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EC後のTC?

[管理番号:1166]
性別:女性
年齢:42歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1043「リンパ転移トリプルネガティブ乳がん

 
 
先日はお忙しい中、ご丁寧な回答をありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
度々恐縮ながら、田澤先生に質問をさせて頂きたく、ご回答を頂けるとありがたいです。
術前化学療法前半EC4回目が終わりました。(前回はその前週に質問させていただきました。)
初めて超音波で効果チェックをしました。
しかし医師は説明をほとんどしないので、疑問質問を具体的にぶつけたところ、その回答をまとめると次の内容です。
今後は3週間おきの診察時に触診と超音波を交互に行う。
①16.8×13.9×15.5mm大(最初診断)→9.9×5.9×6.5mm大(4回目ECの直前診断)②8,1×6,8×3,7(最初診断)→7.1×5.3×3.9mm大。②はおそらく良性で、どうせ全摘するので気にしなくていい。劇的な縮小ではないけど、①は大きくなっているわけではないからそれで良い。パクリタキセルは毎週になってしまうから、病院としてはドセタキセルを使う。
ほぼトリプルネガティブだけどホルモン感受がわずか(エストロゲン5%、プロゲステロン0%)にあるので、後半はドセタキセル+エンドキサンを使う。
1 ②のしこりは医師の説明通りの受け止めで良いのでしょうか?
2 後で気づいたのですが、術前化学療法中リンパ節はチェックしないものなのでしょうか?転移があると断言しているのに一切言及がありませんでした。あと、リンパ転移個数の質問をした際に、それは全くわかりませんの一点張りの回答しかありませんが、それは正しいのでしょうか?
3 癌の大きさの推移について、素人目には数値は小さくなっていますが、効き目の評価としてはいかがなのでしょうか?
4ドセタキセルにエンドキサンを加えるのは、エストロゲン5%わずかにあるからという解釈でいいのでしょうか?また、この選択についていかがお考えですか?
今回もまとまりのないを質問をさせて頂きご無礼申し訳ございませんが、田澤先生の貴重なご見解をお聞かせいただけますと大変ありがたいですので、何卒よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
術前抗がん剤でEC4回やって初めて(つまり3カ月ぶり)の評価ですか!
術前抗がん剤がリスクの有る治療であるという認識がないようです。
ただ幸い「縮小」しているようなので一安心です。

回答

「②のしこりは医師の説明通りの受け止めで良いのでしょうか?」
⇒私には判断困難です。
 画像診断上はどうなのでしょうか?「癌を疑う」画像所見だから「評価病変②として測定している」のが通常ですが。
 ただ、「抗がん剤は良性腫瘍には効かない」ので「理屈としては」通ります。
 
「術前化学療法中リンパ節はチェックしないものなのでしょうか?」
⇒チェックしなくてはなりません。
 腫瘍が縮小しても「リンパ節転移がすすむ(拡がる)」可能性はあるのです。
 一般的には「腫瘍の縮小とリンパ節の縮小は同時進行」ですが、油断はなりません。
 
「リンパ転移個数の質問をした際に、それは全くわかりませんの一点張りの回答しかありませんが、それは正しいのでしょうか?」
⇒本来「術前化学療法の評価項目」の訳ですので「解りません」では困ります。
 何個疑われるのかも「評価してあるべき」項目です。
 
「癌の大きさの推移について、素人目には数値は小さくなっていますが、効き目の評価としてはいかがなのでしょうか?」
⇒長径で比較すると 16.8から9.9は「約41%減」となります。30%以上の効果となるのでpartial response:PR(部分奏功)となります。
 まずまずの効果と言えるでしょう。
 
「ドセタキセルにエンドキサンを加えるのは、エストロゲン5%わずかにあるからという解釈でいいのでしょうか?」
⇒一応そのような理由になっています。(エンドキサンは卵巣毒性があるので、その効果に期待という意味合い)
 但し、EC⇒TCという使い方は一般的ではありません。
 T(ドセタキセル)をどうせ用いるのなら、「この際TCにしよう」という発想だと思います。
 
