乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:4865]
性別:女性
年齢:46歳

田澤先生、はじめまして。

右胸 非浸潤性乳管癌との診断をされ、自分の状態をはっきり知りたくて
先生のQ&Aに巡り合えました。

経緯が長くなり、お時間をいただきまして申し訳ありませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。

現在46才です。

これまでの経緯は

 2012年
  会社の春の健康診断でマンモグラフィーを受け、
  右胸に石灰化があるため要精密検査となり、乳腺クリニックを受診しました。

  先生から「右胸全体に石灰化が散らばっているため
  良性だと思いますが、マンモトームを受けてください」と
  マンモトームが受けられる総合病院を紹介されました。

  右胸全体にたくさんの小さな白い粒が散らばっていました。

  
  総合病院の乳腺外科を受診し、
  マンモトーム(マンモグラフィーガイド)で
  この時は 右胸の上部外側の組織が採取されました。

  結果は「乳房微細石灰化。
悪性ではありませんが壊死が見られ、
  異型が強いため要経過観察」とのことで
  半年ごとにマンモグラフィーと超音波検査を続けることになりました。

  それ以降は半年毎にマンモグラフィーとエコー検査を
  受けていましたが、特に変化はなしとのことでした。

  右胸はチクチク痛んだり、ぎゅーっと強い痛みがありましたが
  「痛みは乳がんの症状ではありません」と言われていました。

 2017年2月
  「マンモグラフィーでの石灰化は大きな変化がありませんが、
  超音波で乳頭下あたりに黒い空洞が見られますので
  MRIで確かめましょう」と言われました。

  MRIの結果は
  放射線科の先生は「異常所見なし」との判断でしたが
  乳腺外科の先生は「映り方が怪しいところがあるので
  組織を採取して検査をしましょう」と言われ、
  超音波ガイドの生検を受けました。

  4本分の組織を採取されたそうです。

  この時は2012年のマンモトーム生検の時とは
  違う位置(乳輪のすぐ下辺り)の組織を採取されました。

  
  結果は
  「異型が強い細胞増殖、壊死があり、非浸潤性乳管癌の進展疑いがあります。

   切開生検での確定診断が望まれます」とのことでした。

  その後、5月に切開生検のために入院し、
  右の乳輪のすぐ上を横に7-8センチほど切り
  画像で怪しいと思われた部分の組織の採取がされました。

  最初の説明より小さい50×30ほどの範囲の採取でした。

  後日の結果
  DCIS「非浸潤性乳管癌」と診断されました。

  非浸潤性乳管癌では関係ないかもしれませんが
   ホルモンどちらも陽性
   HER2 +3
   核グレード 3  でした。

  切除断片陽性のため、追加手術をしなければいけなくなりました。

  MRI、超音波画像で怪しいと思われた範囲を超えて癌の広がりがあるので
  温存は出来ないそうです。

  悲しいですが、白い粒の広がりが右胸全体にあるのはいつも見ていましたので
  そこは諦めはつきました。

  今回の切開採取した部分には2012年にマンモトームをした
  上部外側のクリップを入れた位置の組織は取っていないそうです。

  もしそこや、他の場所で5ミリ以上の浸潤があれば
  HER2陽性のため抗がん剤をしないといけないと言われました。

  これは乳腺全摘をした全部の組織検査をしないとわからないので
  とても不安になっています・・
 
  また手術・・と思うと怖くてショックですが
  まもなく手術方法を決めなくてはいけません。

  担当の先生からは、2つの手術の提案がありました。

  
   ①皮下乳腺全摘(乳輪乳頭は残す)+ センチネルリンパ節生検 + 乳房再建術
   ②乳房全摘 + センチネルリンパ節生検

  担当の先生は「①を受けてください。
再建後がきれいです。

  ②は胸がなくなることのショックが大きすぎる」とおっしゃっていました。

  
よく考えてどちらかを考えて決めることになり、
パンフレットを家で読むように言われて診察から帰りました。

  
私は①の皮下乳腺全摘手術に決めようと思っていました。

でもよくわからないまま決めるのも怖くなり、
先生の過去のQ&Aの「非浸潤性乳管癌」に関連しそうな質問に対する
お答えをたくさん拝見させていただきましたところ
乳輪乳頭を残す皮下乳腺全摘は、乳輪乳頭を残すことで
局所再発のリスクがあることを知ってびっくりしました。

そして、とても迷っています。

この前受けた切開生検の傷でもかなりのショックを受けていますので
次の追加手術で全摘となり、胸を失うと気持ちが耐えられるか
どれほどストレスを受けるかわからず心配なのと、
怖い手術の回数を出来る限り少なくしたいのもありますので手術と同時に再建を希望しています。

乳輪乳頭はなくなっても、ふくらみが再建できればいいと思っています。

(後々乳輪乳頭も再建出来ると病院のパンフレットに記載がありましたので
 落ち着いてから考えようと思います)

再建方法は、気持ちに余裕がなくてシリコン再建しか聞けていませんでした。

担当の先生はシリコンで再建される方が多いようにおっしゃっていましたがシリコンで再建すると10年毎に入れ替えをしたり、
体に適応しなければ取り出す手術もあると言われたことが気がかりです。

