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非浸潤癌とアロマターゼ阻害剤

[管理番号:3424]
性別:女性
年齢:54歳
いつも勉強させて頂いてます。
よろしくお願いします。
一年前に非浸潤ガンで乳頭を残し摘出していて、今は無治療です。
コラム40回目「AI投与は5年より10年の方が優れている」 でアロマターゼ阻害剤は10年投与が優れていて、対象者は5年投与終了した早期乳癌患者。
とありました。
骨密度低下に気を付ければ、対側乳癌やリンパ節転移を低下させる。
とありました。
実は主治医から対側乳癌の予防にアロマターゼ阻害剤を勧められましたが、副作用を考え断ってしまいました。
以前の先生の回答に非浸潤ガンでは閉経後のホルモン剤は適応外だと読み無治療に自信を持っていたのですが、やはりホルモン剤治療をすることを考えた方が良いのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私は非浸潤癌に「全身療法(ホルモン療法)は不要」という考え方です。
確かに「対側乳癌の予防」はありますが、それを言ってしまえば「健常人にもホルモン療法を(予防的に)勧める」という理屈になってしまいます。
骨有害事象も含めた有害事象のこともありますが、「医療経済的問題」があります。
3割負担だと「残り7割は保険財政を圧迫」するわけです。
○自分が我慢すればよいというものではありません。
浸潤癌であれば、(対側乳癌予防だけでなく)「領域リンパ節や骨転移に効果」があるのでいいのですが、「非浸潤癌は、それらは絶対にありません」
「コラム40回目 でアロマターゼ阻害剤は10年投与が優れていて、対象者は5年投与終了した早期乳癌患者」
⇒ここでいう「早期乳癌」とはもちろん、「浸潤癌」です。「非浸潤癌は入っていません」
「やはりホルモン剤治療をすることを考えた方が良いのでしょうか?」
⇒不要です。
 本当に必要な人のために譲る気持ちも必要です。