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DCIS患者について

[管理番号:2817]
性別:女性
年齢:35歳
いつも拝見しております。
昨年6月に大学病院で左乳がんが分かり、9月に全摘+再建の手術をしました。
最終病理結果はDCIS、無治療となり、再建のための傷のケア以外は何もしていない状況です。
もう少しで二次再建ができますが、今でも水着をきても違和感ないくらいキレイに再建されています!!
運動も食事も制限もなく、この点はとても運がよかったです。
しかし数点ほど気になることがあるので先生のご意見を伺いたいです。
長いですがまずは現状から書かせていただきます。
■現状
乳腺外科の診察と主治医の言葉
 ・病名と治療
  左胸DCIS 奇麗に取りきれた!!ので無治療。
 ・今後の診察
  3,4カ月に一度:退院後~現在 血液検査も無
 ・血液検査や反対側のマンモ&エコー
  年1でよい(次回は術後1年となる11月頃)
 ・自己検診
  月1やること
 ・残った右胸について
  術前8月のエコー、マンモ、MRIで良性のしこりを確認。
  
もともと数年前から地元のクリニックで「経過観察」とされていたしこりが左右あった
ので左乳がんが見つかるまでは3,4カ月に一度はエコー検査をしていたくらいです。
それくらい心配症な人なので、放置されている気がしてとても心配です。
自己検診といっても前回は比べる胸がありました。
今や比べる胸もなく自己検診をやってみてもよくわかりません…。
それでは本題の質問に入ります。
長文で申し訳ないです。
■質問1 検査頻度について
DCISの患者さんは検査頻度はこんな感じなのでしょうか??
もう少し頻繁に診察、血液検査や残った胸のエコーを行ってもガンの再発(ほぼないと思いますが)および新規にでてくるガンの早期発見に意味はあると思われますか??
それともただ精神安定剤のための検査になってしまうのでしょうか。
■質問2 現在の症状について
DCISを片胸に発症した患者さんはもう片方にもガンができる確率が高いと聞いています。
どれ位高いのでしょうか。
同時に発症している可能性もありますか??
実際ここ数日、何となく右胸がズキッと痛む感じがあり気持ち悪いです。
前回左の乳がんは結局自分で異常を見つけたことでわかりました。
触って分かるしこりが本当にあって、その部分が痛かったのです。
今回はそういう痛みとは違います。
全体的に痛かったり、上部や下部モヤッとした痛みです。
現在海外、しかもあまり医療の発達していないところに住んでおります。
6月帰国の際に大学病院とは異なる専門クリニックさんにエコーの予約をいれました。
すぐに帰国してもっと早く検査した方がいいでしょうか??
※大学病院にも予約はありますが、検査予定は得にないと言われており、予定を組みなおすと滞在日数も変えなくてはならないので、クリニックさんにお願いしました。)
■質問3 今後の構え方
乳がんは一般的に10年を節目に考えていますね??
DCISの場合うまくとりきれれば、基本的に根治と考えているようです。
その場合この10年のくくりには入らなくていいのでしょうか。
これからも、通院は続きますが、皮膚にでるかもしれない局所再発の検査と残った方の定期検診だけ、と言われています。
しかし「完治」したとも何とも言われてないのです。
他の人より発症の可能性は高いカテゴリに入る、でももうガンは無いと思ってもよいのでしょうか。
■質問4 ニキビについて
オペをしてから胸ニキビができやすくなりました。
全摘したほう、してない方関係無くです。
主治医の先生にも見せており、ニキビだ、と言われていますがオペをしたことによっ

できやすくなる、というのは聞いたことはないといいます。
しかし、明らかにオペをしてからできやすくなりました。
血流の問題など関係しているんじゃないのかと勝手に推測しています。
できては消え、できては消え…。
皮膚殺菌の薬をもらったのですが、イタチごっこです。
先生はそういう患者さんを見たことはありませんでしょうか。
もしいらっしゃれば、何かきれいにする方法があればお聞きしたいです。
次回帰国時には、一度皮膚科にもいってみようと思っています。
以上大変長い文章となり申し訳ございません。
ご一読くださいますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「■質問1 検査頻度についてDCISの患者さんは検査頻度はこんな感じなのでしょうか??もう少し頻繁に診察、血液検査や残った胸のエコーを行ってもガンの再発(ほぼないと思いますが)および新規にでてくるガンの早期発見に意味はあると思われますか??それともただ精神安定剤のための検査になってしまうのでしょうか。」
⇒DCISで全摘は根治です。
 1年に1回でいいでしょう。
 心配な方は「半年に1回エコー」しています。
 
「■質問2 現在の症状について DCISを片胸に発症した患者さんはもう片方にもガンができる確率が高いと聞いています。どれ位高いのでしょうか。」
⇒対側に乳癌が発生する確率は「7%程度」と言われています。
 
「同時に発症している可能性もありますか??」
⇒術前検査で両方確認している筈です。
 
「すぐに帰国してもっと早く検査した方がいいでしょうか??」
⇒不要です。
 
「■質問3 今後の構え方乳がんは一般的に10年を節目に考えていますね??DCISの場合うまくとりきれれば、基本的に根治と考えているようです。その場合この10年のくくりには入らなくていいのでしょうか。」
⇒DCISで全摘は根治です。
 
