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家族性乳癌の可能性がある場合の術式

[管理番号:973]
性別:女性
年齢:47歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:891「両側乳癌」

 
 
先日はお忙しい中、迅速に対応して頂きありがとうございました。
とても感謝しております。
後から見つかった左側の乳癌も非浸潤性乳管癌でした。範囲が広く少し離れたところにも怪しいものがあり、一緒にとってしまう方がいいとの事でした。
温存でも半分はとる事になるそうです。
右側は小さい非浸潤乳管癌で部分切除でいけるそうですが、
親族に乳癌、卵巣癌がいて遺伝性のものなら、またなるかもしれないしその都度手術するでもいいけど、両側全摘ありかもと勧められました。
乳腺全摘してシリコンを入れる同時再建なら、乳腺クリニックでは出来ず
大学病院を紹介するとの事。シリコンでなく自己組織を使うならクリニックで出来るとの事でした。
ちょっと乱暴かとも思いましたが、今ならリンパへの転移もまずないみたいだし、
後遺症に苦しむ事もなく、乳癌再発に恐れる事もありません。
大学(○大病院)の先生がクリニックに非常勤で来られており、紹介してもらう事に
しました。全摘に関しては遺伝検査など相談してから決めたいとは思います。
実は今も迷っています。
色んな考え方があると聞いていますが、どう思われますか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 左側も「乳癌だった」のですね。
 お気持ち、お察しします。

回答

「実は今も迷っています。色んな考え方があると聞いていますが、どう思われますか?」
⇒私は基本的に「大学病院での手術」は勧めません。
 未熟な医師による手術及び、その後の診療も担当医が責任をもって行える体制にないからです。
 ただし、「両側全摘+シリコンによる再建」ならば「大学しか選択肢がない」のであれば、「その選択しかない」のだと思います。
 
 私であれば「クリニックでの温存」を勧めるところですが
 後日「遺伝子検査をして家族性乳癌だと解ったとしても、必ず全摘すべきか」と言う点にも疑問の余地があります。
 温存乳房に「新たに癌が出る確率」は「遺伝子変異があっても17%に過ぎない」のです。(遺伝子変異が無い場合でも11%程度はあるのです)
 ♯遺伝子変異がある場合でも「十分なエビデンスがないので乳房温存術は実施可能」となっています。
 
○ただ解答がある事ではないので『質問者が決めたことであれば、それでいい』と思います。