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非浸潤癌から浸潤癌への移行スピード

[管理番号:6081]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生、初めまして。
昨年末に乳がんのリスクが上がったと言われてから
この2ヶ月、不安でたまらず、質問をさせて頂きます。
まず経緯から説明します。
2016年9月末、乳がん検診のマンモで左胸に石灰化を指摘される。
「大丈夫だと思うけど、前回検診では石灰化はなかったので」と、乳腺外科のある病院を紹介されました。
石灰化は、ごく小さな一カ所に幾つか集積していて、
紹介状には確か「カテゴリー3」とあった記憶です。
乳腺外科のある病院で、1か月後の10月末にマンモ、エコー、触診。
エコーと触診ではしこりはなく、マンモの石灰化も
経過観察となりました。
その半年後の2017年4月にエコーと触診で問題なし。
更に8か月後の12月末にエコーとマンモ。
エコーは問題なしですが、マンモの結果、
「石灰化が少し増えている気がする」と画像を見せられました。
範囲は広がってませんが、石灰化の数が少し増えているようでした。
2月頭にMRIをした結果、
「初期の乳がんだと思います。
でも綺麗に取って再建すれば大丈夫ですよ」
と言われました。
マンモではごく小さい箇所に石灰化でしたが、
MRIでは白い影が細く長く広い範囲で広がっており、何カ所か枝分かれして
その先が数カ所大きく丸く映っていたように記憶しております。
ちなみに右胸は全体に黒というかグレーというか、白い影は映っていませんでした。
その後、2月中旬にマンモトーム下針生検査をし結果待ちです。
針は何カ所も採取できないと言われ、石灰化の1カ所のみですが石灰化は綺麗に取れたとのことです。
そこで本題の質問ですが、
①範囲が広がっていることから、
 2016年9月末、初めて石灰化を指摘された時点で恐らく乳がん
 だったのではと思います。
既に1年半経っています。
 MRI検査後の主治医の先生の口ぶりや、しこりがないことから、
 非浸潤癌と思われますが(針生検の結果次第ですが)、
 1年半も経っていれば浸潤する可能性は高いでしょうか?
 一概には言えないかもしれませんが、どうかご意見お聞かせ下さい。
 MRIの結果全摘と言われても中々受け入れられません。
 最初の時点で針生検していれば温存対象だったかもと、
 今更言っても仕方ないですが悔いが残ります。
②関西在住ですが、針生検の結果が出たら田澤先生にセカンドオピニオンを
 お願いしたいです。
が、貴サイトに 「混んでいるので初診の場合、予約が取れないことも」とあります。
 今からだとおおよそいつぐらいになりそうでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「初めて石灰化を指摘された時点で恐らく乳がん」
⇒それは間違いありません。
 結局「癌が原因であった石灰化だった」わけだから、当然そうなります。
「1年半も経っていれば浸潤する可能性は高いでしょうか?  一概には言えないかもしれませんが、どうかご意見お聞かせ下さい。」
⇒この「1年半経った」という表現に少し誤解が有りそうです。
 「非浸潤癌だと診断がついてから、1年半放置」と「似ていて非なり」です。
 あくまでも(癌が本格的に疑われ出したのは)今年の12月のわけですから、「放置しているわけではありません」
 どの時点で疑われるのかは、ある意味運(検診のタイミングを含めて)なので、「石灰化を認めてからの1年半」を過大視する必要はないのです。
「MRIの結果全摘と言われても中々受け入れられません。」
「針生検の結果が出たら田澤先生にセカンドオピニオン」

⇒セカンドオピニオンの内容は「本当に全摘が必要か?」でしょうか。
 そこに関しては「MRIで拡がりが疑われて(前医で)全摘を勧められている以上」(責任をもって)「温存でも大丈夫」と(私が)言いきることは困難なようにも思います。
「混んでいるので初診の場合、予約が取れないことも」
セカンドオピニオンは「水曜日の夕方に予約枠」があるので「予約が取れない」ことはありません。
「今からだとおおよそいつぐらいになりそうでしょうか?」
⇒そこは(実は私の権限外なので)完全には把握できませんが、比較的早く(1カ月?)取れるようです。普通に「病院代表⇒乳腺外来看護師」へと連絡とってみてください。
江戸川病院
 
 

 

