Site Overlay

今週のコラム35回目 エコーを普段から自分でしないようでは、(エコーガイドの)組織診が上手くなることは「夢のまた夢」なのです。

7月に入りました。

随分晴れて天気のいい日が続いています。

梅雨の中休みというのでしょうか。

それにしても「中休みというより、もう夏なのでは?」みたいな暑さですね。

 

土曜日は市川外来が終わった後、江戸川病院まで「少し遠回りしながら」走っているのですが、その「暑さ」は半端ではありません。

ここ東京は毎週末「カンカン照り」

お陰で一見「健康的」に日焼けしてますが(患者さんからは「海外?」とか「ゴルフ?」と聞かれたりしますが)、そんな優雅ではありません。

 

まだ「夏でも無い」のに「夏バテ」しないように。

「本物の本気」で頑張らなくては!

 

 

○組織診の精度について

 

前回、「硬い乳腺」についてお話しました。

今回はもっとも「重要」なところについて解説したいと思います。

 

それはエコーです。

下のイラストをご覧ください。

超音波ガイド(手)

 

 

 

 

 

 

 

通常「左手」でエコーのプローブを持ち、「右手」で(組織診の)「針」を持ちます。

モニターで『針が上手く腫瘍に入っていく様子を確認しながら』です。

一見簡単なようですが…

「モニターは2次元(立体的ではない)」なので、『エコーで見えている平面にぶれることなく生検針をすすませる』ことが必要となります。

 

○「左手のエコープローブ」と「右手の生検針」を微調整しながら、腫瘍の中央に生検針が綺麗に入るように導くのです。

 

ここに2つの要素が必要となります。

①左手でのエコープローブの微調整

②右手での生検針の挿入

①については… やはり普段からエコーを使いこなしていることが絶対条件となります。

普段、エコーを「技師さん任せにしている」ようでは…

②については… (無駄な力を抜いて)硬い乳腺を躊躇なく貫く「パワーと正確性」

 

○もしも、皆さんが「大学病院」とか「○研病院」のような病院でマンモトーム生検を受けた経験があれば、きっと「気づく」ことがあります。

「あれっ? 医師が2人がかりで検査していたよ?」

「一人がエコー」そして「もう一人がマンモトーム」を持って、2人がかりの医師で「もうちょっと右、とか左」とか声をかけあいながら行っています。

♯さすがに、「バネ式」は「一人でできる」ようですが、「マンモトームとなると」(重いから??)「分担してやっている」ようです。(数人の患者さんから直接聞きました)

 

★これでは、正確な検査ができる筈がないですよね?(微調整ができません)

大事なのは「微調整」なのです。

 

♯本来「一人の医師」が「左手でエコー」「右手でマンモトーム」を持って行うべきを…

何故一人でできないのか?

★彼らはエコー操作に慣れていないから(効き腕ではない左手で)微調整できないのです。

普段の「日常診療」こそ大事なのです。

エコーを普段から自分でしないようでは、(エコーガイドの)組織診が上手くなることは「夢のまた夢」なのです。

 

実例を少々…

実例1.他院で7mmだから「生検できない」経過観察と言われた。

(※と※で囲まれた部分)

当院のマンモトームで浸潤癌の診断(手術:7mmの浸潤癌でした)

6mm_edited-17mm_edited-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実例2.他院のバネ式針生検で良性と診断

当院のマンモトーム生検で非浸潤癌の診断(手術:2mmの非浸潤癌でした)

◎この症例では(前医で)生検針を(硬い乳腺の中)上手く病変まで到達できなかったようです。

そもそも「腫瘤非形成性病変」なので(バネ式ではなく)最初からマンモトームすべき症例です。

13mm_edited-113mm_edited-2