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Her2+なのにハーセプチンが出来ない不安

[管理番号:5895]
性別:女性
年齢:51歳
田澤先生
こんばんは。
51歳 夫無し、子ども(二十歳)1人
術後半年が過ぎたところで、急に不安になり夜も眠れなくなってしまい
ご相談させていただきます。
告知 2017/6/○
手術 2017/6/○○ 右乳房温存
1.0×1.5×0.6cm切除
病名 乳管癌
ステージ1
リンパ節転移無し
非浸潤 サイズ1cm大
浸潤 サイズ0.2cm大
サブタイプ ルミナルB ホルモン+ HER2陽性
その他 ki67 30%
治療 ・タキソール18回+総体量の残り1回
(現在15回終了)
・ハーセプチンは初回時に38.5度発熱し
二回目以降中止
・放射線30回予定(右温存箇所)
・ホルモン療法5~10年予定
ステージは1ですが、サブタイプが再発、転移しやすく予後が悪いタイプと言われているようなので、再発(転移)率、5年生存率、10年生存率はどれくらいなのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず率直に疑問なのは「ハーセプチンは初回時に38.5度発熱し二回目以降中止」という一文です。
○ハーセプチンは初回だけ「infusion reaction」として40度近く熱が出る(一過性に必ず下がります)ことは「大前提」です。(実際に熱が出る人は半分もいないとは思いますが)
 「38.5度発熱」を理由にハーセプチンを本当に中止したのですか???(その担当医は乳腺専門医ですか?? 乳腺専門医なら「常識」だと思いますが)
 もし、そうだとしたら(はっきりと)「誤り」です。
 ちなみに、(初回に発熱しても)「2回目以降は発熱しません」
「サブタイプが再発、転移しやすく予後が悪いタイプと言われている」
⇒誤り(議論の余地なし)
「再発(転移)率、5年生存率、10年生存率はどれくらいなのでしょうか?」
⇒そんなことより…
 本当に「初回の発熱が原因」でハーセプチンを中止しているとしたら…
 『ハーセプチンを再開すべき』です。(担当医ともう一度話し合いましょう)
 
 

 

質問者様から 【質問2 『HER2+なのにハーセプチンが出来ない不安』】

性別:女性
年齢:51歳
田澤先生
お忙しいところご回答いただき誠にありがとうございます。
ハーセプチンの中止理由は「発熱(38.5)」のみです。
発熱に伴い節々の痛みは有りましたが、嘔吐などは無かったです。
主治医に
「熱が出るのは初回だけでは?続けてください」と、申し上げたところ、
「2mmの浸潤癌では、ハーセプチンを続けることの方がリスクが高い」との回答で投与せず。
本サイトのQ&Aはかなり拝読しました。
田澤先生は、浸潤癌が5mm以下ならば抗癌剤など対象外と書かれてます
が、何故、わたしの場合はハーセプチンまでやった方が良いとのアドバ
イスだったのか理解出来ず、ずっと悩んでいます。
治療の流れ
・タキソール20回(2770mg)終了
・放射線治療(リアニックシステム)25回終了
・タモキシフェン開始
抗癌剤投与中に始まった手足の指先の痺れが酷くなるばかりで、気分は落ち込みがちです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
率直にいいますが…
私には到底信じられません。 (その医師は)乳腺専門医ではないですよね?
ハーセプチン初回投与で40度くらい発熱する人は(前回もコメントしましたが)
ハーセプチン治療を普通に行っている乳腺外科医ならば「常識」であり、私はハーセプチン初回時には患者さんには必ず
『ハーセプチンの反応熱で39度台とか急に発熱してビックリするかもしれないけど、一過性で必ず下がるので解熱剤を飲んでください』とお話してます。
ただ、今回は「そもそも論」として浸潤径が5mm以下なので「抗HER2療法の適応自体がない」ので抗HER2療法を中止とする事自体は間違いではないのですが、
私は当然「抗HER2療法自体を中止」するとばかり思っていたら…
「まさか、まさか」(ハーセプチンだけ止めて)「パクリタキセルのみ続けていたとは…」
★あまりにもバランスを欠いた治療なので、私にはこれ以上コメントできません。
考え方としては
①そもそも「浸潤径5mm以下では抗癌剤の適応がない」
②ハーセプチンは抗癌剤と併用でないと効果がない(エビデンスがない)
つまり「やるなら、両方(ハーセプチンと抗癌剤)やる」だし、「やらないなら、両方ともやらない」のが正しいのです。
担当医の「2mmの浸潤癌では、ハーセプチンを続けることの方がリスクが高い」というのであれば、(そもそも5mm以下なのだから)「パクリタキセルも同時に中止すべき」だったのです。