質問者様から 【質問2 非浸潤でなく浸潤していました】

性別:女性
年齢:50歳
先日はご多忙中、迅速に回答を頂き誠にありがとうございました。
2回目以降は原則1週間空けてとのルールですが、
針生検の結果が思ったより悪く、且つ教えて貰えた項目が少なく、
不安と焦りからフライングしてしまい、お許しください。
田澤先生の「前医が全摘と勧めているのに責任を持って温存でいいとは言いかねる」
とのご回答尤もなので、セカンドオピニオン時には、
先生ならどう手術されるか(皮膚を含めて切除範囲だとか傷の具合だとか)、
術後療法が必要になりそうか、再建するかしないかの相談などお聞きしようかと思いましたが、
セカンドオピニオンでなく診察・検査して頂いた方がいいのかわからなくなり、
投稿させて頂いた次第です。
まず針生検の結果ですが、浸潤していました。
が浸潤の大きさは不明。
浸潤型乳管癌とだけ言われ、
すぐに手術の説明になりました。
ちなみに主治医の先生曰く「非浸潤だと思ったが。
恐らく混在型。
非浸潤部分の方が多いとは思うが…」とのことです。
手術に関しては、温存できなくないが形が崩れるだろう。
お勧めは全摘&再建。
(再建を勧めているからか)皮下脂肪まで癌は広がってないので皮膚は残せる。
その場合、傷は正面でなく横に縦に入るから
目立ちにくい。
乳輪・乳頭は微妙。
下の方に気になる部分が写ってる。
が、対側の右にも同様の影があるので良性だろうと思う。
乳輪・乳頭を残すか取るかは選択できる。
  ⇒MRIの結果時は、「右は何も映ってないでしょう」と
   画像を見せられたのに、今回、白く丸いものが左右どちらの乳頭の
   下に写ってました。
何cm下かは聞けていません。
他、粘って教えて頂けたのは、以下です。
・グレード2
・コメド型。
先生からは「そんなに心配しなくてもいい」とは言われましたが…
・大きさ 4.6~4.8cm
・ステージⅡ(浸潤径が不明。
非浸潤含めた全体で5cm弱だから今段階ステージⅡ)
・リンパは今のところ転移無しと思うが…。
サブタイプ・Ki67・ホルモン受容体・HER2・脈管侵襲などは「手術してから」。
針生検の段階でもこれらの結果を聞けている方はいらっしゃいますよね。
検査結果のレポートを欲しいとお願いしましたが、
「カルテ開示になる。
手続きしないと」と断られました。
針生検時、「石灰化部分はちゃんと採れた」と言われたのにわからないものでしょうか?
それとも、わからないのも普通なんでしょうか?
もしかしたら手術後まで、確定しないことは言わない方針なのかもしれませんが、
患者の私としては、微小石灰化で見つかったものがMRI→針生検と検査するたびに悪い結果になり、自分の癌がどんな状況なのか判断材料が少なく思えて、
加えて「手術してから」放射線・ホルモン療法・抗がん剤もあり得ると言われ、不安が広がる一方です。
動揺が収まらず、セカンドオピニオンの許可を頂いて手術日は決めずに帰宅しました。
そこで質問と相談ですが、
①セカンドオピニオンの予約を入れたのですが、
 診察・検査で予約を取り直した方がいいでしょうか?
②針生検で浸潤していた場合は微小浸潤ではなく、
 浸潤径は大きく浸潤箇所は多い可能性が高いでしょうか?
③「手術してから」と言われた項目が多く、
 浸潤している・術後治療の可能性を考えたら、
 手術はどれくらい急いだ方がいいでしょうか?
 術後療法は避けたいです。
至急手術した方が避けられる
 可能性は高くなるでしょうか?
④乳頭下と右胸の白く丸く写っているものは本当に良性か、
 その根拠を主治医の先生に確認したほうがいいでしょうか?
 それとも検査した方がいいでしょうか?
以上、ご多忙中恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「①セカンドオピニオンの予約を入れたのですが、
 診察・検査で予約を取り直した方がいいでしょうか?」

⇒主旨の問題です。
 あくまでも現病院での治療を考えているのであれば、「治療法の妥当性」について「セカンドオピニオン」となります。
「②針生検で浸潤していた場合は微小浸潤ではなく、
 浸潤径は大きく浸潤箇所は多い可能性が高いでしょうか?」

⇒手術してみないと解らない事です。
 ただ、画像からは「大きな浸潤巣はない」可能性が高いとは思います。
「手術はどれくらい急いだ方がいいでしょうか?」
⇒あくまでも「非浸潤癌種対」なのだから「緊急性がない」ことは確かです。
 3カ月以内とした方がいいとは思います。
「至急手術した方が避けられる 可能性は高くなるでしょうか?」
⇒上記期間の範囲内であれば、あまり変わりません。
「④乳頭下と右胸の白く丸く写っているものは本当に良性か、その根拠を主治医の先生に確認したほうがいいでしょうか? それとも検査した方がいいでしょうか?」
⇒画像を見ていないので判断できません。
 画像診断だけで良性と確定診断することは無理ですが、左右差を参考にしての判断でしょう。
 そもそも当院では「拡がりが限局していない」時点で(乳頭直下にあるないに拘わらず)乳頭乳輪温存乳房切除の適応とはしていません。
 
 

 

