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乳房痛と甲状腺機能亢進症

[管理番号:3171]
性別:男性
年齢:38歳
田澤先生はじめまして。
よろしくお願い致します。
過日、甲状腺機能亢進症と診断され、現在左右の胸に張り、左胸には圧痛、時折針でつつかれる様な痛みがあります。
左胸は押しつぶすとかなり痛むため、マンモグラフィー検査と言われるのが嫌で、主治医に胸の症状を伝えるのを躊躇しています。
1.この場合、田澤先生ならば触診以外の検査をしますか。
する場合はどんな検査をしますか。
2.また、乳房痛があった場合、マンモグラフィーに代替する診断方法はありますか。
3.男性ですが、今後乳房に関して定期的な検査を受けた方が良いでしょうか。
お忙しい中、誠に恐縮ではございますが、以上3点、また、何かアドバイス等を頂けましたら、今後の指針と致したく存じます。
以下、症状に関しまして、これまでの経緯を説明致します。
現在から3年ほど前、右胸だけにそれまでにない張りと痛みを覚えましたので、最寄りの開業医を受診しました所、女性化乳房症と診断されました。
当時はまだ現在ほど張れておらず、触診のみの診断で、原因は不明だが、自分で変
わったことが無いか確認していれば、そのままで問題ないと説明を受けました。
それから2年半ほど経つと右胸の痛みが徐々に治まり、しこりも和らぎましたので一
安心していました。
しかし、現在から4ヶ月ほど前、右胸にあった様な張りと痛みが左胸にも出てきてしまいました。
その後、甲状腺の張れにも気づき、総合病院を受診しました所、甲状腺機能亢進症と診断されました。
以下、分かることを記載致します。
乳がん家系ではなく、親類にも乳がんを罹患している者はおりません。
甲状腺の病気も両親にはありませんでした。
胸の形は、ちょうど中華鍋をひっくり返した様な形をしており、現在の胸の大きさはAくらいだろうと思います。
乳輪の外縁を指でなぞると、ちょうどグミのような固さのしこりがいくつか触れます。
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「青年期の女性化乳房」ですね。
比較的20代に多い症状ですが、「30代、40代でも稀」ではありません。
単純に「男性ホルモンは女性ホルモンに構造が似ている」ので、(勿論全員ではありませんが)男性ホルモンの過剰分泌により、乳腺が刺激され肥大し「女性化乳房となる」のです。
これに対して「男性乳癌」は「女性化乳房とは無関係」です。
つまり「女性化乳房に男性乳癌ができやすい」ということはありません。
男性の「平らな胸」に「硬いシコリができる」わけですから「診断は極めて容易」です。
○女性化乳房と男性乳癌を誤診する事は「ありえない」ことなので御心配なく
「1.この場合、田澤先生ならば触診以外の検査をしますか。する場合はどんな検査をしますか。」
⇒超音波です。
 超音波で100%診断できます。
 男性には(女性化乳房であろうと)マンモグラフィーは酷です。
 
「2.また、乳房痛があった場合、マンモグラフィーに代替する診断方法はありますか。」
⇒超音波です。
 それで十分です。
 
「3.男性ですが、今後乳房に関して定期的な検査を受けた方が良いでしょうか。」
⇒不要です。
 「男性乳癌」は高齢者の病気です。(60歳以下で見た事はありません)
 しかも「硬いので」(例え女性化乳房であっても)自分ですぐに解ります。
 
「原因は不明だが、」
⇒原因は「男性ホルモンの過剰分泌(一過性)」です。
 御心配なく。
 
「自分で変わったことが無いか確認していれば、そのままで問題ないと説明を受けました。」
⇒「男性乳癌は自分で(容易に)解る」ということです。