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放射線療法と内分泌療法の同時併用について

[管理番号:2046]
性別:女性
年齢:59歳
初めてご質問いたします。
田澤先生のブログで日々勉強し、心の支えにしております。
10月27日に針生検、エコーの検査を受け、11月10日に、
乳がんであることを主治医から知らされました。
その後マンモグラフィーやMRI、CT、―不要かもしれない―骨センチも検査しました。
・スキルスタイプ ・大きさはMRIでは17.3mm ・領域C
・浸潤がんStageⅠ
・ER、PgRともに陽性、10%以上、高度
・Ki67 陽性率21.39%
・HER2/neuタンパク染色法:1+、HER2/neuタンパク過剰発現なし
・目に見える腋窩リンパ節転移はなし  ・乳管内進展の所見なし
・遠隔転移なし
12月11日に温存手術、センチネルリンパ節生研を受けました。
・微小転移(1mm)が1個見つかった。
とのことでした。
術前の私の希望は「微小転移のみの場合やマクロ転移2個までの場合は、郭清を希望しません」というものでしたので、腋窩リンパ節郭清は行いませんでした。
組織病理診断が出るのは、12月26日です。
その結果を待たなければなりませんが、おそらく、放射線療法と内分泌療法(アロマターゼ阻害剤)を併用することになろうかと思います。
(細かい事情は書きませんが、同じ病院の同じ外科で担当医が代わりましたが、以前の先生は化学療法も併用というご意見でした)。
12月18日(昨日)に診察を受け、「放射線療法の開始は年明けになるから、早めに治療を開始することとし、そのためにはまずフェマーラ服用がよい」という主治医のご意見で、レトロゾール錠(ジェネリック薬品)の服用を始めたところです。
(手術跡の回復は順調だそうです。)
田澤先生にお尋ねしたいのは次の2点です。
1.主治医は、放射線療法と内分泌療法を同時併用するというお考えでした。
「乳癌診療ガイドラインでは、放射線療法と内分泌療法の同時併用は推奨グレードC1なので、同時併用はしたくないのですが」という希望を述べたところ、「調べてみる」とのことでした。
田澤先生は同時併用についてどうお考えですか。
2.もし、順次併用する場合は、どちらが先でもかまわないものでしょうか。
そうであれば、内分泌療法→放射線療法→内分泌療法という順になりそうですが、それでよいのでしょうか。
放射線療法の前に内分泌療法を行うのは標準的なのでしょうか。
年明け(術後約4週間後)に放射線療法を開始し、その後内分泌療法を始めるほうが無難ではないでしょうか。
わからないことだらけで困惑しております。
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1.主治医は、放射線療法と内分泌療法を同時併用するというお考えでした。「乳癌診療ガイドラインでは、放射線療法と内分泌療法の同時併用は推奨グレードC1なので、同時併用はしたくないのですが」という希望を述べたところ、「調べてみる」とのことでした。田澤先生は同時併用についてどうお考えですか。」
⇒私は「同時併用」には問題ないと思っています。
 実際には「有害事象」の増加はありません。
 
「年明け(術後約4週間後)に放射線 療法を開始し、その後内分泌療法を始めるほうが無難ではないでしょうか」
⇒内分泌療法と放射線療法併用に問題はないと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

管理番号:2046]で「放射線療法と内分泌療法(アロマターゼ阻害剤)を併用すること」についてお伺いしたものです。
その後も毎日、先生のQ&Aを読んでいます。
放射線療法は無事終了し、併用して開始したくホルモン療法(フェマーラ)を不安なく続けていますが、術後の検診に関して、主治医の考えに不安があります。
これまでの経過は次のとおりです。
2015年10月末 右乳房に引きつれ有り、総合病院外科で
A医師(若手一般外科医)のもとで初診・視触診・エコーと針生検
11月上旬 乳がん告知
・スキルスタイプ ・大きさはMRIでは17.3mm ・領域C
・浸潤がんStageⅠ
・ER、PgRともに陽性、10%以上、高度
・Ki67 陽性率21.39%
・HER2/neuタンパク染色法:1+、HER2/neuタンパク過剰発現なし
・目に見える腋窩リンパ節転移はなし  ・乳管内進展の所見なし
・遠隔転移なし
12月(中旬)日にA医師の上司に当たるB医師(乳がん認定医)による温存手術、センチネルリンパ節生研を受けました。
(詳しい事情は割愛しますが、希望して主治医を代えて頂きました。)
・断端近傍、センチネルリンパに微小転移ひとつ。
提携病院での放射線療法「寡分割照射16回+ブースと照射4回」が終わりました。
3月(上旬)日主治医(B医師)による放射線療法終了後の初めての検診それまでの診察では毎回夫が同席し、事前にガイドラインで勉強し、ガイドラインに沿った希望を伝え、それは叶えられてきました。
しかし、術後の検診で夫の同席がなくなると、明らかに医師の態度が違います。
「3ヶ月毎の検診になりますか」と聞くと「あっそう、いいよ」
と無関心のような対応を受けます。
エコーをしていただけないか、尋ねると「エコーをしても、手術の跡と見分けがつかないんだよね。
自分でよく触診して変化がないか見てね。
再発はCTをするとわかるから」と言われました。
この医師からは、術後の変化を監視する熱意は少ないように感じられました。
田澤先生が言われた、「リードタイムバイアス」(2151-3)の発想なのかもしれません。
この主治医と今後どのように付き合っていけば、私は身を守ることができるのでしょうか。
次回の検診は5月(中旬)日です。
この時にどのような検査をするのかは不明です。
次のようなことを考えていますが、いかがでしょうか。
(1) 田澤先生は、「適度な検診とは」「3カ月に1回の視触診・超音波・採血腫瘍マーカーと年に1回のマンモグラフィーです」と答えておられますが、エコーをしない(してもわからない)と言われるB医師にエコーのお願いをしても無駄ではないか。
(2) 最初にエコーで発見して下さったA医師(エコーの技術はかなり高いとの評判)に、エコーをお願いするのは困難ではないか。
(3)CTは何らかの遠隔転移の兆候があってからお願いする。
(4)その徴候を得るために血液検査と両乳房の視触診を3ヶ月に1回お願いする。
(5)(B医師は言及していないが)マンモグラフィーを年に1回お願いする。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「この主治医と今後どのように付き合っていけば、私は身を守ることができるのでしょうか。」
⇒術後の経過観察に「無関心な医師が多い」ことは、このQandAを見ていると解ります。
 そもそも「超音波は技師任せ」という環境で育っていると、自然にそのようになるのではないかと想像しています。
 
「B医師にエコーのお願いをしても無駄ではないか。」
⇒残念ながら、そのようですね。
 
「 最初にエコーで発見して下さったA医師に、エコーをお願いするのは困難ではないか。」
⇒主治医を変えているのだから「術後の経過観察のために、また戻す」というのは困難でしょう。
 
「(3)CTは何らかの遠隔転移の兆候があってからお願いする。」
⇒その通りです。
 
「(4)その徴候を得るために血液検査と両乳房の視触診を3ヶ月に1回お願いする。」
⇒それがいいです。
 そこに超音波を加えるかどうかですね。
 
「(5)(B医師は言及していないが)マンモグラフィーを年に1回お願いす。」
⇒ガイドラインにも推奨されています。