「■質問4 ニキビについてオペをしてから胸ニキビができやすくなりました。先生はそういう患者さんを見たことはありませんでしょうか」
⇒見た事がありません。
 生活習慣などの変化でしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
先日はご丁寧に回答を頂きまして有難うございます。
既に全摘したDCISの件については"根治"と
いうことで安心して生活していきたいと思います。
はっきりとお言葉をいただけて安心しました。
残りの胸の件で改めてご質問があります。
■残された右胸の痛みの症状
生理が終わった後も痛みが続きました。。
しばらくはどこかがズキッと痛む感じでしたが
ここ4日ほど明らかに乳頭、乳りんの周りと
その奥(得に下側)のほうが痛むように場所が決まってきました。
【おかしい点】
乳頭下の胸を下から上に軽く押す際、
左から右上に軽く押す際に乳頭から奥のほう全体に痛みが走ります。
乳頭を直接圧迫しても同じ痛みがあります。
下着の圧迫でも痛みを少し感じる状況です。
熱を持っている感覚も時折あります。
【普通な点】
分泌液はありません。
乳頭の腫れやタダレらしいものはありません。
乳りんに白いおできみたいなものはありますが昔からありました。
自分で触る限りしこりはありません。
肌全体も腫れていたり、色がおかしいことはありません。
【質問1】
どんな病気の可能性がありますか。
気になって触りすぎて痛みが引かないこともあるのでしょうか。
新たに出てきた癌である可能性も捨てきれないでしょうか。
【質問2】
"質問1"で癌である可能性がある場合。
昨年8月末には精密検査を済ませています。
1年もしないで、痛みが出るほどになることもあるんでしょうか。
【質問3】
来月中旬に乳腺外科クリニックさんには
エコー検査の予約をしています。
マンモも行ってもらったほうが良いでしょうか。
精神的な問題も大きいことは承知しています。
そうであることを願っていますが、少しの異変でも過剰に反応してしまっています。
田澤先生のような方がネット上で質問に
答えてくださって大変感謝しております。
以前もオペの前や、診断を受けた後など、
こちらのサイトには大変お世話になっております。
お忙しいとは思いますがこれからもサイトを
続けていただけるとうれしいです。
本当に有難うございます。
寒暖の差も激しい季節です。
どうぞ、ご自愛ください。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です
「痛み症状」を何か病気のサインと考える事は基本的には正しいとは思います。
「胃が痛い⇒胃壁が荒れている(胃潰瘍など)」
「歯が痛い⇒虫歯」
○進化の過程で、重篤な疾患に気付くために「整備されたセンサー」なのです。
 これが無ければ(我々は、悪い部位に気付くことができず)体はぼろぼろとなるでしょう。
しかし、乳房痛に関しては「何か病気が隠れているのではないか?」と考える必要はありません。
 乳腺は「女性ホルモンによる刺激に曝され」それによって、始終「痛みや違和感」などを感じているのです。
 卵巣はストレスに敏感であり、また「30歳代後半」となると(ストレスがなくても)不安定となり、乳腺を始終刺激しているのです。
☆もしも、遠い未来に人間が進化して「癌の存在を神経が探知」して「乳癌ができたら乳腺が痛くなる」みたいになればいいのですが…(しかし、現実には乳癌は痛みで教えてはくれません)
 そしたら検診も不要で、「痛んだら病院へ行けば、虫歯を歯科医が治療するように、乳癌を(小さいうちに)治療できる日が来る」かもしれません。
 しかし、現実はそうではないのです。
 乳癌は「私はここにありますよ」とは教えてくれないのです。
 
「乳頭、乳りんの周りとその奥(得に下側)のほうが痛むように場所が決まってきました」
⇒乳頭周りは「乳管が集まっている」ので「女性ホルモンによる刺激症状」が起こる典型的な部位です。
 心配ありません。
「【質問1】どんな病気の可能性がありますか。」
⇒病気ではありません。
 典型的な「女性ホルモンによる刺激症状」です。
 30歳代も半ばとなり「卵巣機能が不安定となってきている」可能性もあるし、ストレスによる影響かもしれません。
 
「気になって触りすぎて痛みが引かないこともあるのでしょうか。新たに出てきた癌である可能性も捨てきれないでしょうか。」
⇒癌とは無関係です。
 癌は「私はここにありますよ。見つけてください」とは(残念ながら)教えてはくれないのです。(だから自己検診や定期検診が必要なのです)
 
「1年もしないで、痛みが出るほどになることもあるんでしょうか。」
⇒「しこりが無い」のに「癌を疑う」必要はありません。
 
「来月中旬に乳腺外科クリニックさんにはエコー検査の予約をしています。マンモも行ってもらったほうが良いでしょうか。」
⇒30歳代の頃はエコー中心でいいでしょう。
 マンモは数年に1回でもいいとは思います(気になる石灰化が無い限り)
 
「精神的な問題も大きいことは承知しています。」
⇒卵巣機能に影響を大いに与えます。
 
「そうであることを願っていますが、少しの異変でも過剰に反応してしまっています。」
⇒乳房痛は乳癌の症状ではありません。
 自己検診は、あくまでも「しこりが触れるか?」に注目してください。