「この選択についていかがお考えですか?」
⇒もしも「本当に効果を上げたい」という理由なら、私なら「weekly PTX」とします。
 TCが悪いという意味ではなく、「ECでC(エンドキサン)を用いているので」再度Cを加えてTCを用いることは私はしません。
 ♯本当に「卵巣機能を抑えたい」というのであれば、「ホルモン療法を併用すべき」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回質問時はご丁寧な回答を頂いて誠にありがとうございました。
術前化学療法が残り1回となり年明けに手術予定です。
前半は超音波チェックが全く行われなかったのが、言ったせいかどうかは分りませんが最近は3週間に1度のペースでのチェックとはなっています。
16,8×13,9×15,5mm大の大きさが、前半EC終了3週間後のチェックでは6,2×4,2×4,7mm大まで小さくなったのですが、TC3回目時のチェックでは9,2mm×3,1mm×3,8mmと拡大をしていまして、田澤先生が再三このサイトでもご指摘されている術前療法のリスクが現実起きていると心配をしているところです。
担当医師 は、総計の増加割合とエストロゲン(5%)等総合的に考えて、数値は多少の変動もあるものなので、このままTCを続行しましょうとの簡単な説明でした。
ECは効いてTCは効かないケースということかと尋ねたところ、ワンセットだから現段階でどうこう騒ぐのではなくてやりきることとのことでした。
来週がTC最後の予定です。
これは大きくなっていることを放置している状況ではないのかどうかよく分りませんが、田澤先生のご見解をお伺いできるとありがたいです。お忙しいところ大変恐れ入りますが、よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
TCに不応性のようです。
担当医は「あと一回だから」というように押し切ろうとしていますが本来は「手術に切り替えるべき」と思います。(ECの分の貯金があるという意識もありそうです)
もしかすると「手術日程が組めない」という事情もありそうですが、本来は「術前抗がん剤に伴うリスク」を考えて「手術枠を仮に確保しながら」でなければ危険な治療なのです。
○拡大しているとはいっても、「最初の状態」までには再増大はなさそうなので「実質的な不利益はそれ程ない」と考えるしかなさそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日は大変お忙しいところ、ご丁寧な回答を誠にありがとうございました。
EC→TC後手術が終わり、病理結果の説明を受けたのですが、ずいぶんと当初の説明と変わってしまい、ショックを受けているところです。
ステージもⅡAからⅢA(T2N2aM0)となりました。
乳頭腺官癌、4,3cm×2,0cmの範囲、リンパ12個中8個転移、ER50%以上、PR5%、グレード2、Ki67=26%、ly1、v1ごく軽度あり、切除断端陰性、HER2はたまむし色で検査中、化学療法評価1aとのことでした。
病理検査で大きく変わったのは、リンパ転移(2個→8個)、ER(5%→50%以上)PR(0%→5%)で、ほぼトリプルネガティブか
らルミナールBとのことでした。
大きさは、16×13×15mmと8×6×3mmから、病理検査では
4,3cm×2cmの範囲内という説明でした。
Ki67%値の高さと、リンパ転移の多さから再発リスクは高く、5年生存率50%、5年再発率も50%であるが、術後、放射線とホルモン剤とフルに治療をすることで最大限上げていくようにしていきましょうとのことでした。
HER2結果を見てハーセプチンも使うとのことでした。
①この状態はは、ステージⅢaで再発率と5年生存率はやはり50%でしょうか?
②田澤先生は術後治療は放射線とホルモン剤治療でしょうか?
③当初のトリプルネガティブからの治療法と、実際はルミナールで、同じ治療法でよかったのでしょうか?
④4,3cmの範囲内ということは、がんは術前より術後では大きくなったということでしょうか?
⑤リンパ転移、疑い2個から実際8個というのは、化学療法中に転移したということもあるのでしょうか?
⑥病理結果と治療法や医師の説明で、田澤先生が気になられるところはございますでしょうか?
癌告知の時以上にも動揺もある状況で、田澤先生の貴重なご見解をお聞かせいただけるとありがたいです。
とりとめない素人文章ですみません。
ご多忙なところ大変恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「HER2結果を見てハーセプチンも使うとのことでした。」
⇒術前化学療法前の結果で「陰性だったはず」ですね?
 抗がん剤をすることで「HER2が陽性化」することは無いでしょう。
 