もう出来る限り手術をしたくないと思っていますので
10年毎の入れ替えのない自家組織を希望しています。

ただ、子宮筋腫で約3年前に子宮全摘の手術を受けていますので
おへその5センチ下から 縦に8センチほどの傷があります。

卵巣は残っています。

矛盾した文章や情報の不足もあると思いますし、
あつかましくも、たくさんの質問をさせていただき、
ほんとうに申し訳ありませんが
せっかく早いうちに見付かった乳がんを、誤った選択で再発させてしまうほど残念なことはないと思いますので
田澤先生のご意見をお聞かせいただきたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

1. 乳輪すぐ1ミリほど上を切開して採取した乳輪すぐ下の組織に
  断片陽性の非浸潤癌が見付かった場合でも、
  ①の乳輪乳頭を残す皮下乳腺全摘は安全と言えるのでしょうか?

2. ①の皮下乳腺全摘で、乳輪乳頭を残さずに切除した場合は
  局所再発はありますか?

3. 乳輪乳頭部分を切除した皮下乳腺全摘で残る皮膚が少なくなっても
  同時再建は出来ますか?

4. 乳房全摘では同時再建は出来ないのでしょうか?

5. 田澤先生は非浸潤癌(まだ未検査の広い範囲の組織に浸潤癌もあるかもしれない場合)では
  どのような手術が一番良いとお考えですか?

6. お腹に大きな手術痕がある場合は、お腹の自家組織での同時再建は
  出来ないようにパンフレットに書かれていました。

  やはり出来ないのでしょうか?

  
お忙しい中、申し訳ありませんが
どうぞよろしくお願いいたします。

  
  
  

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず指摘したいのは 『結果は「乳房微細石灰化。悪性ではありませんが壊死が見られ、  異型が強いため要経過観察」とのこと』となっていますが…
 そもそも「壊死が見られ」とありますが、「壊死型石灰化は癌でしか認められない」ものです。
 しかも「異型が強い」となると…
 「何故、その際に(経過観察ではなく)外科的生検をしなかったのか?」大変、理解に苦しみます。
 ♯2017年の「結果は  「異型が強い細胞増殖、壊死があり、非浸潤性乳管癌の進展疑いがあります。」というのと全く変わりませんが…

「もしそこや、他の場所で5ミリ以上の浸潤があれば  HER2陽性のため抗がん剤をしないといけないと言われました。」
⇒正しい表現ではありません。

 HER2陽性はあくまでも「非浸潤癌での評価」です。
 浸潤部分が有った場合には「浸潤部分でサブタイプをし直さなければいけない」のです。(浸潤部分が、非浸潤癌と同じサブタイプであるとは限りません)

「乳輪乳頭を残す皮下乳腺全摘は、乳輪乳頭を残すことで局所再発のリスクがあることを知ってびっくりしました。」
⇒その通り。

 質問者の場合には「広い範囲」でしかも「乳輪の部分にも癌が有る事が証明されている(外科的生検した部位)」ですよね?
 
 ☆安全な「乳頭乳輪温存の基準」は
  1.腫瘍径が小さい
  2.乳頭から十分に離れている
  3.乳頭乳輪部の壊死の可能性を事前に伝えている

 以上となります。
  (3はどうなのか知りませんが)非浸潤癌とはいえ「1と2が反している」ことにご注意ください。

「1. 乳輪すぐ1ミリほど上を切開して採取した乳輪すぐ下の組織に  断片陽性の非浸潤癌が見付かった場合でも、  ①の乳輪乳頭を残す皮下乳腺全摘は安全と言えるのでしょうか?」
⇒安全ではありません。(上記の基準参照)

「2. ①の皮下乳腺全摘で、乳輪乳頭を残さずに切除した場合は  局所再発はありますか?」
⇒(乳頭乳輪も切除すれば)「乳腺組織は全部無くなる」ので局所再発はありえません。

「3. 乳輪乳頭部分を切除した皮下乳腺全摘で残る皮膚が少なくなっても  同時再建は出来ますか?」
⇒勿論できます。

 安全な同時再建は(乳頭乳輪も切除する)「通常の乳房切除」で行われるものであり、あくまでも「乳頭乳輪温存」は(上記基準を満たす場合の)オプションと考えるべきです。

「4. 乳房全摘では同時再建は出来ないのでしょうか?」
⇒組織拡張器を入れる2期的再建も(自家組織を用いる)「1期的再建」も、どちらも可能です。

「5. 田澤先生は非浸潤癌(まだ未検査の広い範囲の組織に浸潤癌もあるかもしれない場合)では  どのような手術が一番良いとお考えですか?」
⇒広範囲なのだから、「当然」乳頭乳輪も含めた(通常の)「乳房全摘」です。(希望があるなら同時再建してもいいでしょう)

「6. お腹に大きな手術痕がある場合は、お腹の自家組織での同時再建は  出来ないようにパンフレットに書かれていました。  やはり出来ないのでしょうか?」
⇒その通りです。

 広背筋皮弁ではvolumeが足りない場合には「シリコンインプラント」となります。

  





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