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「乳がん」と「線維腺腫」の区別

[管理番号:2038]
性別:女性
年齢:43歳
こんにちは。
10日前に左乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術 ?センチネルリンパ節生検)をしました。
2日前の術後初の受診時に、病理組織診の結果、「乳がん」ではなく「線維腺腫」でした と伝えられました。
その時は、「乳がん」ではなかった という喜びの方が強く、帰宅してしまいました。
しかし、時間が経つにつれて色々と疑問を感じるようになりましたが、担当医の診断・説明を信頼して自分で同意したことなので、すべて結果論になるのではとも思ってしまいます。
そこで、先生に質問があります。
「乳がん」と「線維腺腫」は区別が難しいものなのでしょうか。
※※※※※※
2ヶ月前の初診時
マンモグラフィー・エコー検査 触診の後、「乳がん」が疑われると診断。
その時に細胞診もしました。
1週間後、「乳がん」の告知 となりました。
※細胞診の結果でも悪性でした と説明されましたが、クラスが何であっ
たかは聞きませんでした。
その後は、乳腺MRI 血液検査 造影CT をしましたが、「乳がん」の診断が変わることはありませんでした。
※針生検はしていません。
宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず大事な事は「乳癌ではなく、線維腺腫だった」これは何にもまして『喜ぶべきこと』です。おめでとうございます。
それは間違いありません。
ただ、「癌の診断として、手術をして実は線維腺腫でした」ということは、あってはならないことです。
最も重要な点は術前に「組織診断」がされていたのか?です。
まさか「画像診断だけ」で「乳癌と診断」してはいないとは思いますが、「細胞診だけで、組織診(針生検)をしていない」のだとしたら「組織診で確定診断することが常識となっている現在の医療水準からすると大問題」です。

回答

『「乳がん」と「線維腺腫」は区別が難しいものなのでしょうか』
⇒答えは「YES」でもあり「NO」でもあります。
 画像診断では「時に、見誤ります」その意味では「YES」ですが、
 組織診断では「全く別物であり、区別がつくし、区別をつけなくてはならない」その意味では「N0」です。
 
 
「※細胞診の結果でも悪性でした と説明されましたが、クラスが何であったかは聞きませんでした」
⇒ここが問題です。
 担当医は「画像診断で癌と決めつけてしまって」細胞診が「疑いどまり(クラスⅣ)で確定診」としてしまっている可能性があります。
 しかも細胞診だけでは「確定診断」とは言えず、例えクラスⅤであっても「癌が疑われます。組織診で確認してください」というコメントがあるのが普通です。
 ♯今回は組織診をしていないようなので、担当医に「細胞診結果がどうだったのか?」と「組織診をしなかった理由」について聞いてみましょう。