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ホルモン治療について

[管理番号:4737]
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生
お世話になります。
初めて質問させていただきます。
過去の記事なども
読ませていただいており、不安になった時に、何度も救われた気持ちになる記事が多くありました。
ありがとうございます。
早速ですが、私は、昨年(2016年)9月に乳がんがわかり、10月末に右胸全摘手術を行いました。
画像では認められませんでしたが、術後の病理結果で、脇の下のリンパ節に転移が認められました。
微小転移ではないことはわかっていますが、その場でリンパ廓清にタイプできる病院でなかったため、どの程度リンパ転移があったか、詳しいことは分かっていない状況です。
まず抗がん剤を先行させて、その後でリンパ腋窩リンパ節廓清手術をするかもしれないと言われていますが、再手術についてはQOLを天秤にかけて、行うかどうか判断が微妙なところだという説明を受けています。
2017年1月より、AC療法を4回行い、そのあと続けてドセタキセルとハーセプチンの投与を4回行い、昨日(5月(上旬)日)に最後の投与が終了したところです。
この後は、ハーセプチン単独を14回とホルモン治療に移る予定です。
主治医の先生は、飲み薬のみのホルモン治療で、皮下注射のリュープリンなどは積極的に勧めていない様子でした。
皮下注射を追加することの、上乗せ効果がそれほど大きくないことと、独身である私の人生を配慮して、ということでした。
次回の診察時によく話し合って決めることになっていますが、それまでに色々な情報を集めたいため、お忙しいところ大変恐縮ですが、田澤先生のご意見をいただけますと大変助かります。
質問1:現在すでに抗がん剤の影響で生理が止まっており、ホットフラッシュのような症状が出て、睡眠障害などがおきていますが、皮下注射は行わず、飲み薬のみのホルモン治療をした場合、生理は戻ってくる可能性が高いでしょうか?
質問2:たとえば生理が戻って来なかった場合、リュープリンなどの皮下注射を行う必要はなくなりますか?
質問3:皮下注射を行った場合と、飲み薬のみの場合で、上乗せ効果はどのくらいになるか、データがあれば教えていただけないでしょうか。
質問4:これまでの質問と少しずれますが、リンパ節の転移部分が気になっています。
将来的に手術で取る可能性もありますが、抗がん剤
(AC、ドセタキセル、ハープチン)を受けた今の段階で、リンパ節のがんが消えている可能性もありますか?
色々と質問させていただき、大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。
年齢43歳(今月中に44歳)
T1c N1M0 StageIIa
浸潤径8~9mm
ER(+)、PGR(+)、Her2(+)
ルミナールB
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ポイントは2つ
1.本来、センチネルリンパ節生検の扱い(微小転移ならどうするか?とか、肉眼的転移があった場合にはどうするか?)は「術前に取り決めておくべき」ものであり、その後の治療効果に影響されるべきではない
2.化学療法閉経後には「月経再開が良くない」ことは間違いないことであり、
  2-1.(月経再開する前に)予め「LH-RHagonistを開始しておく」場合と
  2-2.(月経が再開した事を確認した後に)「LH-RHagonistを開始する」場合が考えられます。
  ♯どちらでもいいのです。
「飲み薬のみのホルモン治療をした場合、生理は戻ってくる可能性が高いでしょうか?」
⇒年齢的には微妙です。
 戻る可能性の方が「やや高い」と思います。
「質問2:たとえば生理が戻って来なかった場合、リュープリンなどの皮下注射を行う必要はなくなりますか?」
⇒そういうことです。
「質問3:皮下注射を行った場合と、飲み薬のみの場合で、上乗せ効果はどのくらいになるか、データがあれば教えていただけないでしょうか。」
⇒ありません。
 
「抗がん剤(AC、ドセタキセル、ハープチン)を受けた今の段階で、リンパ節のがんが消えている可能性もありますか?」
⇒あります。
 ただ「その可能性を期待」すべきかは不明です。