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CUREBESTと抗癌剤

[管理番号:6514]
性別:女性
年齢:46歳
 
はじめまして。
 
全部は読みきれていませんが、質問コーナー等参考にさせて頂いております。
早速ですが、6月(中旬)日手術(センチネルリンパ節生検+乳房部分切除予定)を受けます。
針生検の下記結果から、最適な治療を選択できるよう主治医よりCUREBESTを勧められており、手術までに回答を求められています。
しこりは約9mmです。
 
質問1 先生でしたらこの結果からCUREBESTを勧められますか?
 
質問2 今の段階で抗癌剤は必要と想定されますか?
 
何卒宜しくお願い申し上げます。
 
Invasive ductal carcinoma
Nuclear atypia: score 2, number of mitotic figures: score 2 → nuclear grade 2 ER total score: 5(proportion score)+ 3(intensity score)= 8
PgR: 5+3=8
HER-2: score 2+
MIB-1 index (invasive front): 20%
特殊染色を行って検討した結果、浸潤性に増殖している異型細胞では、
E-cadherin(+)であり、浸潤性乳管癌と考えられます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
CUREBESTは、ここ江戸川病院でも準備が整い可能な状態ですが…
 
以下の理由で現状、行っていません。
1.Oncotypeと違って、手術時(手術標本で)に検体採取(して凍結保存)する必要がある。
  OncotypeDXは、術後の標本から「いつでも」採取可能である。
 
2.(1と関係しますが)手術時に採取するので、まだ病理結果も確定していないうちに同意をしてもらうため、説得力がない。
 
3.OncotypeDXのような信頼性に欠ける(歴史が浅いから仕方がありませんが…)
 
「質問1 先生でしたらこの結果からCUREBESTを勧められますか?」
⇒冒頭に示した通りです。
 私なら、まずは「手術標本でのKi67」を見て、グレーゾーン(21~40)ならばOncotypeDXを勧めています。(41以上でも希望があればOncotypeDXしています)
 
「質問2 今の段階で抗癌剤は必要と想定されますか?」
⇒参考になるのは、Ki67=20%ですが、
 これが手術標本でも同じ数値なら、「不要」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 術後の治療方法】

性別:女性
年齢:46歳
 
田澤先生、おはようございます。
 
先日は迅速なご回答を誠にありがとうございました。
大変感謝しております。
恐れながら、経過報告及び追加で質問させていただきます。
 
まだQ&A等をすべては読み切れておらず、重複した質問になっておりましたら、申し訳ございません。
手術は予定通り、部分切除及びセンチネルリンパ節生検で済み、
リンパ節転移はありませんでした。
 
私も田澤先生の仰る理由からCUREBESTを進んで受ける気は全くなかったのですが、諸事情により受けることになり、
結果は「H」でした。
また、手術の病理検査のHER2以外の結果が出て、Ki67が約40%でした。
サイズは12x14mmでした。
わずかにリンパ管侵襲があるとの所見です。
よって、主治医より放射線治療、抗がん剤治療(ECまたはTC療法)及びホルモン療法、HER2の結果によってはプラス抗HER2療法を勧められています。
話が前後して申し訳ないのですが、田澤先生に6514の質問を送信した直後に主治医より針生検のFISH検査の結果を聞かされました。
 
スコア1.51ですが、HER2平均5.8?とのことで、病理医の診断は、
ASCO/CAPHER2ガイドラインでは「陽性」に該当しますとのことでした。
現在手術のHER2の検査結果待ちで、結果によってはFISH検査も行うことになっています。
 
そこで田澤先生に質問です。
1 手術のHER2の結果が針生検と同じと仮定した場合、田澤先生でしたら抗HER2療法は勧められますか?
 
2 抗HER2療法もすると仮定した場合、田澤先生が勧められる治療方法の薬剤及び治療順番を教えていただけますでしょうか?
 TC療法→HER2→放射線→ホルモン?
お忙しいところ、お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「スコア1.51ですが、HER2平均5.8?とのことで、病理医の診断は、ASCO/CAPHER2ガイドラインでは「陽性」に該当します」
→誤りです。
 HER2検査ガイドでは『・HER2/CEP17比≧2.0 ・HER2/CEP17比<2.0かつ HER2遺伝子コピー数の平均が1 細胞あたり≧6.0』が陽性条件となっています。
 質問者の場合は「遺伝子コピー数が5.8」なのだから、条件を満たしません。
 
「手術のHER2の結果が針生検と同じと仮定した場合、田澤先生でしたら抗HER2療法は勧められますか?」
→勧めません。(上記でコメントどおり)
 
「2 抗HER2療法もすると仮定した場合、田澤先生が勧められる治療方法の薬剤及び治療順番を教えていただけますでしょうか?」
→私が・
 というのではなく、常識的に
 ①TC+HER(併用4回)→②放射線→③HER(単独14回)
 ホルモン療法は②もしくは③から開始します。

 
 


 

質問者様から 【結果3 フルコース治療になりました】

性別:女性
年齢:46歳
病名:左乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生、2回目のご回答も誠にありがとうございました。

自分でも判断基準が明確になり、
結局手術のFISH結果が
HER2平均6.83だったため、すっきりして、仕事も続けながら
8月よりTC?HERを始めました。

また変化がありましたら是非ご相談させていただきたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

<Q&A結果>