乳がん手術は江戸川病院・東京


皆が気になる質問シリーズ -2-
マンモグラフィーとエコー何が違うの?どちらがいいの?

マンモグラフィーとエコーの「4つの違い」

大事な事から順番に並べます。

●違い1
エコーは(検査する者の経験により)信頼度に大きな差が出てしまう。
 

●違い2
それぞれに得意分野(マンモは石灰化、エコーは小腫瘤)がある。
 

●違い3
若年ではエコー、熟年ではマンモが見易い
 

●違い4
検診での有効性が証明されているのは(現段階では)マンモだけである。
 

「4つの違いの詳細」

違い1

 エコーは術者(検査する者)の技量で結果が大きく異なります。
 マンモグラフィーは(誰が撮っても)おおよそ同じ結果となります。
 

・何故このような違いがでるのでしょうか?
 ⇒「エコーは動画での評価(しかも一度きりの再生)」であるのに対し、「マンモは静止画での評価」となるからです。
 (一瞬で見逃される可能性のある)動画の評価(エコー)は(ゆっくり、じっくり評価できる)静止画の評価(マンモ)とは比較にならない程、経験と技術を要するのです。
 
   
 エコー画面は、「プローブ(探子)を動かしながら(一瞬の内に過ぎ去ってしまう)画面を連続的に評価」しています。
 一方で、マンモは「撮影された静止画(写真)をじっくり評価」できます。この違いです。

◎「診療経験豊富な乳腺外科医」と「経験の浅い乳腺外科医」で大きな差が出るのは超音波技術です。(マンモグラフィーは駆け出しの乳腺外科医でもすぐに、殆ど遜色ないレベルまで達してしまいます。
 

・どの程度の違いが実際にでるのか?
⇒(エコーでは)上手い乳腺外科医なら3mmの病変も見つけるが、「駆け出しの乳腺外科医」は、平気で1cmの病変でも見逃します。
 (マンモグラフィーでは)誰が撮っても、1.5cmの病変なら確実に病変を見つけられるが、逆に5mm~1cm位の病変は誰が撮っても見つけられない。

◎ 経験豊富な乳腺外科医であれば、(石灰化のチェック以外には)マンモグラフィーは不要、エコーで十分と思っていますが、逆に(超音波技術に自信の無い)医師は、マンモグラフィーに頼りがちとなります。(超音波での見落としが怖いため)
 
 

違い2

 エコーとマンモで得意分野が異なっています。
 「エコーは(上手な乳腺外科医なら)3mmの病変でも見つけられる」が「マンモで1cm以下の病変を見つけるのは難しい」
 一方で「石灰化はマンモでしか評価できない」
 

◎早期発見の糸口は「石灰化」と「小腫瘤(5mm以下)」です。

  • 石灰化に強いのは「マンモ」
  • 小腫瘤に強いのは「超音波」

と覚えておけば間違いありません。
 
 

違い3

 エコーは「若年者の乳腺に有効」であり マンモは「熟年者(特に高齢者)に有効」

 具体的には、若年者(~30代)はエコーが見易い。年長者(60代~)はマンモグラフィーが見易い。(40代~50代は、個人差がありますが、両方で見易い)
 
 
・その理由
⇒乳房を構成している大事な成分は「乳腺組織」と「脂肪組織」です。
 若いうちは乳腺が豊富ですが、「歳を重ねるにつれて、乳腺は退縮して脂肪が増加」していきます。
 

・実際に、どう写るか?
⇒(若年者) 乳腺が豊富でマンモでは「腫瘍が周囲の乳腺に重なり隠れる」
エコーでは「腫瘍は周囲の乳腺の中ではっきり見える」
  
⇒(年長者) 乳腺が退縮し、脂肪が増えマンモでは「腫瘍は脂肪の中ではっきり見える」
エコーでは「腫瘍が脂肪の中に隠れる」
 

表にすると、

若年 中間(40代~50代) 年長
乳腺が豊富 中間 脂肪が豊富
マンモで見ずらい 中間 マンモで見易い
エコーで見易い 中間 超音波で見ずらい

 
 

違い4

 検診での有効性が証明されているのはマンモだけです。
※エコーは「検診での有用性が証明されてはいない」
 
 
◎ということで、あくまでも「推奨しやすいのは」マンモ併用検診となります。

 この背景には欧米では乳房が大きく(脂肪も多い人が多い)エコーが困難であり、マンモで見易いという事情があります。

※それで、日本人の乳腺は(特に若年者では)乳腺がしっかりしていて(脂肪も比較的少ないので)「エコーが有用であるという仮説」を証明するために、厚生労働省指定研究である J-START(40代でマンモ単独vsマンモ+エコー)でエコーの有用性を証明しようとしています。(現在進行形)
 
 

で、結局どちらがいいの?です。

 違い1~4でお話したように、どちらにも優れた点と劣っている点があります。
 そこを敢えて、申し上げれば

  • 「早期発見に積極的な方」
    ⇒・(信頼できる乳腺外科医による)超音波:小腫瘤も見逃さない
     ・(どこでもいいが)年に1回のマンモ(石灰化の発見は年1回で十分)
     の両方
     
  • 「そこそこでいいから、検診(受診を含め)最小限にしたい方」
    ⇒(若年者:~40歳代)年に1回の超音波のみ(検診機関でも可)
    ⇒(熟年者:50歳~)年に1回のマンモのみ