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妊娠出産希望の際のホルモン療法

[管理番号:975]
性別:女性
年齢:33歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:945「ホルモン療法と妊娠について」

 
 
たくさんの質問に一つ一つ丁寧にお答えいただき、本当にありがとうございました。
乳がんになってしまったのであきらめなければいけないと思っていた妊娠・出産だったのですが、先生から心強いお言葉をいただき光が見えてきました。
何度も質問して申し訳ありません。
今のところ主治医からはリュープリン2年、ノルバデックス5年と言われているのですが、もし3年でホルモン治療を一旦中止するとしたら、2年ではなく3年間リュープリン治療もした方がいいと思われますか?
再発率16.5%は、ホルモン治療しての数字なのですね。
思っていたより少し高かったので不安です。化学療法をしていたらもう少し下がったのでしょうか?
HER2 2+ でFISH法 -ではハーセプチンをしても効果なかったのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。

回答

「もし3年でホルモン治療を一旦中止するとしたら、2年ではなく3年間リュープリン治療もした方がいいと思われますか?」
⇒そう思います。
 33歳という年齢を考えれば、「妊娠・出産・授乳をしない」期間は、「卵巣機能は完全に抑えた」方がいいと思います。
 LH-RHagonistは「中止後に卵巣機能が復活することが多い」とは言え、妊娠が困難となる可能性があります。
妊娠・出産・授乳をすることは「乳癌術後の予後に影響しない」訳なので、「確実に妊娠を考える」のであれば「妊娠を先行」させる事も考慮すべきです。
 
「化学療法をしていたらもう少し下がったのでしょうか?」
⇒化学療法による「上乗せ効果」は「5.7%」です。
 
「HER2 2+ でFISH法 -ではハーセプチンをしても効果なかったのでしょうか?」
⇒全く意味がありません。
 ハーセプチンは無効です。
 HER2 2+の75%は「FISH陰性」です。
 ハーセプチンの効果が解っているのは「HER2 3+ か FISH陽性」なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、お忙しい中本当にありがとうございました。
若年性乳がんということもあり、予後に不安を感じており抗がん剤をしないという治療法に少し不安があったのですが、他の方の回答なども見させていただき、ホルモン療法をしっかりやることがベストだということを自分の中で納得することができました。
とりあえず2年もしくは3年間しっかりノルバデックスとリュープリン治療をしてもし可能なら妊娠出産後にホルモン療法を再開しようと思います。
2年するか3年するかについては、それほど再発率に差はないとお考えですか?
年齢的なものもあり、妊娠するなら早い方がいいとな思うのですが、やはり再発が怖いです。
もう1点だけすいません。硬癌は早期から砂をまくようにがん細胞を撒き散らすので予後かよくないと何かで見たのですが腫瘍径7ミリ、脈管侵襲なしという病理結果なのであまり心配し過ぎなくてもいいのでしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。

回答

「2年するか3年するかについては、それほど再発率に差はないとお考えですか?」
⇒関係無いと思います。
 更に「出産後に」再開してトータルで10年内服すれば「殆ど差は無い」と思います。
 
「硬癌は早期から砂をまくようにがん細胞を撒き散らすので予後かよくないと何かで見た」
⇒そんな記事は忘れましょう。
 「サブタイプ」やましてや「組織型」などは無意味です。
 『腫瘍が小さいことは最大の武器』です。