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治療方針(化学療法)の選択

[管理番号:5361]
性別:女性
年齢:42歳
治療方針は、医師に医学的な根拠を教えていただきながらも、患者が最終的には選択していくものだと思いますが、その選択に納得して決めていきたいので、ご相談させていただきました。
7月中旬に左胸全摘とリンパ郭清手術をしました。
今の状況は、液がまだ出ていて、1週間おきに注射器で抜いています。
8月末から化学療法に入ると言われていましたが、この状況だと9月中旬になるかもしれないとの事です。
先週、手術後の病理結果を聞きました。
浸潤径 19×11㎜
核グレード 1
ER 陽性 ≧90%
PgR 陽性 ≧90%
HER2 陰性 1+
リンパ節転移 1/20 (15㎜)
ki-67 15-20%
医師(病院カンファレンス)からは、
TC療法+ホルモン剤
の治療方針が提案されました。
・年齢が40代前半
・術前CTでリンパ転移が出ていて、転移は1だったが、その1が15㎜だった
・19㎜以外に乳首後ろなどに5ヶ所ぐらい、微量だかガン細胞が散らばっていた
という状況から、TC療法との提示でした。
リンパ転移が確実(CTにより転移)だったので、
化学療法を覚悟していたものの、
素人感覚としては、
・リンパ転移が1つだった(15㎜とはいえ)
・HER2 陰性だった(術前は、微妙な値だった)
・ki-67 15-20%だった
・19㎜以外の5ヶ所も、全摘で採れた
という思いがあり、
抗ガン剤治療をしなくても良いのでは?
抗ガン剤治療の効果が出るタイプではないのでは?
という期待も混じった考えが出てきてしまっています。
かなり強いアレルギー(花粉やホコリ)
皮膚が弱い(手術時のテープでひどいかぶれ)
偏頭痛を持っているので、
抗ガン剤治療の副作用に対して、不安要素が強くあります。
私なりに調べ考えたのは、
Oncotype DXを受け(主治医から話は出ていませんが実施可能な病院です)低リスク群だったら、抗ガン剤をしない。
中間から高リスク群だったら、抗ガン剤治療を受けるという、自分を説得させる案です。
低リスク群だったら、後々、あの時、抗ガン剤をしておけばよかったという後悔は、しなくて済むのかと。
中間から高リスク群だったら、
これは、抗ガン剤を受けて効果を期待する!という背中の後押しになるかと。
そこで先生の見解をお聞きしたいのが、
この素人考えをどう思われますか?
①私の病理結果では、Oncotype DXの低リスク群という結果は、まず出ないですか?
出ない傾向の検査に、高額を使う必要はないでしょうか?
②1/20のリンパ転移を、良い方に考えるのは危険ですか?15㎜という大きさも含めて。
③主治医(病院カンファレンス含め)は、私の状況は、抗ガン剤治療をしましょうという治療方針提示でした。
先生なら、このような状態の患者に、どのような治療方針を提案されますか?
お忙しいなか恐縮ですが、
先生の見解をお聞きできたら、幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えなくてはいけません。
腫瘍径やリンパ節転移の有無に拘わらず「ルミナールAでは化学療法による上乗せはない」のです。(それを証明しているのがOncotypeDXと言えます)
(その病院のカンファレンスの結果には私は全く興味はなく)Ki67の値からはルミナールAであり、当然「ホルモン療法単独でいい」と思います。
「①私の病理結果では、Oncotype DXの低リスク群という結果は、まず出ないですか?」
⇒質問者が「まず出ない」と考えている根拠が(私には)全く解りません。
 普通に考えれば「low riskとなる確率は圧倒的に高い」と思いますが?
「②1/20のリンパ転移を、良い方に考えるのは危険ですか?15㎜という大きさも含めて。」
⇒そのリンパ節(関所)で防ぎきったということです。(関所破りをされていないということ)
「先生なら、このような状態の患者に、どのような治療方針を提案されますか?」
⇒化学療法の提案をする事自体「全くの誤り」だと思います。
 当然「ホルモン療法単独」となります。(当院であればKi67≦20で化学療法を勧めることはありません)
 ただし、(質問者のように)気になる方にはOncotypeDXで確認することは悪くない事だと(確認できて安心できるから)思っています。