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ER PgR 陰性 HER2 3+

[管理番号:2492]
性別:女性
年齢:49歳
全摘にて非浸潤癌と4mmの浸潤癌が見つかりました。
ER PgR 陰性
HER2 3+
悪性度2
リンパ節転移なし
主治医に5mm以下なので化学療法をしなくてもいいと思うけど自分できめてと言われました。
こちらのQ&Aを見ると化学療法が不要だと書いてありましたが
その場合、田澤先生は5mm以下の私と同じサブタイプの人は何人ぐらい経験されて、再発や遠隔転移率はどれくらいでしたか?
本当に化学療法はいらないのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1a(4mm), pN0, HER2 type
十分な超早期癌であり、NCCNのガイドラインからも、「無治療」が推奨されます。
「主治医に5mm以下なので化学療法をしなくてもいいと思うけど自分できめてと言われました。」
⇒「抗HER2療法の適応なし」と担当医が言いきってしまえば、「質問者が迷う」ことも無かったかもしれませんね。
 
「こちらのQ&Aを見ると化学療法が不要だと書いてありました」
⇒その通りです。
 
 「再発率が極めて低い」ことと、「この大きさの腫瘍での抗HER2療法の治療効果が検討されていない」ことから、『抗HER2療法の有効性は証明されていない』のです。
 (軽度ながら)「ハーセプチンそのものの心毒性」及び(組み合わされる)「抗がん剤による副作用」が有る訳なので、「やれるものは全てやった方がいい」というものでは無いのです。
 
「田澤先生は5mm以下の私と同じサブタイプの人は何人ぐらい経験されて、再発や遠隔転移率はどれくらいでしたか?」
⇒正確に数値を思い起こす事は困難ですが…
 ザックリ言って、pT1aの方が200人程度だとすると、その15%は「HER2 type」であり、私の記憶の中で「再発した方」はいらっしゃいません。
 
「本当に化学療法はいらないのでしょうか?」
⇒必要ありません。
 「ガイドライン」上も、私の「経験」上も。