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浸潤性乳管癌

[管理番号:2181]
性別:女性
年齢:46歳
初めて質問させていただきます。
昨年11月○○日に市の検診で精密検査となり、12月○○日近くの乳がん専門医で視触診、12月○○日に再度、マンモグラフィーとエコーを受けその3日後に針生検、結果が1月○日にでました。
halo+10.1mmの腫瘍 CNB2本
比較的豊富な、疎な線維性結合組織内(一部に弾性線維も介在している)に核異型中等度の癌細胞が、索状~不規則管状構造を示し浸潤しています。
一部には飾型・非コメドの乳管内癌成分を含んでいます。
浸潤性乳管癌、広義の硬癌です。
と記載があります。
今日、手術のできる病院を予約します。
早期でしょうか?
手術をすると思いますが、どのような手術になりますか?
転移も心配です。
完治はしますか?
仕事も続けたいし、今、長男大学入試時期で心配毎ばかりです。
入院期間はどのくらいになりますか?
以上、ご回答よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「halo+10.1mmの腫瘍」「早期でしょうか?」
⇒10mmの腫瘍であれば「当然、早期」だと思います。
 「腋窩リンパ節のエコーはしていない」のでしょうか?
 「腋窩リンパ節の腫大がない」事も確認できれば cT1b(10mm), cN0, cStage1となります(当然、早期乳癌です)
 
「手術をすると思いますが、どのような手術になりますか?」
⇒「その大きさ」であれば、「乳房温存術(部分切除)」となるでしょう。
 最終的には「乳房MRI」で「拡がり診断による確認が必要」となります。
 そして「腋窩リンパ節」にかんしては(明らかな画像上の転移所見が無い限り)
「センチネルリンパ節生検」となります。
 ♯センチネルリンパ節生検に関しては、本日更新したばかりの 「今週のコラム 10回目 『根治性よりもむしろリンパ浮腫がらみの合併症こそ心配』なのです」を参照してください。
 
「転移も心配です。」
⇒「その大きさ」であれば「リンパ節転移も無い可能性が高い(エコーで確認してもらってください)」と思います。
 遠隔転移は「全くありえません」
 
「完治はしますか?」
⇒早期ですから、「根治の可能性」は十分にあります。
 
「入院期間はどのくらいになりますか?」
⇒「乳房温存+センチネルリンパ節生検」であれば、「2泊3日で十分」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は迅速なご回答をいただきありがとうございました。
今後の手術や治療へ前向きに取り組もうと少し元気がでました。
もう一度質問させてください。
手術のできる病院の予約が1月○○日の午後になりました。
さらにこの日からMRIなどの検査をまた予約していくのだと思うのですが、癌がどんどん大きくならないか毎日不安でいっぱいです。
時々、ズキズキした痛みもあります。
2月中の手術はありえますか?
3月中ではどうですか?
病院側の都合もあると思うので、説明を聞いてからではないとわからないと思うのですが。
また、転院した先生に何を聞くか、前の病院の看護師さんからメモを取っておいたほうが良いと言われました。
(パニックになってはいけないとの事)
実際、パニックになるような重大な事を告げられるのか?何を質問したら良いのでしょうか?
前回、先生は部分切除になるでしょう、との事ですがかなりの変形があるのでしょうか?
自分が触ってわかるしこりは左乳房の左側面のように感じるのですが、検査結果の図には乳頭の左斜め上に印がしてありました。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「手術のできる病院の予約が1月○○日の午後になりました。」
⇒十分、早いと思います。
 1カ月先とかなると(精神的にも)つらいと思いますが…
 
「2月中の手術はありえますか? 3月中ではどうですか?」「病院側の都合もあると思うので、説明を聞いてからではないとわからないと思うのですが。」
⇒その通りです。
 3月中にできれば「医学的には」問題無いと思います。
 
「実際、パニックになるような重大な事を告げられるのか?何を質問したら良いのでしょうか?」
⇒「検査日程と治療方針」を話されるだけです。
 MRIが終われば「術式の相談」となるでしょう。
「ステージ(画像上のリンパ節の状況)とかサブタイプ」などを確認しておきましょう。
 
「前回、先生は部分切除になるでしょう、との事ですがかなりの変形があるのでしょうか?」
⇒私が「部分切除になる」とお話したのは「変形があまりないだろう」と予測されるからです。
 もしも「変形がかなりある」ようであれば、「全摘を選択」せざるをえなくなります。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

おはようございます。
いつもご回答いただきありがとうございます。
○○日に転院し、マンモグラフィーとエコー検査をしました。
腫瘍の大きさは8.9mmと言われ、前の病院で言われたのよりは少しちいさいのか、でも1センチあるかないかというお話でした。
2月○日にCT、○日にMRIの予定です。
その検査でこちらの質問者の方々と同じように、癌が乳房の中でどういう状態なのかを調べ手術になります、とのことでした。
ですから、こちらのサイトで色々勉強させていただいているとおりだと思っています。
先生に無理を言うようですが、子供の行事があるので3月○日は大丈夫ですか?
というと、それは全然無理で早くても3月○○日と言われました。
その間、癌が大きくなるのではないかと、心配で伺ったら大丈夫です、
と言われ強引に検査の結果を待たず、その日を予約していただきました。
前回、3月中の手術なら医学的には問題ないとのご回答をいただき
ましたが、それは変わりありませんか?
○○日のマンモグラフィーの後、胸の痛みがあります。
左側だけ痛みがあるので癌が大きくなっているのでは?
とか転移しているのではないかと、不安ばかりです。
後は、食事に気を付けていますが、色々あるとは思うのですが
コーヒーはよくないですか?調べてみても、良いと書いてあったり、悪いと
書いてあったり判断がつきません。
納豆は食べるようにしました。
(時々、豆乳など)
振り返ってみると、嫌いではないけど豆類は好んで食べていなかったように思います。
魚より肉、パンが好きです。
私の場合、遺伝性ではなくに食生活なのか?と考えすぎると何を食べたらいいのかわからなくなってきます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「前回、3月中の手術なら医学的には問題ないとのご回答をいただきましたが、それは変わりありませんか?」
⇒変わりありません。
 
