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骨粗鬆のリスクとホルモン剤をやめるとき

[管理番号:5302]
性別:女性
年齢:65歳
初めて質問させていただきます。
2012年8月末に右胸全摘手術をして満5年になります。
現在65歳。
病理診断は
breast, rt AC、invasive ductal carcinoma, scirrhous type, f,pT1, pNO Nuclear grade 1 (atypia2,mitosiss 1)
病理初見は(右乳房切除材料)
右AC領域に、径9mmの腫瘍。
腫瘍細胞は異型核を持ち、索状巣を形成
し脂肪織に浸潤。
背景には DCいSが広がっている。
Invasive ductal
carcinoma, scirrhous typeの像。
リンパ菅・静脈侵襲像は観察されない。
Ki67 2%
ER 8  PgR 4  Her2: 1+
骨塩量は骨粗鬆症ではないが低め。
ホルモン治療を行い、フェマーラとアルファロールをずっと服用しています。
また昨年(2016年8月)に骨粗鬆症となりボノテオを月1度服用しております。
1年後の検査で骨塩量が腰椎 -4,3から-3.8に改善、大腿骨は-1,9から-2.0と少し悪くなりました。
このときの診察で、主治医からホルモン剤をそろそろやめてはどうかと言われました。
癌の今後の転移の可能性よりも、骨粗鬆症によるリスクの方が高いからということです。
薬を頼りにしてきたので、それがなくなることにとても不安を感じます。
質問です。
1.乳がんの進行はゆっくりだということなので、10年ほどホルモン治療を続けたいと思っていたのですが、5年でやめた場合の再発率はどうなのでしょうか。
あまり変わりはないのでしょうか(主治医は10年の調査はないとのことでした)。
2.ボノテオと一緒にホルモン剤の服用を続けるというのは、推奨されることでしょうか。
どうぞご教示のほどよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ホルモン療法の至適投与期間は現時点では5年間です。
10年投与の優位性はエビデンスがありますし、有害事象もコントロールの範囲内かもしれませんが、
重要な視点として『医療経済的観点(言い換えれば「費用対コスト」」』が欠けています。
ホルモン療法も保険医療であることを忘れてはいけません。
そこから考えると「早期患者さん」は5年投与とすべきと(現段階では)私は考えます。
○質問者は「浸潤径9mm」「NG1」「Ki67=2%」
 ⇒「超早期」で(しかも)「かなり大人しい」
  私だったら(骨粗鬆症とは、そもそも無関係に)「ホルモン療法は5年間」とします。
「5年でやめた場合の再発率はどうなのでしょうか。あまり変わりはないのでしょうか」
⇒ほとんど変わらないと思います。(担当医のいうように、再発率のデータはありません)(主治医は10年の調査はないとのことでした)。
「2.ボノテオと一緒にホルモン剤の服用を続けるというのは、推奨されることでしょうか。」
⇒5年過ぎたのだから、不要です。