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放射線治療について

[管理番号:2927]
性別:女性
年齢:57歳
今年1月、乳房切除術をしました。
リンパ節郭清はしていません。
しこりの大きさ:6㎜×6㎜
エストロゲン受容体:陽性
HER2:陰性
Ki67:34
ルミナルB型
核グレード1
組織グレード2
浸潤性乳管がん(硬がん)
リンパ管浸潤を認める
切除断端:陰性
センチネルリンパ節生検:5つのうち1つに0.2㎜
×0.02㎜の微小転移
術後、抗がん剤治療(TC 4クール)をしました。
ホルモン剤治療もする予定です。
主治医から、放射線治療をするかしないか自分で決めてくださいと言われましたが、どうしたらよいか迷っています。
再発のことを考えると、放射線治療はすべきでしょうか。
それとも、私の場合はしてもしなくても再発率にあまり関係がないのでしょうか。
放射線治療による副作用やその他のリスク(肺と心臓への影響)を考えても、放射線治療をやる価値があるかどうか、先生のご意見をお聞きしたいです。
もし放射線治療をするとしたら、照射範囲はどこになりますか。
全摘で切除断端陰性でも、胸壁に当てるのでしょうか。
リンパ節郭清していないので、腋の下だけに当てる場合もあるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(6mm), pN0(ITC), luminalB, NG1
完璧な早期癌です。
私であれば、化学療法を勧めることは決してありません(ご本人が強く希望すれば別ですが…)
 
「主治医から、放射線治療をするかしないか自分で決めてくださいと言われました」
⇒放射線治療は不要です。
 迷う要素がありません。
 放射線治療は「リンパ節転移4個以上」が推奨度Aです。
 質問者のようなN0(ITC)で「放射線治療を勧める意味が不明」です。
 
「再発のことを考えると、放射線治療はすべきでしょうか。」
⇒私であれば、(化学療法もそうですが)「放射線治療を勧める」ことは決してありません。
 
「それとも、私の場合はしてもしなくても再発率にあまり関係がないのでしょうか。」
⇒ありません。
 
「放射線治療をやる価値があるかどうか、先生のご意見をお聞きしたいです。」
⇒放射線をやる価値はありません。
 そもそも主治医が「何故、放射線治療を考えたのか?(ITCを気にしてなのでしょうが)」私には理解できません。
 
「もし放射線治療をするとしたら、照射範囲はどこになりますか。」
⇒不要です。
 
「全摘で切除断端陰性でも、胸壁に当てるのでしょうか。」
⇒不要です。
 
「リンパ節郭清していないので、腋の下だけに当てる場合もあるのでしょうか。」
⇒肉眼的転移(2mm以上)があったのに、「郭清省略」をした場合には、その適応があります。