乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:3002]
性別:女性
年齢:58歳

家内(58歳)が3/(上旬)に乳癌の手術(全摘出)を受けました。

診断結果と治療方法につき質問です。

手術直後に、担当医師から、センチネルリンパ節に転移が見られたので”浸潤癌”と説明を受けましたが、後日、病理検査結果は“非浸潤癌”の診断であったとの説明を受けました。

(病理レポートの内容を下記に記します)

病理レポート(迅速検査)
 採取日3/(上旬)
 報告日(作成日)3/(上旬)
 臓器;右センチネルリンパ節
 診断;pN1mi(sn)(1/3)
 診断所見;Rt SLN1 (-)
 Rt SLN2(+)0.3mm
 Rt SLN3 (-)
 パラフイン切片も同様の所見

病理レポート(手術材料)
 採取日3/(上旬)
 報告日(作成日)3/(上旬)
 臓器;みぎ乳房+LN
 診断;Negative for cancer(see comments),
axlllary LNs,resected.
組織所見(***-****)
 検体は郭清された腋窩リンパ節
 Level I=0/13
小さな上皮胞巣を一か所に認めますが、
 (恐らく)異型に乏しい扁平上皮で
 腫瘍成分とは考えにくく、生検操作による
 displacementと思われます。

 念のため、深切りして再確認します。

病理レポート(手術材料)
 採取日3/(上旬)
 報告日(作成日)3/(下旬)
 受付番号***-****
 臓器;みぎ乳房+LN
 診断;DCIS,breast,operated.(Bt+Ax)
組織所見(***-****)
 検体は全摘された右乳房。5スライスから、14標本を作製した。

 (一晩未固定状態)
 《DCIS》
 1.組織型(形態):comed,micropapillary,apocrine
2.腫瘍の広がり:45×15×60mm
 3.リンパ節:当該レポート参照
 4.核グレード:Grade3(核異型スコア=3。核分裂スコア=3)
 (注)浸潤癌のNSAS-BC核グレードをDCISに転用している。

 (参考)WHO nuclear grade:high(3段階評価)
 5.壊死:あり(comedo)
6.切除縁:断端露出なし(negative)
-水平方向(35mm、内側、slice B)
-垂直方向(6mm、皮膚表層側、標本#9,13)
7.コメント、その他
  SN標本(***-****)には、初回報告された通りにDCIS成分と
  思われる微小上皮片が確認されますが、切除標本内には
  間質浸潤は確認されませんでした。
(生検操作による
  displacement(散布)なのかもしれません。)
 
病理検査の説明(4/(上旬))時、医師から、
HR2type ERH、DR(-)、HER2 3t との説明を受けています。

病理検査結果から、
①原発巣(調べられていない所)に浸潤癌があるかもしれないので抗癌剤治療
②原発巣は非浸潤癌で生検は散布であり転移ではないので無治療の選択があるが、いずれをとるか?と医師から聞かれています。

質問
①診断結果をわかりやすく説明してほしい
②「散布」などありえるのか、教えてほしい
③治療方法について先生の意見を伺いたい

以上

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「全摘での非浸潤癌」しかし「リンパ節に微小転移」
これの解釈は「全割して5mmスライスなどで検索しても、極めて小さい微小浸潤は見逃される可能性がある」=どこかに「微小浸潤がある」というものです。
これ自体は、もちろん「多くはない」ですが、稀に見られます。

ただし、ここで想定されるのは「せいぜい、微小浸潤」であり「抗ガン剤をするか迷うような浸潤径では、決して無い」のです。
この病理結果から「化学療法を提示することは、私には信じがたい暴挙」にしか思えません。

「①診断結果をわかりやすく説明してほしい」
⇒ポイントは
 ○センチネルリンパ節には1つ微小転移(0.3mm)がみつかった。(迅速診断でセンチネルリンパ節として摘出した3つのうちの2番目)
微小転移は0.2mm~2mmまでのものをいいます。
   これは、術後に(迅速したものを改めてパラフィンブロックにして)見なおしますが、「見直しても、間違いなかった」
 ○追加郭清したレベルⅠリンパ節(13個)には転移を認めなかった。
 「小さな上皮胞巣を一か所に認めますが、(恐らく)異型に乏しい扁平上皮で 腫瘍成分とは考えにくく、生検操作による displacementと思われます」というのは、(上皮性分がリンパ節にある場合には、通常、転移を疑う所見なのだが)その上皮の形態を確認すると「腫瘍による転移によるものではなく、今回の手術操作で紛れ込んだものだと判断しています。

 ○腫瘍は「45×15×60mmの非浸潤性乳管癌」であり、「組織型(形態)」は
「comed,micropapillary,apocrineなどの多彩なタイプ」であり、核グレードは3であった。
 

「病理検査の説明(4/(上旬))時、医師から、HR2type ERH、DR(-)、HER2 3t との説明を受けています」
⇒全くの「誤り」です。

 非浸潤癌なのにHER2を検索する事自体が「適応外」であり(保険適応ではなく、本来やってはいけない検査です)、非浸潤癌で「HER2タイプ」と言っている意味がありません。
 

「②「散布」などありえるのか、教えてほしい」
⇒これには2通りの可能性があります。
1.(術前の)組織検査(マンモトームもしくはバネ式針生検)の際に、その針が(たまたま)「センチネルリンパ節近傍をかすった」
2.(術中の)センチネルリンパ節生検の際に、(乳腺にある)非浸潤癌組織が「一緒に紛れ込んでしまった」

上記については当院病理医にも確認しましたが、
「1はまず起こり得ない」との事でした。
 つまり、「生検操作による  displacement(散布)」が起こるとしたら、「2」だと思います。
 

「③治療方法について先生の意見を伺いたい」
⇒無治療です。

 私であれば、「そもそもセンチネルの迅速診断で微小転移」であれば「追加郭清は省略」しています。
 切除標本で「浸潤癌が見つからない=浸潤部分があっても、せいぜい微小浸潤(1mm以下)」であれば「化学療法の適応外」であり、無治療です。





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