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担当医に不信感があります。

[管理番号:6362]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、こんにちは。
44歳の女性です。
突然ですが、時間がないです。
3日後から
抗がん剤治療が開始予定なのですが、主治医への不信感から治療への不安があり、このまま治療を開始したくない思いでいっぱいです。
連休明けのお忙しい時期に勝手なお願いですが、その前に田澤先生からのアドバイスが欲しいです。
乳がんと診断されてからこちらのサイトを知り、不安になる度に拝見して、田澤先生の、ひとつひとつの質問に対する大変ご丁寧でかつきっぱりとしたご回答に頭が下がり、またとても勇気づけられる思いで読ませて頂いていました。
私自身の初診から術後までの流れとしましては…
【3月末】 右胸上外側のパチンコ玉のようなつるんとした感じのしこりが気になり初診を受け、マンモとエコーと視触診、またしこり部分に注射を受けました。
その直後に担当医から「僕の経験から、たぶん乳がんで間違いないと思います」と告げられ、初診当日に以下の検査から手術まで、
全ての予約を取りました。
画像上で測定したしこりの大きさは、13mmでした。
【4月上旬】 ①CT ②病理結果説明③MRI ※②では「やはりガンでした」
ということと「リンパ節にひとつ15mmくらいの影が見えるので転移かもしれない」という話のみでした。
【初診から2週間後】 午前:センチネルリンパ節生検 午後:右乳房温存術
【4月末】 術後の病理結果と今後の治療説明
まず、担当医に対して不信感と不安が芽生えています。
初診日の「たぶん乳がん」の後、「ステージ1ですね、大丈夫ですよ、完治します」
と担当医ははっきり言い、また「場合によっては抗がん剤」の説明を受けた際も、
「あなたのはたぶん大丈夫」と言いました。
私には「あなたの乳がんには抗がん剤は必要なさそう」という風に聞こえました。
触診で「しこりが表面にあったこともよかった」とも言い、担当医の「乳がんの中ではかなりよさげ」的な物言いとフットワークの軽さに安心感をおぼえました。
ただ、②の病理結果説明が簡単すぎたため、初診日の注射は何だったか気になり外来診療明細書で確認すると「組織診」とあったので、なぜ私には組織診でわかった範囲の説明がなかったのだろうかと疑問に思いました。
(こちらの質問者の方々の多くが、組織診の時点で詳細説明を受けられていたので)
また、②でもらった手術説明書に「リンパ節が1個腫大、病期Ⅱ期と考えられます」
と明記されていたので、初診日の担当医の見立てが悪い方向に向いていることが不安でした。
手術後の病理結果は以下の通りです。
・ホルモン受容体 陽性  ・HER2 陽性  ・グレード 3  ・ki67:40% ・リンパ転移1/1  ・腫瘍の大きさ 20mm  ・断端 陰性
こんなにザックリしている理由は、術後病理結果説明の際、担当医が結果を見ながら「ホルモン受容体陽性、HER2陽性…」
と上から順に読み上げる感じだったので、
「先生、この結果は紙面でいただけるんですか?」と聞くと、普段落ち着いた担当医が何となく少しあわてた風な様子で「これは出せないんですよ…カルテ開示と言って…
お渡しできないんです、覚えて帰ってください」と言われ、「覚えられるかしら」というと「簡単ですよ」と言われ、上記の項目を私が質問しながらメモをとった次第だからです。
こちらの質問者の方々の多くが、ご自分の病理内容をとても細かく詳しくご存知なのに対し、私の結果説明の大雑把さが不安になり、こちらのQ&Aで「カルテ開示」で検索したところ[管理番号680]主治医の説明がほとんどなく、治療に不安を抱いていますの質問で、同様の一部の内容に対して田澤先生が、「病理レポートも渡せないとしている点…カルテ開示になってしまうので出来ないなんて理由聞いた事もありません」とご回答なさっているのを見つけ、すごく不安になりました。
私の担当医はなぜ結果を紙面で出せないと言い、あわてた素振りをしたのでしょうか?
何か後ろめたいことでもあるのでしょうか?
この場合、何か考えられる理由はございますでしょうか?
(担当医は、大きな民間の病院で地位のあるベテランの医師です)
この点だけをとっても、私の担当医は不信を抱くべき医師なのでしょうか?
もうひとつ気になったのは…私はHER2とグレードは独立していると思っていたので、「先生、私グレードも悪いんですね」と言うと担当医は「まあ…HER2陽性ですからね」という物言いだったのですが、
HER2とグレードは因果関係があるものなのでしょうか?
もう数日後には抗がん剤治療の予約が入ってしまっていますが、このまま、担当医に不信感を抱いたまま治療を開始するのは不安でたまりません。
家族にはいつも、担当医よりもむしろ田澤先生のお話を多くしていて、治療前に一度ご意見をお伺いしては…ということになりました。
このまま治療に入るよりも、セカンドオピニオンを受けた方がよいのでしょうか?
田澤先生、どうかご助言をくださいますと助かります。
あと、肝心な病気の方ですが[HER2陽性グレード3 ki67:40%]というと素人目には悪い条件ばかりが揃っていて、相当悪いように感じてしまうのですが、先生からご覧になるとどのように思われますでしょうか?早期なので十分、完治は望めるのでしょうか?
また私の病理結果から[ホルモン療法と放射線に加えて抗がん剤とハーセプチンを行った場合]と[ホルモン療法と放射線のみで抗がん剤とハーセプチンを行わなかった場合]の、再発率と10年生存率を教えてください。
あと、再発しやすいのは何年までか、何年で一山越えたことになるのかも、あわせてお教え頂けますとありがたいです。
連休明けでお忙しい中、たくさんお尋ねして申し訳ありません。
すぐに抗がん剤の予約が入ってしまっているので、ご回答頂けますと大変ありがたいです。
どうぞ、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ポイントをいくつか。
1.センチネルリンパ節の取り扱い
 リンパ節転移(1/1)となっていますが…
 これは、「センチネルリンパ節に転移を認めたが追加郭清しなかった」ことを意味しています。
 事前に、どういう取り決めをしていたのか? これについては「全てお任せ。私はしりません。」ではいけません。
 通常に以下のどれかの筈です。 因みに当院は②です。
 ①微小転移(2mm以下)でも追加郭清を行う
 ②微小転移ならば郭清省略、肉眼的転移ならば追加郭清を行う
 ③肉眼的転移でも3個以内なら、術後の照射で代用する(追加郭清は行わない)
2.質問者はルミナールB(HER2陽性)タイプとなります。
 Ki67とか核グレードとは無関係に抗HER2療法の適応となります。
「再発率と10年生存率を教えてください。」
⇒残念ながら…
 今、「This Site Is Under Construction and Coming Soon」
 こういう表示となっています。
 ☆抗HER2療法は「再発率を半分にする」
  それだけで(再発率は不明ながら)十分に抗HER2療法を行う意義があります。