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ホルモン治療の件

[管理番号:2285]
性別:女性
年齢:43歳
いつも先生のサイトを見ては、勇気づけられたり、解決したりしています。
ありがとうございます。
私は、昨年12月に多発性乳癌だったので、右胸全摘出のオペをしました。
1月○○日に病理検査の結果が出ました。
病理検査の結果は以下の通りです。
Breast(right)excision
Invasive ductal carcinoma papillo-
tubular ca INFb t 6mm g(+)f(+)s(―)
ly0,v0
Nuclear
grade;Grade1(Atypia2,Mitosis1)
腫大核を有する異形細胞が導管内に増生する像とともに、小型管腔構造を呈して間質に浸潤性に増生する像を認める。
浸潤部の径は6㎜。
浸潤部のki-67 LIは約5%
主治医は早期癌で、センチネルしたがリンパ転移もない、一番大きい細胞でも6㎜の浸潤、全身転移の心配もない、ルミナールAで抗がん剤の必要もない。
ホルモン感受性がありと出ているので、ホルモン治療をどうするか考えましょうとの事でした。
オペで治療が完治したと言ってもいいぐらいですが、ホルモン感受性がありと出ているので反対側の癌抑制の意味でもホルモン剤は有効ですと。
ホルモン剤を飲まずにという選択肢もあるということ。
私が反対側に癌が発生する確率は1%といわれました。
もし、ホルモン剤服用すると更に半分の確率に抑えられると言われました。
しかし、子宮体癌や更年期のような症状が出る場合もあると言われました。
正直、ホルモン剤治療をすべきか悩んでいます。
知り合いの方がノルバデックスを服用して副作用でとても辛い思いをしているのを聞いているので、鬱になったら、不眠になったら、胸の次は子宮関係で癌になったらとホルモン剤を飲んだばかりに、身体がひどい事になったらと悪い想像ばかりして答えが出せずにいます。
先生なら、私にはホルモン剤を出しますか?
20歳~30歳にかけて鬱になり、やっと克服し、薬もいらない生活をしているので、また精神的に不安定になり、また薬がないと過ごせない自分にならないかとても不安です。
まだ幼稚園生、小学生の子供がいるので、毎日活発に動けないような体調になるのではと、なかなかホルモン剤服用しますと主治医に言えません。
また今週、受診日なのでそれまでに考えをまとめなければと思っています。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(6mm), pN0, NG1, luminalA
「オペで治療が完治したと言ってもいいぐらいですが、ホルモン感受性がありと出ているので反対側の癌抑制の意味でもホルモン剤は有効ですと。」
⇒正しい解釈です。
 
「正直、ホルモン剤治療をすべきか悩んでいます。知り合いの方がノルバデックスを服用して副作用でとても辛い思いをしているのを聞いているので、鬱になったら、不眠になったら、胸の次は子宮関係で癌になったらとホルモン剤を飲んだばかりに、身体がひどい事になったらと悪い想像ばかり」
⇒それ程気になるのであれば「ホルモン療法は辞める」べきです。
 
「先生なら、私にはホルモン剤を出しますか?20歳~30歳にかけて鬱になり、やっと克服し、薬もいらない生活をしているので、また精神的に不安定になり、また薬がないと過ごせない自分にならないかとても不安です。」
⇒ホルモン療法はしません。
 担当医の言う様に「このままでも、殆ど根治」なのです。
 わざわざ「対側の発生予防」のために、「心身ともを害する」のは本末転倒です。
 
○術後補助療法は、あくまでも「再発予防」です。
 リスクと効果のバランスが重視されます。
 質問者の病状では「答えは明白」と思います。