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ホルモン治療の種類と妊娠時期について

[管理番号:5495]
性別:女性
年齢:30歳
先般、妻の乳がん手術予約に関しまして、ご連絡させて頂きました者です。
最終的には、手術時期や移動距離の関係上、現在住んでいますスペインの病院で手術致しましたが、その節は、秘書の方や田澤先生には、大変お世話になりました。
また、こちらのQ&Aも大変ありがたく、拝見致しております。
この度、手術後のホルモン治療と妊娠時期にに関して質問させて下さい。
以下、現在までの経緯/検査結果の後に、二つ質問を記載致しました。
宜しくお願い致します。
<経緯/検査結果>
2017年
6/(下旬)
スペイン在住。
日本に一時帰国中に、都内クリニックにて乳がん検診受診。
エコー検査実施、5ミリ程度の影あり、要精密検査の結果。
7/(中旬)
同クリニックから紹介された某大学附属病院にてエコー検査実施、7ミリ程度の影あり、日本に一時帰国中だった為、針生検は見送る旨担当医師より説明あり。
7/(中旬)
スペインの現地総合病科の婦人科で、専門医を受診。
7/(下旬)
同スペインの病院にて、エコー、マンモグラフィー、針生検実施。
8/(上旬)
同スペインの病院にて、針生検の結果、右浸潤性乳がん癌と確定診断を受ける。
8/(中旬)
これまで執刀医による診察が無く、手術当日までは助手の外科医のみの診察という状況に不安を覚え、病院を変更。
別のスペインの病院で、MRIの拡り検査実施。
8/(下旬)
同スペインの病院で、温存手術実施。
8/(下旬)
以下病理検査結果説明あり。
Ki67が25%だった為、抗がん剤の要否を確認するためにオンコタイプDX検査を希望。
-核グレード:1
-サイズ:10mm x 5mm
-リンパ転移:0/1
-ステージ:(検査結果には記載ありませんでしたが、浸潤性、サイズ、リ
ンパ転移陰性からステージ1と理解しています。)
-Ki67: 25%
-サプタイプ:ルミナールA or B
9/(下旬)
腫瘍科医よりオンコタイプDX結果説明あり。
-Risk score 18(LowとIntermediateの境界線)
-タモキシフェン単独で10年後再発リスク11%
-抗がん剤による10年後の再発リスク低減効果は追加でマイナス2~3%と限定的な為、ホルモン治療と放射線治療を実施することとしました。
<ご質問>
1. ホルモン治療に関して:
現地医師からは、タモキシフェン単独5年間(5年後に様子を見て更に継続するか検討)でも良いが、妻の年齢が35歳以下であるため、副作用はタモキシフェンより強いが、より再発リスク低減効果が期待できるExemestaneとLHRH analogueの併用5年間を推 奨すると説明がありました。
田澤先生は、妻の状況から、どちらのホルモン治療をお勧めされますか?また、この二つの治療法でどの程度再発リスクに差が出てくるのでしょうか?
2. 妊娠出産時期に関して
現在海外在住且つ年齢が30歳なので、妻は1-2年後の妊娠を希望しています。
その場合、例えば1-2年間ホルモン治療を行い、休薬/妊娠出産、服薬再開(3-4年間)でも、再発リスクに違いは無い(予後に影響しない)と理解して宜しいでしょうか?他のQ&Aにて、田澤先生は妊娠出産→ホルモン治療開始で良いとのことでしたので、2年間服薬、妊娠出産、治療再開の流れでも良いと考えているのですが、正しいでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「どちらのホルモン治療をお勧めされますか?」
⇒日本では「アロマターゼ阻害剤+LH-RHagonist」の適応外なので、それについてはコメントできません。(日本ならタモキシフェン+LH-RHagonistとなります)
「例えば1-2年間ホルモン治療を行い、休薬/妊娠出産、服薬再開(3-4年間)でも、再発リスクに違いは無い(予後に影響しない)と理解して宜しいでしょうか?」
⇒その通りです。
 「田澤先生は妊娠出産→ホルモン治療開始で良いとのことでした」
 ⇒その通りです。