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術後の治療法

[管理番号:4225]
性別:女性
年齢:47歳
初めまして。
よろしくお願いします。
抗がん剤なしでの治療を選んだのですが、妥当であるか先生に診ていただきたくメールさせていただきました。
全摘
粘液がん(純型)
ステージ1(15ミリ リンパ節転移なし)
断端陰性
核グレード1
ER,PgR共に陽性
HER2陰性
ki67 30%ー40%
ki67以外は粘液がんであること、しこりも小さく良い条件なので、担当の先生もホルモン治療だけでも良いとの事です。
何度もお話を伺い、納得して帰るのですが、ki67が高いと、再発や転移の可能性が高くなるのでは…との思いがすぐ出てきます。
自分でも抗がん剤は避けたいと言う気持ちが強いのに、矛盾していますが…
オンコタイプは費用の面もあり、現状で考える事にしました。
抗がん剤は避けたいのですが、ホルモン(ノルバデックス)治療だけでも根治を目指すことはできますか?
ki67が高いと再発や転移の可能性が高くなりますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ki67が高いと、再発や転移の可能性が高くなるのでは」
⇒考え方に誤りがあります。
 「Ki67」を「予後不良因子」と捉えるのではなく、「抗ガン剤が効き易い(かもしれない)指標」として捉えましょう。
「オンコタイプは費用の面もあり、現状で考える事にしました。」
⇒事情は解りますが…
 現在の「ルミナールタイプでの化学療法の併用」を考える上で(Oncotype DXしないなら)「Ki67で考える」しかないのです。
 そうすると「化学療法をしなくても良い」という根拠は無いのが実情です。
「抗がん剤は避けたいのですが、ホルモン(ノルバデックス)治療だけでも根治を目指すことはできますか?」
⇒このように考えてください。
  
 A 無治療でも再発しない群
 B ホルモン療法をすれば再発しない群
 C ホルモン療法と化学療法をすれば再発しない群
 D ホルモン療法と化学療法の両方を行っても再発する群
 質問者が、どの群に当て嵌まるのかは不明です。
 AもしくはBに相当すれば再発しない(根治)となります。
 (Dはどうしようもないのですが)Cの割合がどうなのか?が問題なのです。
「ki67が高いと再発や転移の可能性が高くなりますか?」
⇒前述の通り…
 Ki67は予後因子ではなく、「化学療法が効き易い(可能性がある)指標」にすぎません。