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病理診断の結果について

[管理番号:3085]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして、田澤先生のQ&Aを乳がん告知から参考にさせていただいています。
2週間前に左胸の乳がん全摘手術を行い、先日病理検査の結果が出ました。
浸潤性乳管癌・充実腺管癌
核異型3.核分裂数2で核異型スコア3
構造異型3で組織学的異型スコア3
リンパ節転移20分の1(センチネル)ステージ2b エストロゲンレセプタースコア3b プロゲステロンレセプタースコア3b
HER2 2+ FISH検中 Ki67 30-60%
の診断でした。
顔つきが悪いと言われとても不安です。
この診断では予後が悪いのでしょうか?これから抗がん剤の治療も始まる予定ですが、
前向きに抗がんの治療に望んでよい結果でしょうか?
教えて下さい。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
浸潤径の記載がありませんが、リンパ節転移は1個だけなので心配する様な状況ではありません。
「顔つきが悪いと言われとても不安」
⇒グレード3に拘るのは良くありません。
 グレード3でも、OncotypeDXすると「高リスク」は40%程度なのです。(半分以上は、中間リスク以下となります)
 そんな事を心配する必要はありません。
 『今週のコラム30回目 実際はかなり多くのルミナールAがBと判定され無駄な化学療法をされている』を一度ご覧になってください。
  
「この診断では予後が悪いのでしょうか?」
⇒浸潤径の記載がないのでステージが不明ですが…
 普通にルミナールタイプです。
 予後は悪い根拠がありません。
 
「これから抗がん剤の治療も始まる予定ですが、前向きに抗がんの治療に望んでよい結果でしょうか?」
⇒Ki67=30~60%という幅が広すぎるのが気になります。
 FISHが陽性ならば、勿論「抗HER2療法の適応」ですが(これは絶対的です)
 もしもFISH陰性ならば「OncotypeDXを行った場合に高リスクとならない(化学療法が有効では無い)となる可能性」があります。
 ○化学療法に疑問がなければ、それでもいいですが、もしも(FISH陰性だった際に)「自分に化学療法が本当に必要なのか?」と思うのであれば「OncotypeDX」も検討の対象だと思います。