Site Overlay

今週のコラム 109回目 これは、「どちらが正しいのか?」という問題ではなく「どちらの診療を支持するのか?」患者さん自身に(その判断を)委ねます。

つい昨日(12月2日)日本乳癌学会関東地方会2017がありました。

発表が11時~だったため、土曜日市川外来を休診とさせてもらいました。(多方面に御迷惑をおかけしました)

 

内容的には2017 1月~10月までの当院での「乳管内乳頭腫」手術症例の検討でした。

この10カ月間での症例46例中、なんと癌は21例(46%)でした。

この数字は本当に高く(癌の確率が高いということ)私自身が一番びっくりしています。

 

思いだすのは…

仙台時代、東○公○病院で行っていた乳管腺葉区域切除。

患者さんに話していた言葉。「この手術(乳管腺葉区域切除)では、おおよそ1/6程度で癌の診断となります。」

○実際にそうだったのです。

殆どは良性(乳管内乳頭腫)、癌は1/6程度。

ただ、それでも(この手術をすることで)

1.(低いとはいえ)「癌かもしれない」という不安から解放される。

2.(良性という安心に加え)「分泌により肌着が汚れたりする不快感」から解放される。

そんなスタンスでした。

 

それが、(癌の確率が)46% !

江戸川での乳管腺葉区域切除で癌の確率が高い理由は様々だとは思いますが…

やはり一番の理由は…

(手術の)対象者が全国だということでしょう。

 

○全国で「これ以上、診断はできない」「MRIで写らないから、いいんだよ!」みたいにして(本来)早期診断されるべき患者さん達が放っておかれている現状。

 

そこに一石を投じたくて、今回の私の発表には、このスライドを載せました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関東地方会

6会場位あって、コジンマリしてガラガラの会場。

私の発表が終わって、質問に立ったのは…

(そのガラガラの会場に何故か居た)有○の怪人!(何故、この会場に?)

 

有○の怪人

「乳頭腫に手術するのは、如何なものか?MRIとか撮れば?(癌でないのに手術をすることないだろ?)」

 

そこで私は、

「患者さんは、地元で診断がつかずに不安だから当院に集まっているのです。」

「あくまでも診断目的であり、(当然ながら)良性の可能性もあることは十分に説明しています。(癌で無い可能性があるなら)手術はしたくないという人には勿論手術はしません。」

「(現に46%に癌が見つかる訳ですから)確定診断を(患者さんが)望む事は当然であり、それにより(日常生活に不便で、かつ不安を惹起する)大量の乳頭分泌から解放されるのです。」

 

有○の怪人(私の説明に不満そうに)

「今は高性能なMRIがあります。 是非とも診断にご活用ください。」

(そこで私が、反論しようと口を空けるのを、ちらっと見て)

「これは、質問ではありません。ただのコメントです。」

♯ ここで私が反論したかったのは…

地元で「これ以上診断できないから…」と言われている患者さんの殆ど全てが(地元で)MRIを受けているのです。

結局その「MRIでも所見がないから…」「MRIでも映らないのに、これ以上何をしろというんだ!!」みたいに言われているのです。

ただ、(もしも私が、このように発言しても)その怪人は、こう言うかもしれません。

「うち(有○病院)みたいに高性能なMRIの話をしてるんだよ。」

★しかし、そこまで(もしも)話が続いたら、最後に私はこう言い放ったことでしょう。

「おかしいなぁ。結局癌だった人の中には、有○病院のその(高性能とやらの)MRIを受けて異常なしと言われた人もいたんだけど。」

どだい、mm単位の早期癌の発見に(どんなに高性能でも)MRIで十分などということはないのです。

 

私の感想

まるで聴く耳をもたない。その有○に多数いる部下に(カンファレンスかなにかで)指導をしているかのような口調だ。(自分がコメントしたら、それが正解だと思っているのか?)

 

 

☆私は正直驚いています。

この小さな会場に「有○の怪人」が(偶然?)居たことにも驚きですが、

それ以上に、「乳頭分泌で半分も癌がいるのか?」ということが(私の発表の)「最大のインパクト」だと思っていたのに…

まさか『半分も良性が居るのに、手術をするのは如何なものか? (有○お得意の)MRIを使って、画像上癌と解るまで放置しろ!』という反応となるとは??

 

☆☆「半分も癌が見つかるから、手術すべき」という私と、「半分は良性なのだから、(手術せずに)MRIで癌が疑われるまで経過観察すべき」という「有○の怪人」

 

これは、「どちらが正しいのか?」という問題ではなく「どちらの診療を支持するのか?」患者さん自身に(その判断を)委ねます。

 

実際に、(その有○で診療された)患者さんが、「乳頭腫の手術では乳頭を残せない事もある」などと「馬鹿なこと」を言われて当院を受診したこともあります。「乳管腺葉区域切除で乳頭を残せないかも?」などと思っているようなレベルの病院の親玉に、(上から)意見を言われるとは!(世の中は不条理なものです)