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Her2検査について

[管理番号:4458]
性別:女性
年齢:48歳

はじめまして。
1月終わりに自分で左胸にしこりに気付き、悪性と確定、入院して手術を済ませました。
手術まで何度も不安に陥り、その都度、田澤先生の真摯なお答えに安心と勇気をもらっていました。
本当にこのような質問の場所を与えて下さっていることに感謝いたします。
ありがとうございます。

この度、病理結果で不安なことがありますので質問させて下さい。
私が最初に悪性の告知を受けたのが手術設備のない病院でしたので、針生検から5日後で告知を受けてすぐその病院から紹介を受けて転院致しました。

次の病院ではすぐに手術をしてくださったので、結局針生検でのサブタイプはわからないままです。
先生も病理結果が1番正確だからと、手術をを先行致しました。
私の癌は多発であったのと希望もしていましたので左胸全摘しています。
手術から2週間後、やっと結果がでました。

乳頭腺管癌 浸潤性
pt1c(3) max:17×12mm 14.5×7mm 6×6mm
ELC(+) ly0,v0 → 高度の腫瘍辺縁部脈管侵襲(-)
核グレード 1 ステージ1
センチネルリンパ節生検 0/3 
ER+(弱70-80%)
PGR+(強40%前後)
MIB-1(Ki67) 9.2% うちの病院では30%をボーダーラインとしているそうです。
ここまでです。

Her2がまだ出ていないそうで、でも先生はこの結果ではまず心配することはありません、ルミナールAで、ホルモン治療でいきます。
と、すでにノルバデックスを飲み始めています。
Her2の結果は余裕を見て2週間後に来てといわれました。
その時はおとなしい癌と聞いて嬉しくなり、そのまま帰ってきたのですが、冷静になると本当にHer2が陰性となるのか不安になってしまってて・・

もちろん、絶対は無いし、結果を待つしかないのがわかっているのですが、沢山の患者さんを診ていらっしゃる田澤先生のご意見をお聞きしたくくこうして質問させて頂きました。

田澤先生もHer2は陰性になる可能性が高いと思いますか?
またHer2検査だけ、こんなに時間がかかるものでしょうか?病院によるのでしょうか?
もしや擬陽性がでたのでFISH法で更に検査しているのでは?と勘ぐってしまいます。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「核グレード1とMIB1(Ki67)=9.2%」から、HER2は陰性だろうと予測している担当医に共感します。

「田澤先生もHer2は陰性になる可能性が高いと思いますか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 ♯このケース(Ki67が一桁)でHER2が陽性となることは極めて稀なことです。
 典型的な大人しいタイプのようです。

「またHer2検査だけ、こんなに時間がかかるものでしょうか?病院によるのでしょうか?」
「もしや擬陽性がでたのでFISH法で更に検査しているのでは?と勘ぐってしまいます。」

⇒さすがに、(FISH法を追加する場合には、別料金が発生するので)患者さん本人に内緒で「HER2が2+だったのでFISHをコッソリ?やっている」ということは無いでしょう。
 解釈としては、(ER, PGRとは異なりHER2は浸潤癌でないと保険適応外となってしまうため)「HER2だけ送れてオーダーされるシステム」となっているのかもしれません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

肝機能について
性別:女性
年齢:52歳
病名:乳がん
症状:血液検査の数値
投稿日:2020年8月29日

田澤先生、こんにちは。

3年半前にこちらで質問させて頂いた者です。
管理番号4458
あの後、HER2は結局fish検査までいったのですが、先生のご回答のおかげで心穏やかに待つことがで
き、結果も田澤先生が仰られた通り陰性でした!
その時の安心感と感動は言葉には出来ないほどだったのを覚えています。

