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左乳がん全摘後、術後治療中ですが、疑問が沢山

[管理番号:1094]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして、乳がんと診断された日から
毎日のように訪れているサイトで、他の方の質問を参考にさせて戴いてました。
(ちなみに、家族に癌はなく私は35歳子供は中2.小6.小4の母です。)
今、通院している病院の主治医を信頼してないわけではないのですが、
私の理解力がないのか?先生の口数が少ないのか?
理解が出来ていないところがあり、田澤先生に解説をお願い出来ないかと思い
質問コーナーを利用させて戴きました。
現在に至るまで
H23秋頃会社の健診で要検査→H23.12現在の病院で検査→ただの乳腺との結果
H26.5健診触診に乳腺症だろう(大きさ小豆程)
この一年間で急にしこりが大きくなる。5cm位痛みあり→脇にしこり確認出来る程に
H27.5健診で引っかかる→近くの開業医で検査たぶん癌かもということで紹介状
H27.6総合病院へ、持って行った画像をみて即癌と言われ涙涙で…
CT、エコー、骨と検査しました。
結果CT→左乳腺に40㎜大の不整な濃染腫瘍あり、明らかな胸壁、皮膚浸潤なし
左腋窩やリンパ節腫大あり、リンパ節転移疑い。鎖骨上窩やリンパ節に
有意な腫大なし。肝、杯遠隔転移なし。
エコー→左乳腺C主体の外側に長径に5cm程の低エコー腫瘤。分葉状。石灰化を包含。
前方境界線を越えての進展ありと考える。乳がんとして矛盾しない所見。
近傍乳頭寄りに独立した小さな低エコー腫瘤あり。他には両側乳腺に異常所見なし。
骨→異常なし
細胞針3本→(字が達筆過ぎて読みにくいので、わからない所は?で)
g.papt?b.1yo.v0
atypia3.核分裂1.グレード2
ER+100% PGR+10%(5-30%)Ki67+10%5-20%
上記結果から聞いたのは
ルミナールBという結果
抗がん剤は術前でも術後でもどちらでもいい。全摘。リンパ転移あり。浸潤癌。
ここまで進んでいるとが先生の口癖。←かなり凹みます。
微小転移を叩きたいという思いで術前を選ぶ
7.10アドリアシンとエンドキサンの抗がん剤開始
7.24エコー、効いてはいるが、劇的ではない。
HER2 1.26陰性にでルミナールAとなり、手術へ変更する。
(このサイトを良く読み私も希望しました。)
8.2先生から・乳頭腺管癌T2N1M0ステージ2B~3A(ルミナールB?)と説明あり
8.3手術左全摘、腋窩リンパ節郭清
病理検査
ER+100% PGR+20%(0-80%)Ki67+5%
L,C?4.5㎝×4.5㎝×1.9㎝他読めず
Iy3v1 St??p(-)<1㎜ at??3≧2 mi?1グレード2
n(+)#L-1 8/10 #L-2 1/2 他読めずHER2 1.22陰性
先生からPT2gN2M0ステージ3aと聞く
現在は
8.21アドリアシンとエンドキサンの抗がん剤②を終えました。
今後、抗がん剤を③.④をし、ウィークリータキソール12回し
その後放射線とホルモン治療10年となる予定です。
そして保険の請求用に頂いた診断書を読んでいたら
誤字なのかもしれませんが
病理組織診断名に『非浸潤性小葉癌』と書いてありました。
なんででしょう???次回聞いてみようと思います。
毎度毎度、診察時に『ここまで進んでいると』と言われ 悲しい気持ちになり
色んな事を詳しく聞けない感じなんです。良い先生だとは思うのですが。
今のところ転移もないとは聞いてますが、
腿の付け根が痛かったりと不安はいっぱいです。。。
抗がん剤副作用はそこまでひどくはないけど
動悸息切れが酷いです。聞いたら安定剤で対処して。とのこと。。。
今後が不安だなぁ。。。
でも、最後には微小転移してるかもだからガッチリ治療だよとは言われ毎回
帰ってきますが。。。
抗がん剤を打った後しばらく休みますが、あとは元気に
お仕事には行けています。今後がどうなるか不安ですが…。
病理検査等、なかなか理解が難しので、やさしく回答をお願い出来ればと
思います。
お忙しい中宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 術前化学療法を選択した理由が不明ですが「微小転移を叩きたい」というのであれば、「術後でもいい」わけです。
 術前化学療法の選択についてはもっと慎重であるべきとの思いがあるのでコメントだけしました。

回答

「病理検査等、なかなか理解が難しので、やさしく回答をお願い出来ればと思います。」
⇒g.papt?b.1yo.v0
 atypia3.核分裂1.グレード2
 ER+100% PGR+10%(5-30%)Ki67+10%5-20%
⇒浸潤は乳腺(g)まで、pap tubは浸潤性乳管癌の中の組織型(papillotubular carcinoma 乳頭腺管癌)の略です。浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)が乳腺に留まっている・
 Atypia3(核異型が強い=核異型度3点)+核分裂スコア1点(10視野で細胞分裂が4個以下)の合計4点がグレード2に相当します。(2,3点がグレード1で5,6点がグレード3となります)
(参考までに)
「核グレード」は「核異型の点数」+「核分裂の点数」です。
・核異型 
弱い:1点
中間:2点
強い:3点
・核分裂 
5個未満(10視野で):1点
5~10個(10視野で):2点
11個以上(10視野で):3点
・核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数
2点、3点 :核グレード1 
4点    :核グレード2
5点、6点 :核グレード3 
ER(エストロゲン受容体)が100%に陽性 PgR(プロゲステロン受容体)が10%で陽性 Ki67(細胞分裂期にある細胞の割合)=10%です。⇒luminalA相当です。大人しいタイプと言えます。
 
「ER+100% PGR+20%(0-80%)Ki67+5%
L,C?4.5㎝×4.5㎝×1.9㎝他読めず
Iy3v1 St??p(-)<1㎜ at??3≧2 mi?1グレード2
n(+)#L-1 8/10 #L-2 1/2 他読めずHER2 1.22陰性
先生からPT2gN2M0ステージ3a」
⇒L,Cとは「locus C :C領域(乳腺の外上方)」に腫瘍が位置しているという表現
 Ly3 リンパ管侵襲が高度
 V1  血管侵襲が軽度
 
 「St??p(-)<1㎜」不明です。
 「at??3≧2 mi?1グレード2」
 ⇒これは先ほどの
 Atypia (核異型)が2(中間)よりは3(強い)と判断、 mitotic counts(核分裂スコア)が1(10視野で細胞分裂が5個未満)であり、3+1=4(核グレード2)
 「HER2 1.22陰性」これはHER2のFISHで1.22であり「遺伝子増幅がない」ので「HER2陰性」となっています。
 
 「PT2gN2M0ステージ3a」→pT2(20mm<最大浸潤径≦50mm), pN2(リンパ節転移4~9個), pStageⅢAということです。   ○luminalAですが、ステージⅢAなのでやはり「アンスラタキサン」でいいと思います。