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片側、単孔性の分泌物について

[管理番号:3574]
性別:女性
年齢:38歳
左側の乳頭に以前から分泌物がありましたがが、毎日ではないし、透明だったので気にしていませんでした。
しかし、先週、お風呂に入っていて鮮血が出でいることに気づきました。
絞らなくても出でいました。
そこで、出血に気づいて3日後、ようやく乳腺外科に行きました。
しかし、その頃には分泌物がほとんど出なくなってしまい、それでも担当の先生は分泌物(血)を絞り出し、血液を調べてみましょうと、検査中です。
次回、血液検査の結果で乳頭造影をしましょうということでその日は帰ってきました。
ちなみに以前からエコーで左側乳房に5mmのシコリがありましたが、担当の先生は乳頭の出血場所からして、エコーで映ったシコリとは関係ないとおっしゃっていました。
田澤先生はこちらのコラムで、血性だったとしても、少量であれば、問題ない場合も多いと説明されていましたが、透明な分泌物が続いた後の血性分泌物だったとしても、同じことが言えますか?
出血も止まってしまったので、乳頭造影剤を使って検査をできないので心配になっています。
お忙しいとは思いますが、どうぞご回答お願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「田澤先生はこちらのコラムで、血性だったとしても、少量であれば、問題ない場合も多いと説明されていましたが、透明な分泌物が続いた後の血性分泌物だったとしても、同じことが言えますか?」
⇒質問者は勘違いしています。
 重要なのは「血性が止まったかどうか?」ではなくて「単孔性分泌として続いているかどうか?」です。
 ○血性が止まったとしても、その同じ乳管から「非血性の分泌が(やはり単孔性として)続いている」のであれば、当然(分泌細胞診や分泌液CEAなどとは無関係に)乳管内病変を疑い乳管造影すべきです。
「出血も止まってしまったので、乳頭造影剤を使って検査をできないので心配になっています。」
⇒出血は無関係です。
 「非血性であっても」単孔性であれば「乳管造影すべき」なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、先日は回答ありがとうございました。
先日「片側、単孔性の分泌物について」を質問させて頂いた者です。
「重要なのは単孔性分泌物として続いているかどうかだ」と回答して頂きました。
私の場合、以前よりたまに左乳頭から透明な分泌物(ちょっと黄色っぽい)
があり、透明だったため母乳みたいなものかな?と気にとめておりませんでしたので、透明分泌物がどれくらい前から出ていたかはわかりません。
授乳は5年前には終えており、以来妊娠もありません。
そして8月26日に出血しました。
出血は絞らなくても自然に出てきました。
26日からの出血は
29日には止まっており、昨日までは分泌物はありませんでした。
(絞っても何も分泌物されない状態でした。)しかし、昨日(9月14日)また出血がありました。
昨日は乳頭に赤くポチとあったので少しだけ乳頭をつまんだらわずかに出血しました。
恐らく、乳房全体を潰すように絞るとまた数日出血がある気がします。
出血してまた数日で分泌が止まると、今月末の乳腺外科の予約時、乳管造影剤を使って検査してもらえなくなるのでそれ以上は絞ってはいません。
そこで質問ですが、①分泌物が続くというのは毎日続くということでしょうか?それとも、間隔が空いていてもまた出てきたということは続いているというのでしょうか?②私の場合は分泌物が続いていると言えますか?
担当の先生は前回出血時に細胞検査をし、その結果次第で次回に乳管造影剤をしましょうとおっしゃっていましたが、③乳管造影剤は必ずしてもらった方が良いと思いますか?先生ならば造影剤をする所見ですか?
私としては何の出血なのかハッキリしたいです。
問題ないのが一番ですが、病変だったら早く取ってしまいたいです。
前回質問時は、先生に質問したい一心で急いで文章を作ったため、先生への気持ちを書けませんでした。
改めまして、日々診察や手術をこなす多忙な中たくさんの方の質問に丁寧に回答されており、信頼できる先生だと思い質問させて頂きました。
田澤先生のようなお医者様が全国に増えてくれ
たら、不安から解消される患者さんやもっと早期発見で救われる患者さんが増えるのに…と思ってしまいます。
先生、このような質問できる場を作って頂き、本当にありがとうございます。
お忙しいとは思いますが、今回もどうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
私がメール全体から受ける印象は「心配無さそう」というものです。
何故なら、この乳がんプラザのお陰で「乳頭分泌の患者さんをとても多く診療する機会」に恵まれています。
その経験から「一過性の分泌」で悩んでいる方は、診察してみると異常が無い事が圧
倒的に多いのです。(殆どの乳頭分泌が異常がないという認識が必要です)
○やはり基本的には「浮きは沈むまで待つ」ということです。
 本当に「乳管内病変があれば、必ず分泌が増加して常に出るようになる」のです。
 その状態となってから受診されても「全く問題」ありません。(その状態を更に数年続けると腫瘍として大きくなってきます)
「①分泌物が続くというのは毎日続くということでしょうか?」
⇒その通りです。
 (強く絞った時だけではなく)軽く絞っても常に出る状態です。
「②私の場合は分泌物が続いていると言えますか?」
⇒一過性です。
 様子をみるべきです。
「担当の先生は前回出血時に細胞検査をし、その結果次第で次回に乳管造影剤をしましょうとおっしゃっていましたが、」
⇒細胞診は無意味であり、それを「乳管造影の参考」とすることは勧めません。
「③乳管造影剤は必ずしてもらった方が良いと思いますか?」
⇒そうは思いません。
 血性分泌に拘る必要はありません。
 あくまでも「ある程度の期間、単孔性分泌が続く」ことが重要です。
「先生ならば造影剤をする所見ですか?」
⇒1カ月以上、「絞れば、必ず分泌ある」状態となれば、「乳管造影」します。
「私としては何の出血なのかハッキリしたいです。」
⇒お気持ちは解りますが…
 (参考に)
 「血性分泌」に拘る必要はありません。
  一過性の「血性分泌」はホルモン環境による乳管の増生などで生じることが多いです。
  「血性分泌の意義」としては、
    もしも「ある程度の期間持続する場合」には(非血性分泌よりも)「癌の可能性がやや高くなる」というだけのことです。(あくまでも重要なのは「血性/非血性」ではなく、単孔性の持続なのです)