質問者様から 【質問3 リンパ漏れ、他】

性別:女性
年齢:50歳
田澤先生、先日はありがとうございました。
セカンドオピニオン時のお言葉のおかげで、
やっと手術の決心がつきかけ、先生にお願いしようと思った矢先、
ある外科医の方から、以下のようなことを言われました。
●手術で出血させないのは可能だが、
脇近くのリンパ管はどこを走ってるか
わからないから絶対に切ってしまう。
手術時にリンパ漏れしないように処置しても、
退院後に絶対に溜まって来る。
(反論しても『絶対に』と強調されてしまい……)
それに、よそで手術すると言ったらきっと今の主治医は人情としてその後の受け入れは断るだろう。
そうしたら、注射で抜く処置もしてもらえない
●溜まる量が多くない場合は注射で抜かなくていいが、
体が吸収する過程で傷跡が厚く固くなたったり、
シワが寄って治ったりする。
その後再建するとしてもやりにくく、綺麗にならない
その後、田澤先生がドレーンを使わない理由を
乳がんプラザで読み返し、いかに研鑽されて今に至ったか、
患者にとって「唯一無二」の存在になろうと努力なさっていることに改めて頭が下がりました。
が、ふと先生が完璧に処置して下さっても、
不可抗力として患者側の体質や退院後の体調でリンパ液が溜まってくることはないのかと心配が浮かびました。
というのも私は心配性で神経質な性分で、
いつも自分で自分にストレスをかけてしまい、
実際乳がんになってから必要以上にあれこれ考えてしまい、
体調が優れません。
そこで質問ですが、
①万が一退院後に、私の体質や体調の為にリンパ液が溜まった場合、
 遠方の為すぐに田澤先生まで伺えません。
 もし今の主治医に処置を断られたら、自分で乳腺科を探して
 注射で抜いて貰えば感染症の心配はないでしょうか?
 
 もしくは江戸川病院さんで提携されている病院から
 〇〇市かその近隣の病院を紹介頂くことは可能でしょうか?
②先述の通り、リンパなど体液が体に吸収される過程で
 傷跡が厚く固く、シワが寄って治るのでしょうか?
 
 病巣をきちんと切除して体に負担の少ない治療をして頂くのが
 一番大事ですが、再建はしないつもりなので、
 術後の自分の姿に耐えられるか、傷跡の美醜が心配でなりません。
 傷跡が綺麗だと患者さんの感想で見たことも、先生にお願いしたいと
 と思った理由の一つです。
 傷跡は、腕のいいお医者様に手術をお願いするなど自分の決断や努力で
 何とかなるものなのか、体質などでどうにもならないものか、
 事前に心積もりしておきたく思います。
 (ケロイドになった場合は体質だから仕方ないと
  説明頂き、理解しました)
③愚問で申し訳ありませんが、
 先生の場合は、術後の病理検査の結果は
 紙で頂けるのでしょうか?
 今の主治医の先生に針生検の結果をお聞きしても「手術後に」と
 教えて頂けない項目が多く、紙面で頂戴するのも断られ、
 自分の癌の内容が詳しくわからず、告知の際にとても心配になりました。
 乳がんプラザやセカンドオピニオンで、田澤先生なら
 わかりやすく説明して下さると実感したのですが、
 きっと術後の病理結果を聞く時に、その場で漏れなく
 全項目メモできるか自信がなく、紙で頂戴したいと思う次第です。
 
 以上、乳がんプラザで何度も説明されている内容も含んでいて、また私が勘違いしていたり、理解が足りない点もあるかも知れず、大変恐縮です。
ただ折角手術の決心がつきかけたのに上記の外科医に水をさされ、また不安になりました。
治療のタイミングを逃さないよう、不安を払拭して前に進みたいのでどうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
患者さんが、どこかの医者に相談した時「必ずリンパ液が貯まる筈だ。インチキだ(そこまでは言わない?)」と言われることには慣れています。
「自分にできないからと言って、(それは)他の誰かにもできない筈だ。」という、発想が誤りなのです。
その医師に聞いてみてください。
「あなたは、一人で週に2日間で10件の手術をして、残りの3日で(抗癌剤を含めて)外来をこなす事ができますか?」と。
もしも、「そんな事はできる筈がない。」と(その医師が)言うとしたら、『自分ができないことも、現実に存在する』ことを認めるしかないのです。
★事実として、私が一人でこれだけの手術をして外来までこなせるのは「術後のトラブルが無いから」なのです。
 術後にリンパ液が貯まるようなら… とても外来も手術も一人でこなす事など不可能(そう思いませんか?)
是非『ブログ  2018/2/26 「要らないから、入れない」シンプルに、ただそれだけです。』をご一読ください。
「 もし今の主治医に処置を断られたら、自分で乳腺科を探して 注射で抜いて貰えば感染症の心配はないでしょうか?」
⇒そもそも…
 私をその(想像力のない)医師と同レベルで見ている時点で、わざわざ当院で手術する必要はありません。
 どうぞ、その医師に手術してもらってください。
「もしくは江戸川病院さんで提携されている病院から 〇〇市かその近隣の病院を紹介頂くことは可能でしょうか?」
⇒そんな病院もないし、そんな必要もありません。
「②先述の通り、リンパなど体液が体に吸収される過程で 傷跡が厚く固く、シワが寄って治るのでしょうか?」
⇒全く無意味。
「先生の場合は、術後の病理検査の結果は 紙で頂けるのでしょうか?」
⇒その通りです。
「治療のタイミングを逃さないよう、不安を払拭して前に進みたいのでどうぞよろしくお願い致します。」
⇒私は質問者を説得するつもりもないし、その必要も感じません。
 
 ただ言えるのは(例え、地元でも)手術はしないと必ず後悔するということです。