「①この状態はは、ステージⅢaで再発率と5年生存率はやはり50%でしょうか?」
⇒術前抗がん剤をすると「治療前の状態の評価が不正確となる」ため、参考程度ですが…
 (抗癌剤も終了し、ホルモン療法を今後行うとして)10年生存率は80% 再発率は27%となります。
 
「②田澤先生は術後治療は放射線とホルモン剤治療でしょうか?」
⇒その通りです。
 
「③当初のトリプルネガティブからの治療法と、実際はルミナールで、同じ治療法でよかったのでしょうか?」
⇒そもそも「術前抗がん剤の適応ではない」ことは、以前の回答でコメントした通りです。
 「小さくして温存」が「術前抗がん剤の適応」という点は「サブタイプには無関係」です。
 
「④4,3cmの範囲内ということは、がんは術前より術後では大きくなったということでしょうか?」
⇒それは誰にも解りません。(今となっては)
 解釈としては、以下の2通りです。
 1.(術前抗がん剤が効かずに)腫瘍が増大した
 2.(抗癌剤前の画像診断では)捉えられない「拡がり」が最初から存在していた
 
「⑤リンパ転移、疑い2個から実際8個というのは、化学療法中に転移したということもあるのでしょうか?」
⇒ありえます。
 だから「術前抗がん剤は安易には選択できない」のです。
 ♯勿論、(先の回答と同様に)「化学療法前の画像診断で捉えられなかっただけで、最初から8個の転移が存在していた」可能性もあります。
 
「⑥病理結果と治療法や医師の説明で、田澤先生が気になられるところはございますでしょうか?」
⇒最初から「性質の悪い癌」と言っていたし、今度は「5年生存率50%」などと随分「脅かす」ような言い方をする医師だと思います。
 ○抗がん剤も手術も終わっているので、「余計な心配」などせずに、あとは「放射線とホルモン療法」頑張りましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

ご丁寧な回答を頂き誠にありがとうございました。
医師から説明があり、HER2が陽性だったとのことでした。
HER2は「異種性」とかで陰性陽性変わることはあると医師はあっさりと言っていました。
昨年6月乳癌が見つかったときにはトリプルネガティブで、EC→TCを経て今年1月の手術後の病理診断でルミナールB、昨日はHER2陽性と、説明を受けるたびに変わっています。
そして治療法を変更するということで、当初は放射線→ホルモン療法だったところが、放射線→ゼローダ+ハーセプチンを1年→ホルモン療法でやっていくとのことでした。
①サブタイプやHER2は普通こんなに変わるものなのですか?
②今後の治療方法は田澤先生はいかがにされますでしょうか?
田澤先生の貴重なご見解をお聞かせ頂けると大変ありがたいです。
ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「当初は放射線→ホルモン療法だったところが、放射線→ゼローダ+ハーセプチンを1年→ホルモン療法」
⇒ゼローダは(術前術後の治療としては)適応外です。
 「HER2陽性」で「術前に抗がん剤を終了している」のだから、術後の治療は「ハーセプチン単剤」となります(ホルモン療法併用)
 
「①サブタイプやHER2は普通こんなに変わるものなのですか?」
⇒変わりません。
 「術前化学療法前のサブタイプ」が本来信頼できるサブタイプと言えます。
 
「②今後の治療方法は田澤先生はいかがにされますでしょうか?」
⇒放射線⇒ハーセプチン+ホルモン療法です。
 ○本来は化学療法前のサブタイプが信頼できる筈ですが、「HER2が陽性」と出ている以上、「ハーセプチンはやっておきたい(副作用もないので)」と考えます。
  ゼローダは「適応外」なので決してやりません。