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浸潤性小葉癌

[管理番号:2840]
性別:女性
年齢:46歳
初めて質問させて頂きます。
よろしくお願いします。
昨年12月の初めに左乳房部分切除をして
今年3月の中旬に放射線治療25回を終え
今はノルバデックスを1日1回服用しています。
術後の病理結果で浸潤性小葉癌とわかりました。
教えていただいたのはしこり10mm、
リンパ節転移なし、断端陰性、
NUclearGrade 1、ki-67 1%、ER7
点、PgR8点、HER2 2+ FISH- でした。
浸潤性小葉癌は色々な所に転移し予後不良で
ネットで転移や再発の方が大変な事になっているのを見ますと
絶望的になっています。
小葉癌は全摘の方が安心とありますが私は術後に知ったので部分切除です。
私のこの結果の再発率、生存率はどのぐらいでしょうか?局所再発、遠隔転移は覚悟しなくてはならないのでしょうか。
完治は望めないのでしょうか?怖くて仕方ありません。
婦人科で子宮筋腫と両側の卵巣にそれぞれ6cm位の卵巣嚢胞があります。
浸潤性小葉癌は子宮や卵巣にも転移しやすいとネットで見ていっそのこと摘出してしまったほうがよいのでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
小葉癌が予後不良などと書いてあるようであれば、「ネットは見ないようにしたほうがいい」と思います。
小葉癌は「予後良好」な組織型と言えます。Ki67=1%というのも、典型的な「おとなしい癌」であることと矛盾しません。
しかもpT1b(10mm), pN0, luminalA(Ki67=1%)
再発低リスクです。
○小葉癌の特徴としては「多中心性発癌」があるので、「乳房内再発」には注意が必要とはなります(温存の適応は普通にあります)
 
「浸潤性小葉癌は色々な所に転移し予後不良でネットで転移や再発の方が大変な事になっている」
⇒そんなネットを見るのは「今すぐ」止めましょう。
 
「私のこの結果の再発率、生存率はどのぐらいでしょうか?局所再発、遠隔転移は覚悟しなくてはならないのでしょうか。」
⇒局所再発は「手術のやり方によって異なる」ので再発率など存在しません。
 遠隔転移再発率は9% 10年生存率は96%です。(他病死が3%含まれるので実際の乳癌死は1%にすぎません)
 
「完治は望めないのでしょうか?」
⇒圧倒的に「完治」します。
 
「浸潤性小葉癌は子宮や卵巣にも転移しやすいとネットで見て」
⇒くだらないネットの情報は「今すぐ」みるのは止めましょう。
○正確にいうと
①小葉癌は予後良好なものが多い(実際、質問者も極めて低悪性度と言えます)
②多中心性発癌  (再発ではなく)乳腺内に多発しやすい
③晩期再発として「極めて低頻度」の「腹腔内再発をみることがある
 
★今すぐ「馬鹿バカしい」情報は忘れてしまいましょう。
 極めて「低悪性度」で極めて「早期」です。
 再発の心配は無用です。