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4ミリの場合

[管理番号:3057]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生こんにちは。
管理番号2582「術前化学療法について」で母の乳がんの相談をさせていただいたものです。
先生にご意見をいただいて、自分のことであればすぐに転院、も考えたのですが、
ようやく母の気持ちも落ち着いてきた所でしたので、様子を見ることにしました。
現段階ではアブラキサンが効いてくれており、3クール終わったところで半分くらいの大きさ(24ミリ程度が11×15ミリ程度)まで縮小しました。
とはいえFECも効いてくれるという保証はないので、経過を慎重に見ながらいきたいと思っております。
今回は私の話なので、別番号とさせていただきました。
祖母も母も乳がんとなり、私も検診を受けなければと思っていたら、心配のせいからか、脇を中心としたリンパに痛みというか違和感を感じるようになり、近くの乳腺外科を受診しました。
痛みはガンのせいとは考えられないが、これまで乳がん検診を受けていないなら調べた方がいいとのことで、4月(下旬)日にマンモ(2方向)と超音波検査を受け、5月(上旬)日に結果を
聞きに行きました。
マンモは左右対称で特に所見なし、超音波では、のう胞がいくつかあり、それは問題ないが、右に1箇所だけ4ミリほどの気になるものがあるとのことでした。
のう胞のなれの果て?もしくは乳がんの最初かどちらかと思われると。
良性の場合には平たいことが多いが、少し高さがあることと、周りが若干ぼやけていることが気になるそうです。
しかし現段階で針生検をしても正しく組織が取れない(腫瘍が針を弾いてうまく刺さらない)可能性も高く、それを承知で検査してみるか、数ヶ月待ってもう1度超音波検査をして様子をみるかと言われ、確かでない結果の為に検査をしても仕方ないと思って様子を見ることにしました。
しかし後からよく考えると、もし乳がんだったら初期に越したことはないのではと思い、こちらに質問させていただきました。
4ミリ程度では正しく針生検することは難しいのでしょうか。
7月末に再受診して再度超音波検査の予定ですが、それまで待っていいものでしょうか?
もしくは、針生検が難しくても、田澤先生に超音波で診ていただき所見をいただく、
ということは可能でしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「しかし現段階で針生検をしても正しく組織が取れない(腫瘍が針を弾いてうまく刺さらない)可能性も高く」
⇒なんだ、これは?(言葉遣いが悪くなり、すみません。これ以外に適切な表現が見
当たりません)
 「小さいから弾く?」
 意味が解らない。
 弾くとは「硬い組織」の場合です。
 「小さいから硬い?」意味不明です。
 「4mm」で組織診ができないようでは、「早期発見を放棄」しているようなものです。
 ○超音波で見えるもので「組織診できないものはない」
 これは「マンモグラフィーで写っている以上、(ST-MMTで)採れない石灰化はない」というのと同じ位、確信をもっています。
 
「数ヶ月待ってもう1度超音波検査をして様子をみるか」
⇒様子を見る事が悪いと言っているわけではありません。
 患者さんの中には「針で刺される」よりも「経過観察を希望」する方もいらっしゃいます。
 私は「癌を積極的に疑わない限り」無理に勧めることはありません。  ただ、「患者さんが望めば、どんな小さなもの(2mm位でも)組織診を行う」よ
うにしています。
  ♯「小さいから針生検ができない(自信がない)」では「乳腺外科医としては失格」でしょう。
 
「もし乳がんだったら初期に越したことはないのではと思い、こちらに質問させていただきました。」
⇒その通りです。
 質問者の考えは「完全に正しい」です。
 
 
「4ミリ程度では正しく針生検することは難しいのでしょうか。」
⇒全く問題ありません。
 そもそも「4mm」というのは決して小さい部類とは言えませんし「小さいから針生検ができない」では「早期発見を放棄する」ようなものです。
 
「7月末に再受診して再度超音波検査の予定ですが、それまで待っていいものでしょうか?」
⇒それは問題ありません。
 ただし、「経過観察で3カ月は短すぎ」です。
 「それ程気になる」のであれば、「針生検すべき」でしょう。
 
「もしくは、針生検が難しくても、田澤先生に超音波で診ていただき所見をいただく、ということは可能でしょうか。」
⇒勿論可能です。
 ご希望ならば「針生検」してしまいます。
 できれば「メディカルプラザ市川」がいいですね。
 江戸川の外来は混雑が激しくなってきました。検査も市川の方が(私が)楽なのです。