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減量投与か投与延期か

[管理番号:1100]
性別:女性
年齢:78歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:943「トリプルネガティブの再発率及び抗がん剤について

 
 
こんにちは、田澤先生
78歳の母がトリプルネガティブになったものです。
78歳でFEC100を選択し、当初は副作用が心配でしたが。
全くと言っていいほど副作用が出ず、本人は4日目から体調がいいとジョギングしてます。(3日目だけに若干の倦怠感を感じた程度で)
一昨日は抗がん剤投与2週間目の検査で、好中玉が570(白血球は2500位)
好中玉が少ないので2日後にもう一度検査と言う事で本日(16日目)検査をし
好中玉が470(白血球は2200位)と下がってました。
そしてノイトロジンを注射しました。
「もしこれで好中玉が戻らなければ、抗がん剤が1週間延期か?もしくは減量」
と言われ。
本人は見た目は凄く元気があり、自覚症状すらないんですが…
「白血球がなくても私は熱が出ない体質」
と訳のわからないことを言ってるくらいに
抗がん剤の効果的に、FEC100をどれだけかに減量するのと、1週間延期をする場合
どちらのほうが効果があるでしょうか?
本人は副作用も無く熱も出ず。でもトリネガ。
より効果の高い方を選択したいのですが
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 78歳でFEC100をこなすとは!
 素晴らしいですね。
 家族も本人も担当医も、その英断に敬意を表します。

回答

「好中玉が470(白血球は2200位)」
⇒大した値ではありません。
 発熱していなければ大丈夫です。
 ちなみに「monocyte」の数にも注目してみてください。
 おそらく16日目にはmonoも上昇していると思います。
 「neu(好中球)よりも、先にmono(単球)が上昇」します。
 Neuが少なくてもmonoとtotalで高ければ大丈夫です。
 
「FEC100をどれだけかに減量するのと、1週間延期をする場合どちらのほうが効果があるでしょうか?」
⇒実は、「減量投与」と「投与間隔延期」との直接比較試験はありません。
 但し、dose intensity(DI)という考え方があります。 
 DI=投与量/時間となります。
 これを保つことを優先するならば 20%減量の方が、「4wで減量なし」よりも「いい」と言えます。
100mg/3wに対し、
20%減量は 80mg/3w=80/3≒26.7(mg/w)
1w延期は  100mg/4w=25(mg/w)
○ただ、次回より「ペグフィルグラスチム」などを有効に用いて「DIを保つ」ことを目標にしましょう。
 
 

 

質問者様から 【感想2】

ありがとうございました、田澤先生!
ある程度好中球が回復しましたが、今回は投与量を減らしFEC80にしました。
母は見事と言っていいくらいに副作用が出ません。
(FECでも好中球増加注射でも)
次回からは先生にいただいたアドバイスどおり、担当医に「ペグフィルグラスチム」
をやってもらうようにお願いします。
自覚症状が無く、全く苦しんでいないのに投与量を減らすのは、余りにも口惜しいの
で。
また相談にのってください。ありがとうございます。