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全摘出後、反対の胸の石灰化増加

[管理番号:270]
性別:女性
年齢:40歳
初めてメールさせていただきます。
一年前に右胸ステージ2bにて全摘を行いました。
その当時、反対の胸(左)にも石灰化が見られましたが、様子見で、ということでした。
そのときは右胸のことで精一杯で左胸のことはほとんど眼中になかった、覚えていなかったというのが正直なところです。
そして、術後一年目のマンモにて石灰化が明らかに増えていることが分かりました。
その後、エコーもしましたが、エコーでの結果は先生は何もおっしゃらず、半年後に再検査をしようと言われました。
もちろん、半年後の検査結果を見なければ断定はできないとわかっていますが、石灰化がぱらぱらと散らばっているような感じではなく、乳腺に沿って散っているような感じだったのが気になります。
もし、これが癌細胞でしたら、また抗がん剤になるのでしょうか。
仕事、介護、育児を一人で賄っており、非常に心細く先々が心配です。
 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
 「術後、対側に石灰化が増加」ですね。
 大変ご心配な気持ちが伝わってきました。
 私から見れば「担当医の診療」には明らかな疑問(問題)があります。
 それでは回答します。

回答

「半年後の検査結果を見なければ断定はできないとわかっています」
⇒全くそんなことはありません。
 今すぐステレオガイド下マンモトーム生検(ST-MMT)をすればいいだけです。
 ※今であれば(エコーで所見が無い:担当医が何も言わないことより類推)ことより、「もし癌であったとしても非浸潤癌の可能性がかなり高い」です。
 
「反対の胸(左)にも石灰化が見られ」
⇒(そもそも)最初の時点で、当然ST-MMTすべきであったのは間違いありません(過去のことを言っても仕方がありませんが…)
 通常は「右の手術をする前に」左を精査して(もし、左も癌であれば)「当然、同時に手術すべき」ものです。
 
「術後一年目のマンモにて石灰化が明らかに増えている」「乳腺に沿って散っているような感じ⇒(乳管に沿って、つまり線状に並んでいるという意味ですか?)」
⇒(線状配列かどうかを別にしても)「明らかに増加」というだけでもST-MMTをすべきです。
 
「もし、これが癌細胞でしたら、また抗がん剤になるのでしょうか。」
⇒(エコーでしこりを形成していない)今の内に診断すれば、抗癌剤にはなりません。
 ※ただ、(もし癌だとして)半年、1年と経過をみる(放っておく)場合は、浸潤癌になっている可能性があります(その場合には抗癌剤の可能性がでてきます)
 
「仕事、介護、育児を一人で賄っており、非常に心細く先々が心配です」
⇒早急にST-MMTをして診断すれば、全く心配ありません。
(例え癌だとしても)非浸潤癌が想定され、手術も(江戸川病院であれば)2泊3日の入院でできる程度です。
 

私の推奨

 半年後、経過観察などもってのほかです。
 完全に間違った診療です。
 これは間違いなく、ST-MMTを早急にすべきです。
 (診療の対応からして)「その病院にはST-MMTは無い」事は明白です。
 
★「質問者が、どちらに在住か不明ですが」ST-MMTだけでも当院で受けてはどうでしょうか?
 当院であれば、(ST-MMTの通常の予約は埋まってはいますが)私の責任で「放射線技師と協議の上」早急にST-MMTの予定を立てる事は可能です。
 
「仕事、介護、育児を一人で賄っており」からして、大変お忙しい状況だとは存じますが、「このチャンスを逃すと」後悔するのでは。と大変危惧しています。
連絡をお待ちしています。
 
★「通常の電話予約のルート」では「予約が先となってしまう」事が懸念されるので、当院医療連携室(江戸川病院 代表電話03-3673-1221)に連絡いただき、「田澤が至急で(私の秘書の小平に)連絡をしてほしいと言っていた」と連絡いただくのがいいでしょう。
 小平には私から(もし連絡が来た場合の)対応について話しておきます。