乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:5828]
性別:女性
年齢:52歳

断端陽性とセンチネルリンパ節について

初めまして。

9月:
・マンモグラフィーからの要精密検査通知(検査は2年毎に受けていまし
 た)
・超音波検査   
・穿刺検査
 ⇒病理結果:がん細胞は見つかっていないが、細胞の異型化が認めら
  れ、DCISと診断

11月:
・左乳房温存手術(65*50*25mm)
 ⇒病理結果:
   low-grade DCIS, non-invasive ductal carcinoma
   ly0,v0,surgicalmargin(+):wide excision
Nuclear grade 1 (atypia 1, mitosis 1)

  拡張を呈する乳管内で、核形不整を呈する異型細胞が、篩状構造で
  増殖する腫瘍病変。

  間質への浸潤を欠く病変。

  病変は採取検体の乳腺内で広範な分布を示し、最大割面における組
  織学的腫瘍径は35*20mm。

  腫瘍は乳頭対側離面にほぼ露出、また乳頭側や深部切離面にも近
  接。

・頭部CT、腹部CT、腹部超音波検査を勧められる
・他情報 Ki67=10%, ステージ0~1

12月:
・転移検査として頭部CT検査
 ⇒異常なし
・転移検査として腹部CT、腹部超音波検査済
 ⇒結果待ち

・断端陽性のため、追加切除手術を勧められる
・同時に、転移検査のため、手術でセンチネルリンパ節を採って検査することを勧められる
・術後放射線は行うが、抗がん剤は不要との事

以上が経過となります。

質問1:DCISなのですが、頭部や腹部のCTは行う事が多いのでしょう
    か。

質問2:現段階でセンチネルリンパ節を採る検査が必要なのでしょう 
    か。

質問3:センチネルリンパ節を検査するにしても、超音波→針生検から
    開始しないのはなぜでしょうか。

質問4:追加手術の前に、胸のCTや超音波等の検査をしないのはなぜで
    しょうか。

質問5:乳房温存手術の際に、色をつけながら切除境界を探していくと
    の事でした。

    残念ながら断端陽性となってしまったのですが、追加手術で完
    全に取り除く事ができるのでしょうか。

    追加手術の場合は異なる手法で境界を探すものなのでしょう 
    か。

質問6:断端陽性の追加手術は、前回の手術からどれくらいの期間内に
    する必要があるのでしょうか。

質問7:放射線治療が必ず実施されると思いますが、この症例の場合、
    そちらの最新の機器(トモセラピー)と通常の機器とでは、ど
    のような差がでるのでしょうか。

質問8:もし田澤先生に診察をお願いできるとしたら、どの段階でお願
    いするのが良いのでしょうか。

最初は初期のがんで心配ないと言われましたが、検査が徐々に広範囲になっていく事に不安が大きくなっています。

はじめてのがん診断のため、主治医が私を気遣ってくださる事には感謝しておりますが非常に心配です。

お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

   

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

これは大変驚く内容です。

最初、私の「見間違い?」かと思いました。
(この内容が本当なら… 未だに信じがたいですが)とても、まともな専門医が行う事ではありません。
手術して「非浸潤癌(しかも低異型度!!)」と解った上で、「CTとかセンチネルリンパ節生検とか提案するとは!!!!!!!
(本来なら、!を画面からはみ出すほど記載したい位です)

☆断端が陽性といっても(まともな手術なら)「当然、病変の中心を含むほとんど全ての癌が非浸潤癌(しかも低異型度)」の筈です。
 浸潤癌が(其の断端の向こう側に)存在していると想像する必要は全くありません。

「・頭部CT、腹部CT、腹部超音波検査を勧められる」
⇒全く「馬鹿げて」いる。
 とんでもない「馬鹿げた」検査です。

 時々「術前診断」で非浸潤癌なのにCTやPETを撮影する施設が有りますが…(それ自体、とんでもないことですが…)
 (それにも増して)質問者のケースでは「手術標本で非浸潤癌が確定」しているのです。(暴挙以外の何物でもありません)

「・他情報 Ki67=10%,」
⇒非浸潤癌なのにKi67は不要(適応がそもそもありません)

「・転移検査として頭部CT検査」「・転移検査として腹部CT、腹部超音波検査」
⇒こんな検査をするなんて…

 とんでもないことです。(全く信じがたい)

「・断端陽性のため、追加切除手術を勧められる」
⇒これは(今回、唯一)正しい。

「・同時に、転移検査のため、手術でセンチネルリンパ節を採って検査することを勧められる」
⇒全く「不適切」

 浸潤癌の可能性は殆どないのに「センチネルリンパ節生検の適応は絶対にない」
 ♯乳癌診療ガイドラインでも「病変を摘出しての(外科的生検)非浸潤癌との診断」ではセンチネルリンパ節生検は不要と明記しています。(そもそも「まともな」乳腺外科医なら「常識」です)

