレーゾーンとの記事」
「先生ならこのような患者さんにはどうな治療を勧めますか?」

⇒OncotypeDXをお勧めします。
「それと、ホルモン治療のみの再発率はどのくらいでしょうか?」

 ルミナールAとBを混ぜたもので「ホルモン療法+抗癌剤」を行うと再発率は7%となります。
 これを(やや無理やり)解釈すると
 (OncotypeDXを行い)ルミナールAとなれば「ホルモン療法単剤で再発率7%」となり、
 (     〃       )ルミナールBとなれば「ホルモン療法+抗癌剤で再発率7%」に近くなると思います。
 ☆つまり質問者がルミナールAならば回答は7%となりますが、(もしもルミナールBならば)「上乗せが10%程度だと推測すると、回答は17%程度と想像」します。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

術後の治療について
性別:女性
年齢:55歳
こんにちは。
8月下旬、田澤先生に術後の治療についてご相談させて頂きアドバイスを頂いたものです。
ありがとうございました。
その後、OncotypeDXを行い先日結果が出ました。
再発スコアは中間の27
10年遠隔再発率は、
タモキシフェン単独法で18%
タモキシフェン+化学療法で14%
と上乗せ4%のみとのことで、主治医からは抗がん剤は勧めないと言われました。
現在、ノルバデックスを服用中です。
一度は納得して、ホルモン治療に専念することにしたのですが、
本当にホルモン治療のみで良かったのか、抗がん剤治療をした方が良いのか、迷いがで出て不安になり、先生のご意見を伺いたいと思いメールをさせて頂きました。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「再発スコアは中間の27」
⇒中間リスクは『今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。』で記載したようにケモは不要です。
「10年遠隔再発率は、タモキシフェン単独法で18%タモキシフェン+化学療法で14% と上乗せ4%のみとのことで、主治医からは抗がん剤は勧めない」
⇒(私も)賛成です。
 (コラムでも記載したように)中間リスクを「18~RS~25」と「26~RS~30」に分ける考え方もありますが…
 Genomic Healthの担当者が話すように、「実際の上乗せの数字で判断してください」というのが正解だと思います。
 つまり質問者の場合には「僅か4%」なのだから、「不要」なのです。(得るものに比して、失うものが多すぎる)
「本当にホルモン治療のみで良かったのか、抗がん剤治療をした方が良いのか、迷いがで出て不安」
⇒上記通りです。
 物事はシンプルに考えましょう。