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術後治療について

[管理番号:5181]
性別:女性
年齢:35歳
田澤先生、いつもQ&Aを拝見し勉強をさせて頂いております。
先生に質問させて頂きたいので、どうかよろしくお願い致します。
昨年12月末に検診で石灰化が見つかり、検査の結果今年の1月にステージ0、ルミナールB非浸潤ガンと診断され2月に部分切除手術を受けました。
術後の病理検査の結果は、浸潤2ミリのher2リッチ、グレード2、その他に小さな非浸潤ガンが点在しているとの事でした。
先生の説明では非浸潤ガン(おそらくはルミナールBだと私は思っています)は大人しいもので、そうでないher2リッチが浸潤になったんだろうと言う事でした。
浸潤部が2ミリのher2リッチだったので、抗がん剤はなし、ホルモン剤もなしで放射線治療のみとなりました。
担当の先生のお話ではガンは取りきれていて、細胞レベルで残っていても、放射線治療で根絶できると言われました。
再発率は4%程度と言う事でした。
先生に質問させて頂きたい事は
①最初はステージ0、ルミナールBと診断された非浸潤ガンが病理検査では2ミリのher2リッチ浸潤ガン、ステージ1と診断になりましたが、たった2ミリでも正確にタイプは識別できるものでしょうか?またマンモトームによって非浸潤ガンがわずかな浸潤ガンになることはありますか?
2ミリ浸潤だったものがher2リッチだったのでホルモン剤治療はなしと
言われましたが、その他に点在していた小さなガンはルミナールBかと
思うと非浸潤だったとしても、若年性(発症は34歳で現在35歳です。)と
いうこともあり、副作用があるのは理解した上でもホルモン剤を飲んだ方がいいのではないかと悩んでおります。
担当医は飲んでも飲まなくてもいい、飲まない事を勧めるが、本人の希望を尊重しますとの事でした。
その言い方に迷いが生じてしまいました。
そして迷う内に最初の健診日がせまってきました。
先生はホルモン剤を飲んだ方がいいと思われますか?
また飲むとすれば、どのような薬をどの位の期間飲む事がいいのでしょうか?
因みに26歳から乳ガン発症まで、チョコレート嚢胞治療に低用量ピルを服用しておりました婦人科の先生の判断によりピルの服用は中止しました。
ピルの影響はあったのでしょうか?
②放射線治療後に、もし再発したらその時は再建手術はできないのでしょうか?
③手術の際にセンチリンパネル生検をしましたが、(転移はなし)センチリンパネル生検をした後は遠隔転移しなくなるのでしょうか?(ポートが無くなるため。)
④これは個人的な疑問なのですが、私は34歳で発症し、どうしてもこの年齢で何故という思いが拭えません。
担当医は約15年ぐらい前からガンの芽はあったでしょうと言っておられました。
ガンというのはそんなに
も前から私の身体にあったのでしょうか?
若年性はBMIが低い痩せ型に多いと言う話も聞きました。
私は痩せ型です。
家族にはガンの者は一人も居ません。
やはりこの体型も、要因の一つなのでしょうか。
先生のご経験上、若年性の特徴は何かありますでしょうか?
⑤her2リッチは非常に早期から転移を起こすと本で読みました。
この早期とは一体いつ頃からを指すのでしょうか。
例え2ミリの浸潤で
も転移する事はありえますか?センチリンパネルが陰性の場合は不要な心配なのでしょうか?
⑥その他に次回の健診にて、確認すべき情報等ありますでしょうか?
たくさんの質問になり申し訳ありません。
何卒よろしくお願いし致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「たった2ミリでも正確にタイプは識別できるものでしょうか?」
⇒できます。
「またマンモトームによって非浸潤ガンがわずかな浸潤ガンになることはありますか?」
⇒ありません。(無関係です)
「先生はホルモン剤を飲んだ方がいいと思われますか?」
⇒不要です。(浸潤径2mmでは)
「ピルの影響はあったのでしょうか?」
⇒無いと思います。
「②放射線治療後に、もし再発したらその時は再建手術はできないのでしょうか?」
⇒できます。
 インプラントの場合には皮膚の伸びの問題でやや不利になります(が、再建はできます。)
 自家組織なら影響は小さくなります。
「センチリンパネル生検をした後は遠隔転移しなくなるのでしょうか?」
⇒無関係です。
 リンパ行性転移と血行性転移は全く無関係です。
「先生のご経験上、若年性の特徴は何かありますでしょうか?」
⇒今時34歳は珍しくありません(若年化が進んでいます)
 余計なことを考える必要はありません。
「⑤her2リッチは非常に早期から転移を起こすと本で読みました。」
⇒2mmでは気にする必要はありません。
「センチリンパネルが陰性の場合は不要な心配なのでしょうか?」
⇒リンパ節転移(リンパ行性転移)と遠隔転移(血行性転移)は全く異なります。
 頭を一度整理するといいでしょう。
「⑥その他に次回の健診にて、確認すべき情報等ありますでしょうか?」
⇒ありません。
 2mmの浸潤癌で再発を気にする必要はありません。余計な心配で頭を悩ませることはお勧めしません。