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病理結果による予後の不安

[管理番号:3719]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生
はじめまして。
大変お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 
6月中旬、自己触診で大豆くらいのしこりのようなものに触れ、すぐに個人の診療所へ受診。
エコーの結果、黒く丸いものが写っていたため、翌日病院へ紹介してもらい、
その後検査検査で6月下旬、右乳房下側非浸潤癌と診断されました。
8月上旬、部分切除の手術を受けました。
病理結果は
病名:右乳癌 浸潤性乳管癌
腫瘤の大きさ:3mm 非浸潤癌を含めた腫瘍の大きさは7cm程度
細胞の顔つき:②
ホルモン感受性:高い
HER2:陰性
Ki-67:40~50%
リンパ節転移:なし
乳腺断端:陰性
現在放射線治療中で、タモキシフェン服用中です。
不安に思っているのは、腫瘤の大きさが3mmとはいえ、
非浸潤癌を含めた腫瘍の大きさが7cmあり、自分でみつけたときには
わからなかった腫瘍が思いのほか大きいと感じたこと。
術前のエコー検査をしてもらっているときに、
乳腺ライン上にポツポツポツと黒い影があるのが私にもわかりました。
Ki-67が40~50%あること。
再発したらとってしまえばいいんだ!と前向きに考えてはいますが、
再発しないにこしたことはなく。
これまでの先生のQ&Aを拝見し、この治療方法で問題ないだろうと、
思っていますが、直接先生にご教授頂きたく存じます。
腫瘤の大きさは3mmだから大丈夫!と思い込んでいますが、
なんとも不安は拭いきれずにいます。
 
結婚を考えていた人は、乳癌が分かり私の元を去りました。
ですが、まだ結婚、こどもも諦めきれません。
 
先生がこれまで診てこられたたくさの患者さんのなかで、
私と同じような経験から結婚出産とされた患者さんはおられますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1a(3mm), pN0, luminal
pT1aだから当然、(luminalAとかBとか全く無視して)ホルモン療法単独です。
○考え方としては「非浸潤癌と同等」と考えて差し支えありません。
「現在放射線治療中で、タモキシフェン服用中です。」
⇒妥当な治療です。
 39歳だから「LH-RHagonistも勧めようとする」医師もいそうですが、担当医は正しい選択をしています。
「非浸潤癌を含めた腫瘍の大きさが7cm Ki-67が40~50%あること」
⇒関係ありません。
 (遠隔転移再発)超低リスクであることは疑う余地はありません。
 「温存乳房内再発」は定期的な診察でチェックすることが大事です。
「先生がこれまで診てこられたたくさの患者さんのなかで、私と同じような経験から結婚出産とされた患者さんはおられますでしょうか。」
⇒沢山いらっしゃいます。
 昨今の「乳がんの低年齢化は、かなりのもの」で、(世間の風潮としての)「晩婚化」と非常に増えています。
 ○質問者の場合には「妊娠出産を考えた際には、何の迷いも無くホルモン療法は中止(休止)しましょう」