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術後病理結果

[管理番号:3142]
性別:女性
年齢:53歳
いつもQ&Aを拝見しています。
5月に右乳房全摘しました。
病理結果が出ましたので質問させていただきます
今までの経緯
平成26年3月に右乳房から分泌液が出て、すぐに乳腺専門医で
エコーとマンモをとり、細胞診Ⅲb、針生検で乳頭症と出まして。
良性腫瘍なので大丈夫とのことで経過観察していましたが、
平成27年12月に腫瘍が大きくなっており細胞診classⅣ
CTコメント
出血性背景に、異形乳管上皮細胞が大小の乳頭状集塊や柵状配列集塊、不整重積集塊、集塊からほつれた孤在性細胞で多量に散見されます。
集塊は二相性不明瞭で、短紡錘型~高円柱状の核を有し、核肥大、多くの細胞に核形不整が認められます。
副所見として裸血管様の間質集塊も見られます。
悪性が疑われますので、生検での確認が望まれます。
Suspect ductal carcinoma(DCIS?)
Drコメント
出血性背景に、孤在性シート状、乳頭状、柵状に増生した異型乳管上皮の細胞集塊が多数出現しています。
殆どの集塊で二相性は不明瞭で悪性が疑われます。
針生検
adequate.malignancy. right breast (al . papillotubular carcinoma)
所見
針生検標本、直径2㎜以下、3~17㎜長、4本が採取
組織学的には多くの乳小菅と拡張した乳管内に異型上皮細胞増生が見られます。
増生上皮は細血管周囲に配列し管内乳頭腫に類似したものが見られますが、
広い部で釘刺状配列をしたものがあり、上皮ー筋上皮細胞からなる
2層配列は見られません。
一部には、篩状構造と浸潤像が見られます。
ER陽性10%以上 高度
TS(8)
PgR陽性10%以上 高度
HER2 1+
5月に手術後 病理結果
right breast cancer. invasive ductal carcinoma(predominantly noninvasive ductal carcinoma with focal invasion).
所見
右乳房検体 18×12×4cm 乳頭を含む皮膚 14.4×6cm 大付着。
病理検査室に検体が提出された後
固定をより良くする目的で、切り出し予定の割線に対し、ほぼ垂直になるような方向で5割入れ、ひきつづきホルマリン固定した。
翌日切り出し、割面の肉眼観察上、明瞭な腫瘍部はみられなかったが
乳頭下を主体に小結節が集まっているかのように見えた。
作製組織切片中、明らかな癌成分は乳頭下を主体に、切片#12、#17に認める。
#20 でも癌相当とみる成分を わずかに含む。
その多くは、非浸潤性乳管癌であり、管内に主に篩状や一部では乳頭状の構造を示し増殖する。
#17の癌巣中、組織切片上約1ミリ大の浸潤部を含む。
よって、組織型は乳管内成分優位の浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)の分類になる。
組織所見上も、癌と非癌部との境界はやや不明瞭である。
乳管内乳頭腫相当と考えられる病変も認められる。
良性の増生と、癌病変が混在するような分布を示し、このような病変の生検組織診の場合、採取部位によって診断が左右される事になりそう、
と想像される。
核異型も強くはない。
核グレード1 核異型1点+分裂像1点=2点
免疫染色標本上
ER 弱~中程度 60% 陽性
PgR 強い 80% 陽性
HER2 2+ FISH シグナル比 1.1 増幅なし
Ki67 陽性率は2% と判断する(ごく小さいが、浸潤部で判定した。)
参考所見として、筋上皮マーカーでもある p63 の免疫染色も追加行った
p63 の免疫染色標本上、施工前の予想通りではなく、DCIS と浸潤部
共癌細胞の核に染色がみられる。
しかし、周辺正常上皮成分に認めるような二相性構造は不明瞭であり、
正常な上皮の配列極性は消失しているものとみなされる。
明らかな脈管侵襲像は認められない。
切離縁に明らかな癌成分は認められない。
センチネルリンパ 0/3 転移なし
以上です
術前は多発性で腫瘍が大きいのは2.5cmあり少し離れた所にもあり、
下の方にもモヤモヤと広がっているので全摘になりました。
たくさんの浸潤部があるとの事
リンパも腫れてるので手術してみないと、分からないと、言われてまして大分心配してましたが
病理結果を見てパラパラと癌が散らばっていたと、
説明がありましたがステージが何かは言われてません。
結果がよく分からないのですが、浸潤径は1ミリ大一箇所のみで、
多発していた箇所はほとんど非浸潤なのですか?
非浸潤部分も少ないのですか?
説明していただきますか?
今後はホルモン療法でフェマーラを二週間処方されてます。
様子みてみるそうですが
10日程経ちますが、かゆみが出てます。
フェマーラのジェネリックのレトロゾールですが
次回フェマーラにしてみようと思います。
耐えられないようでしたらアロマシンに替えてみるのはどうですか?
アリミデックスは取り扱ってないようです。
閉経して二年経ち 1月に調べたE2は14です。
ホルモン療法は、するべきですか?
私の再発率、無病生存率を教えて頂きますか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
そもそもは「乳頭分泌」ですか。
「ハー」
少し「ため息」がでます。
本来ならば(私ならば)平成26年の時点で「乳管造影」⇒「乳管区域切除」⇒その時点では「乳頭腫に非浸潤癌が小範囲有る程度」だったと推測されます。
それを不適切な診療で「2年間経過させた」ことを担当医は自覚(理解)しているのでしょうか?
◎質問者には申し訳ありませんが、このQandAを閲覧している「同様の診療をされている」多くの方達に警鐘を鳴らしたいと思い敢えて記載させてもらいました。
(以上、前置き)
 
「結果がよく分からないのですが、浸潤径は1ミリ大一箇所のみで多発していた箇所はほとんど非浸潤なのですか?」
⇒その通りです。
 
「非浸潤部分も少ないのですか?説明していただきますか?」
⇒非浸潤部分の拡がりについての記載は無いようです。
 ただ腫瘍は(良性である)「乳頭腫の部分」と「非浸潤癌」と(僅かな)「浸潤癌」で構成されていたと記載から読み取れます。
 
「耐えられないようでしたらアロマシンに替えてみるのはどうですか?
アリミデックスは取り扱ってないようです。」
⇒それでもいいと思います。
 ただし、「そうまでして」ホルモン療法が必要な状態ではありません。
 
「ホルモン療法は、するべきですか?」
⇒私なら「無治療」とするでしょう。
 殆どpT1mi(微小浸潤)なのですから…
 
「私の再発率、無病生存率を教えて頂きますか?」
⇒これは数値で出せないくらい(ほぼ根治)となります。