「抗がん剤は不要」
⇒当たり前。(非浸潤癌に抗癌剤の適応は全くありません)

「質問1:DCISなのですが、頭部や腹部のCTは行う事が多いのでしょうか。」
⇒絶対に行ってはいけません。(あり得ない診療です)

「質問2:現段階でセンチネルリンパ節を採る検査が必要なのでしょうか。」
⇒絶対に行ってはいけません。(とんでもない話です)

 ☆患者さん側から「どうしても心配だから調べてくれ」と言われた際に、(医師側が)「不要です」といっても、(患者さん側から)「どうしても」と言われた場合には、「それを明記」した上でなら「ようやく許される医療行為」なのです(医師側から提案することは1000%誤り)

「質問3:センチネルリンパ節を検査するにしても、超音波→針生検から    開始しないのはなぜでしょうか。」
⇒そもそも「センチネルリンパ節生検は不要」です。

「質問4:追加手術の前に、胸のCTや超音波等の検査をしないのはなぜでしょうか。」
⇒一般的に

 画像でわかるような「腫瘍」が取り残されていることは、ありえません。(もし、そうであれば、初回手術そのものの不備ということになります)
 なので、「断端陽性の方向を再度、十分に切り足す」しか「やりようが」ないのです。

「質問5:追加手術で完全に取り除く事ができるのでしょうか。」
「追加手術の場合は異なる手法で境界を探すものなのでしょうか。」

⇒目に見えるものはありません。

 「質問4の回答」の通りです。

「質問6:断端陽性の追加手術は、前回の手術からどれくらいの期間内にする必要があるのでしょうか。」
⇒特に決まった事はありません。(特に急ぐ必要はありまえsん)

「質問7:放射線治療が必ず実施されると思いますが、この症例の場合、そちらの最新の機器(トモセラピー)と通常の機器とでは、どのような差がでるのでしょうか。」
⇒予防照射には殆ど違いは無いと思います。

「質問8:もし田澤先生に診察をお願いできるとしたら、どの段階でお願いするのが良いのでしょうか。」
⇒非浸潤癌だから「追加手術」すれば、何の問題もありません。

 もしもトモセラピーをご希望ならば…
 (乳腺外科を介さずに)「直接、放射線科の受診」となります。

「最初は初期のがんで心配ないと言われました」
⇒状況に変わりは全くありません。(初期の癌であり、全く心配のない状況です)

「検査が徐々に広範囲になっていく事に不安が大きく」
⇒これは純粋に「担当医の問題(常識では考えられない)」にすぎません。

「主治医が私を気遣ってくださる」
⇒???
 まともな診療ではありません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 断端陽性とセンチネルリンパ節について】

性別:女性
年齢:52歳

断端陽性とセンチネルリンパ節について

お忙しい中、早速ご回答頂きましてありがとうございました。

田澤先生のご回答は、大変衝撃でしたが、とても安心できました。

先生にお聞きして本当に良かったと思います。

このように質問できる場がある事に感謝いたします。

その後、状況が変わりました。

主治医が他の先生と私の症例で話し合い、断端陽性の追加手術は行わず放射線のみの治療で良いとの判断になりました。

断端陽性の先が、乳腺があまりない場所だからだそうです。

念のために、センチネルリンパ節の生検は行った方が良いと言われましたが、私自身本当に必要かと疑問に思っていて、田澤先生にお聞きして気持ちが決まり、行わないことに決めました。

すでに実施してしまった腹部CT、超音波の結果は問題ありませんでした。

そこでまた質問させていただきたいのですが、

質問9: 具体的な切除部分がわからない状態でのご判断は難しいと思
     いますが、断端の先の残りの乳腺が少ない場合、放射線治療
     のみで、追加切除をしなくてもよいと思われますか。

     放射線は、ブースト放射線との事です。

     前回の質問で追加切除は正しいとのお答えをいただきました
     が、事情が変わりましたのでもう一度質問させていただきま
     した。

     (切除した部分は乳頭より上部)

質問10: 追加切除なしの放射線の場合、トモセラピーと一般の放射 
     線での効果に違いはありますか。

質問11: 追加手術をした方がよい場合、この段階から田澤先生に
     手術をお願いすることは可能でしょうか。

質問12: 私の場合の経過観察についてですが、先生なら治療後どれ
     くらいの期間にどのような検査をされますか。

     3ヶ月毎の血液検査と半年ごとのCTは必要でしょうか。

質問13: 主治医からは、早く放射線治療を始めたほうが良いと言われ
     ていますが、追加切除をしない場合、どれくらいまでに放射
     線を始めた方が良いのでしょうか。

