Site Overlay

全摘と同時再建の短期決断時の確認事項

[管理番号:2727]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、初めまして。
仙台より焦りメールさせて頂いております。
(下旬)日に全摘?同時再建を予定しているのですが、短期に決断を迫られ、まだ納得感がありません。
担当医と形成外科医より明日、再説明を受けますが、
何をどう確認したら自分自身納得出来るのか悩んでいます。
今年1月に検診時のエコーに引っかかり、病院の乳腺科にて2月針生検2回。
左乳房は乳がんと確定診断されました。
同月にPET.MRI.CTの検査指示があり、3月の術式説明時に左乳房乳管癌ステージゼロ、非浸潤7ミリでも広がりがあり、当院では全摘しか判断出来ないと言われました。
温存は難しいか質問しましたが、「出来なくはないが沢山とりますし、母親と妹さんも乳癌歴があるなら…」と言われ、
「再建するならこの場で形成外科に予約しないと…」と迫られ、即設定となりました経緯です。
お伺いしたいのですが、
①周囲の友人には同様のケースで温存が多いのですが全摘もありえますか。
②沢山検査をやりましたが他全身どこにも癌は無いか調べてくれているのですか?
③家族既往歴が無ければ温存だったのでしょうか。
④面談時に最低限の確認事項はありますか。
漠然としていて申し訳ございません…
以上です。
次回面談によってはセカンドオピニオンを検討したいのですが、時間が無く焦っております。
忙しい病院なので面談時間も限られます。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「同月にPET.MRI.CTの検査指示があり3月の術式説明時に左乳房乳管癌ステージゼロ」
⇒非浸潤癌なのにPETを撮っているのですか???
 私には全く理解できません。
 是非、「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」をご覧ください。
 
「非浸潤7ミリでも広がりがあり、当院では全摘しか判断出来ないと言われました」
⇒これはMRIの診断ですね。
 本当に「温存できない程の拡がり」なのか確認が必要です。
 
「①周囲の友人には同様のケースで温存が多いのですが全摘もありえますか。」
⇒MRIでの「拡がり診断」所見次第です。
 
「②沢山検査をやりましたが他全身どこにも癌は無いか調べてくれているのですか?」
⇒検査の「やり過ぎ」です。
 一体どういうつもりなのでしょうか?
 非浸潤癌で本気で「(転移を調べる様な)検査が必要」と思っているとしら「医師失格」です。
 
「③家族既往歴が無ければ温存だったのでしょうか。」
⇒これだけで判断している訳ではないとは思います。
 ただ、「遺伝性乳癌を疑う場合」(全摘を)勧める根拠の一つにはなります。
(絶対必要というわけではありません)
 
「④面談時に最低限の確認事項はありますか。」
⇒「MRIでの拡がり診断」につきます。
 本当に「温存不可能なのか」確認してください。
 画像評価と言う意味では「セカンドオピニオンもいい」とは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
先日は多忙な中、早速ご対応頂き感謝申し上げます。
田澤先生のお陰で冷静に状況把握や懸念事項を確認する事が出来ました。
確認できた全摘に至った所見は以下になります。
やはり全摘が最善との結論でした。
乳管に広がっている為、外側3分の一切除することになり
整形的に温存するよりも…との説明でした。
温存は見えない病変による
乳房内再発可能性ありとも言われました。
病期0:Tis N 0 : M 0
上外側に病変 リンパ節 ?
遠隔転移? 上外側に2センチの広がり
ひだり乳房切除?センチネルリンパ節生検?同時再建術
せめて右胸癌は全摘したくないと「右胸は今後どのように気をつけたら…」
と先生に質問したところ、「小さいと見つけられないので癌化しないと分からない。」と言われました。
今回、お聞きしたいのは
①今回の病変ケースは再建症例数を増やす為、全摘判断する病院や医師がいると知人看護師に言われましたが本当にありえますか。
②小さなうちは分からない…ということになりますか。
全摘にならないよう、広がる前に発見等、自己防衛は不可能ですか。
毎年エコーとマンモ、触診を受けていて全摘になった事に納得できず…
検診センターの限界であれば受けても無意味かと。
最善の方法があればご教示頂ければ幸いです。
(東北)では限界があれば田澤先生の病院へ伺いたいです。
因みに担当のお医者様へPET理由を伺いましたが「転移してないか、他に病変が無いか調べた」とのこと。
田澤先生のPETへの回答を拝見していたので若干、今の病院への心配が増したのかもしれません…。
お忙しい中、本当に恐縮です。
全摘術にまだ納得出来ず、再建も大変痛みがあると聞き恐怖しか無く…。
ご確認の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「①今回の病変ケースは再建症例数を増やす為、全摘判断する病院や医師がいると知人看護師に言われましたが本当にありえますか。」
⇒ありえます。
 それもありますが、「拡がりのある乳癌を温存するのは(執刀する側として)切除範囲の設定などに細かい配慮が必要」となので「全摘を勧めるのが楽」ということもあるかもしれません。
 
「②小さなうちは分からない…ということになりますか。全摘にならないよう、広がる前に発見等、自己防衛は不可能ですか。」
⇒そんな事をいうようでは「医師としてどうでしょうか」
 定期的に超音波でチェックすれば「小さいうちに見つかり」ます。
 
「全摘術にまだ納得出来ず」
⇒セカンドオピニオンするべきです。
 そうすれば、「温存可能」かもしれないし、(もしも温存が困難だとしても)「納得できる」と思います。