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授乳中の嚢胞?について

[管理番号:3965]
性別:女性
年齢:34歳
田澤先生、始めまして。
早速ですが田澤先生のご意見をお伺いしたく、お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願い致します。
現在6ヵ月の赤ちゃんを母乳メインの混合で育てています。
10月(中旬)日に市の乳がん検診を受けました。
自覚症状は無し。
検診内容はエコーのみ、触診は無しでした。
エコーは技師ではなく医者が行いましたが、乳腺専門医ではなく画像診断専門医だそうです。
エコーの結果、左右に気になる箇所があると指摘されました。
真っ黒だといいんだけど白くモヤっとしたところがあり、それが良くないと言われました。
私が見たところ、二段重ねの鏡餅のような横長の丸の真ん中辺りがモヤっとしていました。
ガンですか?と聞いたら、悪性か良性か○○(田澤先生の過去のQandAを読み、嚢胞と言ったのかな?と想像しています)かは分からない。
急いで精密検査する必要は無いから授乳が終わって、授乳による影響の可能性が無くなってから精密検査したらいいと言われました。
急ぐ必要は無いとは言えすごく不安になり、11月(上旬)日に検診先から貰った紹介状を持参し乳腺専門医のクリニックを訪れました。
医者は乳腺専門でキャリアのある方のようです。
診察の結果は「何もありませんね」でした。
てっきり嚢胞を指摘されるとばかり思っていたので驚き、真っ黒でない箇所があるはずと伝えましたが無いと言われました。
次に診て頂く時期を聞いたら3ヵ月後とのこと。
なんだか気が抜けて帰宅しましたか、後から疑問と不安が甦ってきてしまいました。
嚢胞?が短時間に消えることはあるのでしょうか?
もしくは、授乳中の影響で検診の時だけ怪しく見えてしまったのでしょうか?
また、何も無いのに3ヵ月後の診察というのも何だか不安です。
念のためでしょうか?
診て頂いた乳腺専門の先生のことは信頼したいのですが、幼い子もおり、また芸能人の方のこともあって不安が拭えません。
お手数お掛けしますがご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
授乳中の乳腺を超音波している際の所見を思い浮かべながらコメントしますが、結論から言うと「異常無」だと思います。
授乳中は「乳管拡張+拡張乳管内の乳汁貯留」や「乳瘤(乳腺内の乳汁鬱滞)」の所見がおこります。
授乳中の乳腺を知らない医師にとっては「正常乳管内のミルクの鬱滞」や「乳瘤」
を、その場で「異常無」と断定することはできず(検診とは、そもそもそういうものですが…)
逆に(授乳中の乳腺を良く見ている)「乳腺専門医」にとっては「正常所見にしか思えない」そういうことだと思います。
「真っ黒だといいんだけど白くモヤっとしたところがあり、それが良くないと言われました。二段重ねの鏡餅のような横長の丸の真ん中辺りがモヤっとしていました。」
⇒これは「拡張乳管内のミルク」だと思います。
 
 ただ、後日「何もありませんね」と言われている事からは「嚢胞というよりも(嚢胞になる前の)拡張乳管」なのだと推測します。
「真っ黒でない箇所があるはずと伝えましたが無い」
⇒2つの可能性があります。
 ①ミルクの(一次的な)鬱滞が解消され、本当に(その所見が)消失していた。
 ②その所見は存在するが(授乳中の乳腺の正常像を見慣れている医師にとっては)
「全く異常とは認識されない」
「嚢胞?が短時間に消えることはあるのでしょうか?もしくは、授乳中の影響で検診の時だけ怪しく見えてしまったのでしょうか?」
⇒上記コメントの通りです。
 「短時間で消える」ことは(授乳中には)ダイナミックに分泌があるのでありえます。
 また、「怪しく感じる」かどうかは、(特に授乳中には)判断する医師によってかなり異なります。(「こんな所見を異常としているのか?」的な経験はよくあります)
「また、何も無いのに3ヵ月後の診察というのも何だか不安」
⇒初診時には(見逃しを恐れて)必ず3カ月後とする手技なのかもしれないし、「質問者に何かある筈だ」と言われたので(バランスをとって)「3カ月後とした」のかもしれません。
 ♯「異常無いですよ」と患者さんにお話した際に、「本当に大丈夫?」「凄く不安です」みたいに言われると、「じゃあ、3カ月後に診ましょう」といいがちです。
(波風が立たないのです)