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非浸潤で手術?断片陽性

[管理番号:6067]
性別:女性
年齢:45歳
こんにちわ。
先月妻が乳がんと診断され手術をうけました。
術前は針生検により非浸潤癌の診断。
広がりはあるが、温存でもなんとかなるだろうとのことでした。
結果を昨日聞きにいったところ
なんと断片陽性のため再手術をしたほうがいいということでした。
さらに浸潤部分、そして術中センチネルでは陰性だったのに、リンパにも転移がみつかりました。
まさかの結果に妻はすっかり落ち込んでしまっています。
診察時は夫婦ともに動揺してしまい、質問など思いつかなかったので、田澤先生に教えていただきたく簡単な情報の中申し訳ありませんが
よろしくお願いいたします。
浸潤3ミリ
リンパ転移0、7ミリ
トリプルネガティブ(ハーツーは検査中)
断片陽性(再手術必要)
グレード3
以下質問になります
①断片陽性ということで、再手術(結局ぜん)ですが、
癌が中途半端にさわられてしまったということですね。
癌の途中を切ったり摘出したりが繰り返されることで癌が散らばったり遠隔転移につながったりしないのですか?
②リンパ転移(再手術でリンパ再摘出はしない)までありましたが、術中みつからずに、術後にみつかることは
よくあるのですか?病理師の技術のもんだいですか?
③ハーツーは検査中です。
トリプルネガティブかハーツーということですが、それぞれの場合の田澤先生が考える現段階からの治療をご教示お願いいたします。
リンパ転移があったため抗ガン剤はしたほうがいいのでしょうか?
ハーツー陽性も遠隔転移しやすいと聞きまし、不安です。
④妻の乳がんは初期になるのですか?術前は早期でみつかりよかったと前向きに
いたのですが、この結果に不安しかありません。
⑤再発率を教えてください。
以上、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「癌の途中を切ったり摘出したりが繰り返されることで癌が散らばったり遠隔転移につながったりしないのですか?」
⇒ありません。(想像しすぎです。 統計学的に明らかです)
「術中みつからずに、術後にみつかることはよくあるのですか?」
⇒「よくある」とはいいませんが、今回のように微小転移(質問者の場合には0.7mm)であれば、起こり得る範囲内とは言えます。(肉眼的転移:2mm以上 では滅多にありません)
「それぞれの場合の田澤先生が考える現段階からの治療をご教示」
⇒無治療です。
 浸潤径3mm(リンパ節転移も微小転移)であれば、(私は)治療はしません。
「リンパ転移があったため抗ガン剤はしたほうがいいのでしょうか?」
⇒不要(上記通り)
「ハーツー陽性も遠隔転移しやすいと聞きまし、不安」
⇒3mmの癌に対しては余計な心配です。
「妻の乳がんは初期になるのですか?」
⇒勿論です。
「⑤再発率を教えてください。」
⇒3mmの癌に再発率の数値などありません。
 全摘すれば、ほぼ根治だと思います。
 「リンパ行性転移と血行性転移」については『今週のコラム 120回目 リンパ節転移が直接遠隔転移を起こす事はありません。あくまでも「予後因子」の一つにすぎないのです。』を是非、熟読ください。
 ★余計な心配をすることなく、「早期でよかったね」と実感する日も、さほど遠くはないのです。(今は想像できないのかもしれませんが…)