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針生検

[管理番号:210]
性別:女性
年齢:48歳
自分でしこりを見つけ、初診の日に吸引細胞診、マンマエコー、マンモグラフィーをうけました。
おそらく乳癌であろうといわれ、その後造影MRIもしました。大きさは8ミリくらいとのこと。硬癌と言われました。
で、先日、今度は、組織診ということで、バチン!!バチン!と、とられました。
で、つきなみな質問かもしれませんが、癌細胞に何回も針をさして、癌が広がらないか、毎日心配で落ち着きません。
手術は五月連休過ぎまで空いてないそうです。
(2015年3月の質問)
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「針生検後、更に1カ月半も手術が先」との事で、その間に「針生検によって腫瘍が拡がるのでは?」との不安だと思います。
 同様の不安をお持ちの方も多いので、その方たちにも参考になる質問だと思います。
 それでは回答します。

回答

「癌細胞に何回も針をさして、癌が広がらないか」
⇒大丈夫です。
 「腫瘍に針を刺す」ことで「風船に針を刺して、穴が開き、空気が漏れる」ようなイメージで「癌細胞が拡がる」と心配される方がいますが、大丈夫です。
 腫瘍は「癌細胞が結合」しているので、「針を刺したからといって、漏れるように拡がる」訳ではありません。
 
◎生検針による(針のルートに沿った)癌細胞の播種について
 ⇒針生検が「実臨床の場」に拡がるにつれて(10年ほど前でしょうか)盛んに(針が通った)ルートに沿った「癌細胞」の播種(拡がり)の心配の声が挙がりました。
 (結論ではないですが)そのような「少量の」癌細胞は「その場所で生き残れず」どんどん死滅することが解っています。
 
  
★また、(実際の手術においては)万が一を考えて…
 乳房切除:(針が通った経路も含めて)全て切除される。
 乳房温存:(針の経路が仮に切除範囲に含まれない場合でも)放射線照射により十分な効果が期待できる。
 ⇒結果、(針生検をすることによる)局所再発率増加はありません。