「○○日のマンモグラフィ-の後、胸の痛みがあります。左側だけ痛みがあるので癌が大きくなっているのでは?とか転移しているのではないかと、不安ばかりです。」
⇒不安は解りますが…
 全く問題ありません。
 
「後は、食事に気を付けていますが、色々あるとは思うのですがコーヒーはよくないですか?
調べてみても、良いと書いてあったり、悪いと書いてあったり判断がつきません。」
⇒無関係です。
 
「私の場合、遺伝性ではなくに食生活なのか?と考えすぎると何を食べたらいいのかわからなくなってきます。」
⇒何を食べても構いません。
 バランスの良い食事、心身ともにストレスフリーを目指しましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

やっと再質問できます。
よろしくお願いします。
最後の検査を2月(上旬)日に終えて、やっと3月(下旬)日に温存手術ができました。
その後、医師から家族への説明では、センチネルリンパの2つのうち1つが悪性、1つは良性で転移しているのでその次のリンパを3つとり病理検査へ出したとのことです。
ステージ1Aから2Aへ進んだと。
そんなにすぐに大きくならないから大丈夫、と言われ、また手術の前日も転移してる確率は?と伺ったら進行度が10%と言われ、15%だったらもしかしたら転移もあるかも、というような説明だったのにまさか転移してるなんて夢にもおもいませんでした。
早期のがんだから治る、と思ってたのにこれだけ手術の順番まちがあるせいで転移していったのではないかと、考えても仕方ないことばかりで気が変になりそうです。
とはいえ、乳がんの患者も増え手術を待ってる人もたくさんいるのはわかっているのですが。
4月(上旬)日に結果がでて、もし転移があれば抗がん剤になるそうです。
術前も1Aだから抗がん剤も必要ないと、はっきり言われていたのに。
副作用が心配です。
前向きに治療していくしかないのですが。
どんな抗がん剤になるのか、副作用はどうか、完治は可能か。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパの2つのうち1つが悪性、1つは良性で転移しているのでその次のリンパを3つとり病理検査へ出した」
⇒追加郭清をしたということです。
 
 
「4月(上旬)日に結果がでて、もし転移があれば抗がん剤になるそうです。」
⇒サブタイプは何なのでしょう?
 (参考に)
◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
● トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 ただ術前に「1Aだから抗がん剤も必要ないと、はっきり言われていた」とあるので、「luminal type」なのだと思います。
 もしも「ルミナールタイプ」なのであれば、リンパ節転移は「3個以内」であれば「抗ガン剤は必須ではない」と思います。
 
「どんな抗がん剤になるのか」
⇒「ルミナールタイプ」であれば(やるとしても)TC療法だと思います。
 
「副作用はどうか」
⇒乳癌術後の抗ガン剤治療は「十分、許容範囲」と思います。
 
「完治は可能か。」
⇒勿論です。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

いつも迅速な回答ありがとうございます。
前回の質問、ご回答とダブル
かもしれませんがよろしくお願いします。
病理結果が出て、今後の治療方法を決めるという段階です。
脇の下のリンパ節転移:6個中1個
ステージⅡA(進行乳管がん)
核異型度:1(良)
ER 90%     ホルモン療法効果あり
PGR 90%
HER2:1     ハーセプチン効果なし
Ki67<10%   増殖能高くない
ルミナールA
再発リスク 中間リスク群
術後治療として
①抗がん剤(TC)+ホルモン療法と放射線治療
②ホルモン療法+放射線
1週間後までに自分や家族と良く相談して、決める事になりました。
先生でしたら、どの治療を選択されますか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
センチネルリンパ節生検の結果、腋窩郭清も追加したけど「結局、(転移は)センチ
ネルリンパ節の1個だけ」だったのですね。幸いでした。
pT1(浸潤径は結局2cmは超えていませんね), pN1, pStageⅡA, luminal
A(Ki67<10%) ○ルミナールAで「抗がん剤の上乗せが必要か?」がテーマとなります。 「術後治療として ①抗がん剤(TC)+ホルモン療法と放射線治療 ②ホルモン療法+放射線」「先生でしたら、どの治療を選択されますか?」
⇒当然②です。
 化学療法の上乗せ効果はそれほど期待できません。
 「ルミナールA、リンパ節転移1個の場合化学療法が必要か?」
 ⇒必要無いと判断します。
  根拠
 ①St.Gallen 2015 votingでは「リンパ節転移4個以上では化学療法が必要」が最多数でした。
 ②SABCS(San Antonio Breast Cancer Symposium)2015で「腫瘍径が大きいor リンパ節転移陽性」の閉経前では「化学療法の上乗せが無かった」ことが発表されています。