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悪性葉状腫瘍について

[管理番号:6388]
性別:女性
年齢:37歳
こんにちは。
悪性葉状腫瘍についてです。
2015.9 右乳房外側に近所のクリニックで6.7mm×3.7mmのしこり確認。
エコーで水が溜まっているだけとの診断。
半年毎の経過観察、変化なし。
2017.3 変化はないが、念のためマンモグラフィ。
画像結果から、良悪性の判断がつかないため、針生検をし、良性の結果。
2017.9 変化なし。
次回検査で変化がなければ、検診のスパンを一年ごとにしようという話あり。
2018.3 しこりが41mm×22mm×28mmに急成長。
МRI検査で、乳がんではないことは分かったものの、繊維線種か葉状腫瘍かの鑑別はつかず、との結果。
(葉状腫瘍の疑いあり、と明記。)
先生からは、「一年前の検査で良性と出ているし問題ないと思うけれど、どうするか?」と聞かれ、切除を選択。
葉状腫瘍のリスクやマージンの話などは一切なし。
帰宅し、私がこちらのホームページで葉状腫瘍の怖さを知り、葉状腫瘍の可能性があるならマージンをつけての部分切除を依頼。
結果、1cmのマージンをつけてもらえることに。
2018.4.(下旬) 入院、手術。
2018.5.(上旬) 切除部の検査結果報告。
境界悪性~悪性の所見。
また、マージン部分にも数か所悪性部分が散在。
マージン部分が断端陰性にならなかったため、追加部分切除をするか?全摘にするか?と聞かれ、迷わず全摘を選択。
5.10に入院、手術をすることが決定。
5.10 朝 主治医より「とても珍しい所見で判断がつかず、顕微鏡の検査医からもう一度調べたいと言う連絡があったから手術はいったんキャンセルにしてほしい」との連絡あり。
 
非常にレアケースな結果のようで、大学病院も含め、いろいろな機関で調べてもらっているが、判断がつかない、とのことで現在はとても不安な気持ちで結果を待っているところです。
たくさんの葉状腫瘍を見てこられた田澤先生も、このように判別が大変難しい、判別に時間を要さねばならない、と思われる症例はありましたか。
また、断端が陰性にならなかった上に悪性と言われていますので私としては早く全摘して頂きたいのですが、初回の手術からもうすぐ1か月が経ってしまう今、どれくらいの手術待ちの時間の猶予があると考えられるでしょうか。
(主治医は「病巣の大本は取ってしまったのだから、慌てなくて大丈夫です」と仰いますが正直、説明不足だったり、手術を急遽キャンセルしたり、今までの経緯を考えると信用しきれない部分があります。)
もし、可能でしたら患者に安心感を与えて下さる田澤先生に追加の全摘手術をお願いしたいのですが、現在の手術待ちの状況はやはり1カ月半以内と言う事でしょうか。
また、以前の質問の中で3.5cmの腫瘍は30分ほどの手術で済むので『隙間時間』に入れる事は可能だとありましたが、「全摘手術」は他の方の手術の隙間時間に入れていただけるものなのでしょうか。
質問が多くて申し訳ありません。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私からみると、とても「葉状腫瘍」の怖さを知らない、大変失礼ながら非常に問題のある診療と感じます。
「2018.3 しこりが41mm×22mm×28mmに急成長」「「一年前の検査で良性と出ているし問題ないと思う」
⇒ここが非常に問題ありです。
 明らかに増大する41mmの(葉状腫瘍かもしれない)腫瘍を「経過観察でもいい」というのは、あまりにも「葉状腫瘍を知らなさすぎる」大変危険な診療だったと
(その医師は)反省しなくてはいけません。
「境界悪性~悪性の所見 また、マージン部分にも数か所悪性部分が散在」
「病巣の大本は取ってしまったのだから、慌てなくて大丈夫です」

⇒大変申し訳ないですが…
 全く葉状腫瘍(境界悪性以上)の怖さを知らない。「知らない」とは大変危険なことです。
 ☆私も、これが「癌」だったら、(断端陽性でも)「病巣の大本は取ってしまったのだから、慌てなくて大丈夫です」とお話ししますが…
  葉状腫瘍(しかも悪性の可能性あり!)では、とんでもない話です。
「今までの経緯を考えると信用しきれない」
⇒申し訳ありませんが…
 明らかに「葉状腫瘍に対する認識」が大きく不足しています。
「現在の手術待ちの状況はやはり1カ月半以内と言う事でしょうか。」
「全摘手術」は他の方の手術の隙間時間に入れていただけるものなのでしょうか。」

⇒緊急枠が6月1日にあります。
 
(境界悪性~悪性とありますが)幸い41mm程度なら(例え悪性でも)、この機会にきちんと手術をすれば再発しない可能性は高いと(経験上)思います。(葉状腫瘍は大きさが大事なのです)
 ここで中途半端な治療をすると、大変な後悔をする可能性があります。
 ご希望なら秘書メールを。
「「とても珍しい所見で判断がつかず、顕微鏡の検査医からもう一度調べたいと言う連絡があったから手術はいったんキャンセルにしてほしい」との連絡」
⇒「何の判断」なのか、解りませんが…
 もしも「断端が実は陰性」だという判断となったとしても…
 (悪性葉状腫瘍が疑われ)そして重要なことは(患者さん自身が)「最大限のリスク回避を希望」しているかぎり、乳腺全摘は全く妥当と思います。