本当にありがとうございました。

今回、半年ごと検査の血液検査結果でまた質問したいことがあります。

お忙しい中、申し訳ありませんがよろしくお願い致します。

3年半前に浸潤性左乳がん(乳頭腺管癌) 手術
病理結果
PT1c(3)(MAX17mm×12mm)f ELC(+),1y0,v0  脈管侵襲(-)
tuble formation1,nuclear pleomorphism2,mitotic count1
Histological grade:score4 grade1 Nuclear grade:score3 grade1
ER+:80% PGR+:70%
Ki67 9.2% (核分裂は殆ど見られず全体で1個のみ確認)
Her2 2+  fish 陰性
センチネルリンパ節生検 0/3
ルミナールA ステージ1
全摘をしていますので、放射線治療無しでホルモン療法のみ。

術後、半年ごとに血液検査をしていますが、ノルバデックスを飲み始めて2年後に
肝臓の数値が基準値を超え(AST:41 ALT:63)、腹部エコーにてまだら脂肪肝と診断されました。

恐らく薬の副作用という事で、食事制限と運動をするように言われ、毎日30分~2時間の
ウォーキングと間食をやめた結果、次の検査ではASTは31と基準値内、ALTは48と若干の基準値越えまでに下がりました。
(エコーでは脂肪肝は前回と変わりなし)
それからコロナ禍が始まり、ウォーキングがしづらく、運動はほぼしていない状況、
食事制限は多少緩くなりましたが、甘いものなどは控え体重増加も1キロのみでした。

そのうえで今回受けた血液検査が、AST(86)ALT(126)と、一気に悪化しました。

だるさなどはありません。

(ただ検査前に胃もたれや口内の不快さ(唾液が酸っぱい)があり胃カメラをしたところ
軽度の逆流性食道炎との事で、きつい薬など何種類かを1か月服用していました。)

あまりの数値の上昇に驚いたのですが、主治医はうーんと唸って、食事と運動を
頑張るしかないね、と仰られたのみで、特にそれに対しての処置はされませんでした。

(主治医は今回で辞められるので最後の診察でした)
気になって調べたところ、ALTの100越えは軽くみていいものではないと分かり、一気に不安になっております。

そこで、田澤先生にお伺いしたいのですが、今の状況はタモキシフェンによる薬剤性の肝障害の可能性が高いですか?

次回の検査が半年後の2月になります。

1度運動で数値が下がっているので、また運動を再開しながら様子を見て何も処置せずに2月まで待っててもいいのでしょうか?
それとも、新しい主治医に相談して、3か月後に再検査や休薬などのなんらかの処置を
お願いした方がよいのでしょうか?
主治医が何も仰られなかったということは、そんなに危険な数値ではないのですか?

ちなみに高いのはASTとALTのみで中性脂肪やコレステロール値 γ-GTPはすべて
ずっと基準値内で収まっています。

お顔を知ってるくらいの新しい主治医に相談することに踏ん切りがつかず
こちらで質問させていただくことをお許しください。

あと1年半、なんとかホルモン療法は続けたいのですが・・・
長々と申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「そのうえで今回受けた血液検査が、AST(86)ALT(126)と、一気に悪化しました。
だるさなどはありません。
(ただ検査前に胃もたれや口内の不快さ(唾液が酸っぱい)があり胃カメラをしたところ
軽度の逆流性食道炎との事で、きつい薬など何種類かを1か月服用していました。)」

⇒普通に考えれば(常識的な医師なら)
 これら「逆流食道炎などの何種類かの薬の1か月の内服」が「大いに」影響していると思います。

それらを(今は)止めているのであれば、自然に下がって来るでしょう。

ただ(何が原因であれ)現状の数値からは(私であれば)タモキシフェン休薬+ウルソで「1か月後再検」とします。

★ もしも逆流性食道炎の薬剤を(直前に)内服していなければ、「3か月後再検」とするところですが、今回の場合には「1か月で改善(元に戻る)する可能性が十分ありそう」だから1か月後再検とします。

「ALTの100越えは軽くみていいものではないと分かり」
⇒これは、ちょっと言い過ぎ。

 原因が分かっていれば、何ら心配する値ではありません。
 ご安心を。