     また、放射線治療は開始したら連続で実施しないと効果が出
     ないのでしょうか。

     ちょうど年末ということもあり、連続なら来年からでも良い
     でしょうか。
 
     温存手術は11月中旬でした。

お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

それにしても…
とても信じられない驚くべき診療ですが(質問者には申し訳ありませんが、正直な感想です)、唯一まともな判断であった「断端陽性の処置を撤回」して(とんでもない暴挙である)「CTやセンチネルリンパ節生検を勧める」とは???
余りにも「バランス感覚を欠いた(その表現では、生易しすぎですが…)診療」と思います。

(以下、抜粋)
「・断端陽性のため、追加切除手術を勧められる」
⇒これは(今回、唯一)正しい。

(重ねていいますが)質問者には大変申し訳ありませんが、とても回答するに値する診療とは思えません。(あまりにも別次元の話なので、担当医を理解する努力はしないようにします)

「主治医が他の先生と私の症例で話し合い、断端陽性の追加手術は行わず放射線のみの治療で良いとの判断になりました。」
「断端陽性の先が、乳腺があまりない場所だからだそうです。」
「念のために、センチネルリンパ節の生検は行った方が良いと言われました」

⇒断端を(追加切除せず)放置するということは、「低異型度非浸潤癌が確定」ということです。(実際に追加切除しても、そこに浸潤癌が見つかるとは、とても思えませんが)

 そのように判断(非浸潤癌が確定)としておきながら「センチネルリンパ節生検を
勧める」ことに『とてつもない乖離』があることに、その担当医は気づかないのだろうか????
 自分自身のやっていることに「明らかな矛盾が存在」していることに気づかない程、慎重な性格だということ??(別次元の話なので、理解することは止めた筈なのに、余計なコメントをしてすみません。)
 ☆「担当医のおかしな行動」を指摘しないことには、(無駄に心配している質問者を)「安心させることができない」と思うので、敢えてコメントしています。

「私自身本当に必要かと疑問に思っていて、田澤先生にお聞きして気持ちが決まり、行わないことに決めました。」
⇒これは当然。

 なぜ、手術で非浸潤癌と確定しているのに「センチネルリンパ節生検を勧める」のか、とても理解できません。

「すでに実施してしまった腹部CT、超音波の結果は問題ありませんでした。」
⇒全く、ばかげている。
 無駄な検査が患者さんの「時間と、お金」を(全く無駄に)奪ったうえで(全く不要な)被爆までさせていることを、その医師は真剣に考えなくてはいけません。(本当に必要だと思って検査しているのだろうか? 理解に苦しみます)

「断端の先の残りの乳腺が少ない場合、放射線治療のみで、追加切除をしなくてもよいと思われますか。」
⇒実際に執刀した医師にしか解らない事です。

 ただ、(画像で解らない程度の)「低異型度非浸潤癌」が残っていたとしても…
 放射線で制御されてしまう可能性はありそうには思います。

「質問10: 追加切除なしの放射線の場合、トモセラピーと一般の放射線での効果に違いはありますか。」
⇒これは無関係です。

「質問11: 追加手術をした方がよい場合、この段階から田澤先生に手術をお願いすることは可能でしょうか。」
⇒これは、実際に執刀した医師が行うべきです。(どの部位を切除すればいいのかは執刀医にしか解らないのです)

「質問12: 私の場合の経過観察についてですが、先生なら治療後どれくらいの期間にどのような検査をされますか。」
⇒非浸潤癌の場合には1年に1回のマンモとエコーです。
 今回のように「断端陽性」ならば、エコーは半年に1回としてもいいでしょう。

「3ヶ月毎の血液検査と半年ごとのCTは必要でしょうか。」
⇒不要

 (主治医は)検査の意味が解っているのだろうか??
   血液検査は(ホルモン療法をやるわけでもないので肝機能のチェックも不要だから)腫瘍マーカーの為のものでしょう。
   
  ☆CTも腫瘍マーカーも(遠隔)転移再発の監視のために行うべきものであり、
(非浸潤癌である)質問者には全く必要のないものです。(ちなみに腫瘍マーカーもCTも「局所再発の監視には全く無意味」です。)
   
   寧ろ、質問者の場合に「断端陽性が気になる」のであれば、「主治医自らの乳腺エコーだけが必要十分」の検査なのです。
   ♯当院では術後のCTは浸潤癌でさえ行いません。ましてや非浸潤癌なのに「CTやマーカー採血を行う」ことは全くあり得ない話です。

「質問13: 主治医からは、早く放射線治療を始めたほうが良いと言われていますが、追加切除をしない場合、どれくらいまでに放射線を始めた方が良いのでしょうか。」
「ちょうど年末ということもあり、連続なら来年からでも良いでしょうか。」

⇒(断端陽性とは言っても)あくまでも予防照射です。
 5カ月以内で問題ありません。

 ☆逆に言うと…
   「予防照射を急がなくてはならない」ほどの状況なら、「追加切除すべき」と(私は)思います。





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