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糖尿病性乳腺症

[管理番号:5667]
性別:女性
年齢:52歳
田澤先生、よろしくお願い致します。
3年前の1月市の乳癌検診マンモで石灰化有りて要検査になり3月大きな病院でエコー検査し嚢胞有りで半年後再度エコー、その後は1年~1年半後の検査で良いと言われ、去年9月にマンモ、エコー検査で石灰化と嚢胞複数の他は特に異常なく念のため3ヶ月後と。
今年初めエコー検査も前回と変化なしで次は8月でしたが病院側の都合で9月末予約になりそろそろ検診だと思って胸を確認したら右胸のシコリに気づきました。
9月末マンモは前回と変化なし、エコーではシコリに先生が、うーん、血流はあるんだよねー、細胞を取ってみよう、と…2本刺しました。
急に細胞診で頭が真っ白になり担当の先生に何も聞けずシコリが何センチかもわからず癌ではないかと不安で色々調べていると田澤先生のQ &Aを見つけてそれ以降読ませて頂いております。
知らない事ばかりでとても勉強になります。
本当にありがとうございます。
1週間後結果を聞きに行ったら全く取れなかったからまた3ヶ月後と。
それまでに急に大きくなったから来て下さいと。
極度の緊張でまた頭が真っ白になり何も聞けず、家族にも何も説明できず冷静になりもう一度説明を聞きに10日後に行きましたが、、今回検査したシコリは嚢胞ではなく新しくできたシコリで血流があり大きさは1cmくらい。
画像はだ円形っぽく中は少し白っぽい。
取れなかったけど大丈夫と言われ、少し気が楽になったけど不安は取れず後日別の病院に行き事情を話しエコーをしたら画像を見る限りは五分五分と。
すぐ組織診してもらい結果は県外にいて電話で聞きました。
癌であれば田澤先生に手術をしてもらいたいと考えていたのですが、結果は癌ではありませんでした。
一気に力が抜けましたが、しかし…ちょっと珍しい結果が届いてて…と先生から言われ‥糖尿病性乳腺症、との検査結果でした。
私は糖尿病ではありません。
田澤先生は糖尿病ではないのに、糖尿病性乳腺症を診断された事はありますか?
癌ではなかったのは本当に良かったのですが、調べても殆どありませんでした。
質問ですが、シコリは小さくなったり消えたり大きくなったりしますか?
大きくなった場合、手術は必要ですか?
糖尿病ではないのに糖尿病性乳腺症のシコリができるのは他の疾患が隠れている可能性がありますか?
再検査は必要でしょうか?
大変お忙しいのにすみません、よろしくお願い致します
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「糖尿病ではないのに、糖尿病性乳腺症を診断された事はありますか?」
⇒しばしば経験します。
 ただし、実際には「fibrous disease」という病理診断があり、(コントロール不良の糖尿病患者に起こる)diabetic mastopathy(糖尿病性乳腺症)も、それに該当します。
 
 病理レポートには…
  病理診断はfibrous disease
  (その典型例として糖尿病患者に起こる)diabetic mastopathyで見られる病態です。患者さんに糖尿病がないのか確認してください。(と、病理医のコメントがついたりします)
☆つまり、(糖尿病でなくても起こる変化である)「fibrous disease」が(糖尿病患者で起こる変化である)「diabetic mastopathy」は(病理学的には)同一の病態であり、この病態を見た際には(頻度的に)「患者に糖尿病がないのか?」確認してみるということなのです。
 エコー像が「癌と間違われ易い」代表です。
 ♯しかも、(触診上)「硬い(ファイバーですから…)」ので「より間違われ易い」ものです。
「質問ですが、シコリは小さくなったり消えたり大きくなったりしますか?」
⇒経験上…
 殆ど変化ありません。

「大きくなった場合、手術は必要ですか?」

⇒不要です。
「糖尿病ではないのに糖尿病性乳腺症のシコリができるのは他の疾患が隠れている可能性がありますか?」
⇒冒頭のコメントどおりです。
 実際には(糖尿病がない)fibrous diseaseが存在するのです。(皆が糖尿病だというわけではないのです)
「再検査は必要でしょうか?」
⇒その医師の組織診を信じてあげましょう。(矛盾はしません)