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術後の治療方針について

[管理番号:533]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生。
こんばんは。
術後の治療方針について質問させていただきます。
5月に左乳房全摘手術を行い先日、病理結果がでました。
・しこりの大きさは1.5センチ
・グレード1
・核異型 2
・核分裂 1
・ER 90%
・PR 90%
・Ki-67 10%
・HER2 陰性
・リンパ管浸潤(ly1)
・静脈浸潤なし
・皮膚浸潤なし
・手術断片に腫瘍を認めない
・リンパ節転移あり 迅速1(1/1)、迅速2(1/1)、迅速3(1/1)、迅速4(0/1)、所属(0/8)
主治医からはルミナールAタイプでリンパ節転移3つなので通常は化学療法は必要ないが、転移3つと考えると化学療法をして少しでも生存率をあげたほうがいいのでは?ということで、現在、ホルモン療法(フェアストン、ゾラデックス注射)だけにするか、化学療法を加えるか選択をせまられています。
選択する上での判断材料として、オンコタイプDXについても説明があり、これを受けるか受けないかもまた、悩んでいるところです。
判断材料は今のところネットで調べるしかないため、私のような場合、化学療法の必要があるのかどうか、田澤先生の見解をぜひお聞かせいただけますでしょうか?
私自身としては、化学療法でどれぐらい生存率が上がるかはわかりませんが、できたら化学療法は行わない方向で治療を進めていけたらと考えてています。
お忙しいところをすみませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT1c(15mm), pN1a, luminalA ly1, v0ですね。

回答

「ホルモン療法(フェアストン、ゾラデックス注射)」
⇒何故フェアストンなのでしょうか?
 フェアストンは「閉経後乳癌」にしか適応は通っていません。
 タモキシフェン+ゾラデックスとすべきです。
 
「化学療法の必要があるのかどうか」
⇒私であれば、殆ど悩みません
 化学療法はしません。
 「できたら化学療法は行わない方向で治療を進めていけたらと考えてています」という質問者の意志も参考にしてます。
 
 Adjuvant! Onlineなどで「ホルモン感受性タイプ」の「化学療法上乗せ効果」がでていますが、これは「Ki67値を考慮」したものではありません。
 質問者の場合のようにluminal A(Ki67=10%」などでは「上乗せ効果は低い」と思います。