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治療法について

[管理番号:5884]
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生初めまして。
よろしくお願いします。
 抗がん剤治療について質問します。
乳ガンの温存手術を11月に受けました。
病理結果は
ステージ1期 T 1 N 0 M 0
腫瘍径 1.2cm
切除段端陰性 
組織異型度2
核グレード3 
ホルモン受体  ER+ pgR+ 
HER2  陽性+2(増殖増幅あり)
ki67 約50%
その後の病理結果の説明を受けたのですが、主治医からの1回目の提案が抗がん剤はおす
すめはするが、するとすれば抗がん剤6回から8回+ハーセプチンorハーセプチン単独も
ありきとして、するかしないか次回までに考えて下さいとだけ言われ医療知識がないので結論は出せませんでした。
2回目の受診では抗がん剤をやらないとダメだとの話になり、開始も3ヶ月以内にと話があり、私は子供たちが居るのでサポートしてくれる方と話て下さいになったので日程を考えて3回目の受診をしました。
そしたら抗がん剤を始めるのは術後1ヶ月以内か2ヶ月以内にはやらないと意味がないと言われ、一貫性のなさにパニックになってしまいました。
 どれが良いのかこれだけ毎回変わる事に理解が出来ず、どうしたいですか?と聞かれても答えようがなくなりました。
生存率などのデータを聞いてもここで数字をお答えするのは…と教えて頂けなくて、
1回目の診察の時に抗がん剤やった時とやらない時の違いを聞いたところ1%とか0.1%とか違
いはあるが、やった場合は明らかな違いはありますがと曖昧な回答で。
その1%の違い程
度なら抗がん剤やらない選択肢もありきとして考えてしまったのですが…
 精神的に疲れがきてしまって、納得する余地がなく最後に抗がん剤をする方向でサインをしてしまって来月下旬から、スタートの予定です。
 主治医の治療計画では、EC4クール+他4クール(最初の4クール後説明するとの事)+
ハーセプチン18回と放射線とホルモン剤5年だそうです。
 初期と言われるのに、ここまで抗がん剤治療が必要なのか?と疑問がすごく出てしまって、田澤先生でしたらどんな治療計画を提案されるでしょうか?
 沢山のQ&Aを読ませて頂いたのですが、田澤先生のお言葉がわかりやすく出来るならば転院を含めて考えたいと思いました。
手術だけしている状態で、後の治療を江戸川病院様
で治療は難しいのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず最も本質的なことですが、
『HER2  陽性+2(増殖増幅あり)』という記載です。
 HER2の免疫染色については
 HER2 0  陰性
 HER2 1+ 陰性
 HER2 2+ FISHで確認☆
 HER2 3+ 陽性
 上記となってます。
  質問者の場合には+2となっているので(2+のことですね?)必ずFISH法で確認しなくてはなりません。
  この「増殖増幅あり」という記載が本当に「FISHで確認しての記載なのか?」確認すべきでしょう。(HER2 2+をFISH法すると75%は陰性となります)
「これだけ毎回変わる事に理解が出来ず」
⇒もしかすると…
 上の立場の医師に(カンファレンスか何かの場で)「ひっくり返されている」のか
もしれませんね。、
「初期と言われるのに、ここまで抗がん剤治療が必要なのか?と疑問」「田澤先生でしたらどんな治療計画を提案されるでしょうか?」
⇒FISH陽性を前提としてコメントすると…
 非アンスラサイクリンレジメンでいいでしょう。
 TC+HER
 weeklyPTX+HER
 TCH
「手術だけしている状態で、後の治療を江戸川病院様で治療は難しいのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
 そのようにしている方もいらっしゃいます。
 ただ外来は混んでいるので、受診まで待つかもしれません。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2 治療法について】

性別:女性
年齢:43歳
前回はお忙しい中とてもわかりやすいご回答ありがとうございました。
 その後の受診で病理報告書を出して貰え再質問させて頂きました。
宜しくお願いします。
腫瘍径12×11×8
UICC pT1b
組織型 充実腺管癌
核スコア 2点 核分裂スコア 3点
核グレード 3
脂肪組織浸潤 有
リンパ管・静脈浸潤 無
ER score6(IS2+PS4) J-score 3b
PgR score6(IS2+PS4) J-score 3b
HER2 FISH score+2
ki67 約50%
再発リスクがすごく高いのでEC療法から始めて次にタキサン系とハーセプチンの治療方しか選択肢が提案されました。
Q&Aで沢山読ませて頂いて、ステージ1期だと初期でわずかな安心感みたいなのがあった
のですが、再発率の説明はなく、ただ凄く高いのできちんと治療しないとお若いのでって
言われ不安しか無くなってしまって、上記のデータから田澤先生でしたらどんなリスクがあると思われますか?
このHER2のFISH追加までしてあるのは確認出来たのですが、術後標本でなく、マンモトームで採った標本の結果だけなのですが、術後標本の結果と違ったりとかする事はないのでしょうか?
主治医の回答が毎回変わる事に納得いかないと認定看護師に話したのですが、病理報告が順次上がってきて、その都度の結果によりの変更でないかなと流されました。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
まず「HER2 FISH score+2」という記載に問題があります。
 「score+2」というのは「score2+」の誤りですね?
 いずれにせよ、「score」は免疫染色の結果で用いる表現であり、FISH結果ではありません。
 FISHは「HER2/CEP17比」の値で評価するので(たとえば)「2.5」など数値で出ます。(つまりFISH結果がscore表示されることは無いのです。)
「再発リスクがすごく高いのでEC療法から始めて次にタキサン系とハーセプチンの治療方しか選択肢が提案されました。」
⇒「再発リスクが凄く高い」というのは誤りです。
「上記のデータから田澤先生でしたらどんなリスクがあると思われますか?」
⇒普通に低リスクです。
 ただ(本当に)HER2陽性ならば「抗HER2療法をやった方がいい」ことは間違い有りません。(その場合には非アンスラサイクリンレジメンです)

「このHER2のFISH追加までしてあるのは確認出来た」

⇒FISHの数値の記載がないので(私には)確認できません。
「マンモトームで採った標本の結果だけなのですが、術後標本の結果と違ったりとかする事はないのでしょうか?」
⇒本当に「FISH陽性」ならば、かわることはほぼありません。