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非浸潤乳がんの治療と定期健診について

[管理番号:2318]
性別:女性
年齢:46歳(当時44歳)
田澤先生、初めまして!昨年から、このサイトを見つけて、ほぼ毎日拝見させて頂いています。
2013年の夏に定期健診でエコーで小さな腫瘍の影が2つくっついて
写っていたので、細胞診、バイオプシーで検査するも、「判別不能」ということでマンモトーム検査に進み、ようやく「非浸潤性乳がん」と確定しました。
11月末に温存手術、2014年1月~2月にかけて放射線治療、そしてノルバデックス単独治療で2年が経ちました。
病理検査は、あまり詳しく教えてもらっていないのですが、腫瘍は4mmと6mm程度の大きさで、触れてもわかりませんでした。
断端にがん細胞があったそうですが、追加切除をせず、放射線治療を30回しました。
グレード1
エストロゲン99.9%、プロゲステロン99.9%
Ki67 7%
HER2 +1
ノルバデックスを毎日服用してから2年が経っていますが、軽度のホットフラッシュがたまにあり、そして生理不順・生理過多になりました。
ホトフラはともかく、生理の量が増え、終わるのが遅くなったので心配です。
産婦人科検診では、「大きめのポリープがある」と言われ、ここ最近、血が混じっているような薄茶色のおりものがあります。
ホルモン療法はあと3年続ける予定ですが、このままノルバデックスを飲み続けて大丈夫でしょうか?「非浸潤乳がんは無治療」と書かれているサイトやブログもあり、できることなら中止したいです。
また、私が通っている市立病院では、手術後の検診が1年に1回のマンモグラフィーだけで、もう2年間エコー検査をしていません。
主治医が「マンモだけで大丈夫」と言うのでそれに従っていますが、自分の腫瘍はマンモでは問題なくて、エコーにより発見されたので、エコー検査をしない、というのに不安感があります。
田澤先生であれば、私のような場合、どのような処置をとられますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非浸潤癌(グレード1からは低悪性度のようです)で術後ホルモン療法(タモキシフェン)中ですね。
「ノルバデックスを毎日服用してから2年が経っていますが、軽度のホットフラッシュがたまにあり、そして生理不順・生理過多になりました。ホトフラはともかく、生理の量が増え、終わるのが遅くなったので心配」
⇒タモキシフェンによる副作用も勿論ありますが、「年齢的に、卵巣機能低下」もありそうです。
 
「ホルモン療法はあと3年続ける予定ですが、このままノルバデックスを飲み続けて大丈夫でしょうか?「非浸潤乳がんは無治療」と書かれているサイトやブログもあり、できることなら中止したいです。」
⇒もともと「非浸潤癌でのタモキシフェン投与」は「対側乳癌の発生を抑える意味の方が強い」くらいであり、必須ではありません。(特にlow grade DCISですから浸潤癌として再発というリスクは相当低いです)
 ご本人が副作用で悩むようなら「即刻中止」でいいでしょう。
 
「また、私が通っている市立病院では、手術後の検診が1年に1回のマンモグラフィーだけで、もう2年間エコー検査をしていません。」
⇒これには反対です。
 これでは「町の検診と大差ないというより、全く同じ」ですよね。
 超音波の方が「小さな病変を見つける」ことは明らかです。
 
「主治医が「マンモだけで大丈夫」と言うのでそれに従っていますが、自分の腫瘍はマンモでは問題なくて、エコーにより発見されたので、エコー検査をしない、というのに不安感があります。」
⇒病院で術後経過観察している訳ですから(いくら非浸潤癌といっても)術後5年位は定期的なエコー検査をすべきでしょう(半年に1回くらいは)
 
「田澤先生であれば、私のような場合、どのような処置をとられますか?」

 ①ホルモン療法は中止
 ②半年に1回の視触診、超音波
 ③1年に1回のマンモグラフィー  
です。