乳がんプラザ|乳がんの手術は東京の江戸川病院乳腺外科

こんにちは。田澤です。

先週末、「春一番」吹きましたね。

ここ東京では20度を越し、冬の厚着では汗ばむ陽気でした。

山菜の天ぷら春が近づくと個人的に気になってくるのが「山菜」です。

「タラの芽」「コシアブラ」最高です。

特に「タラの芽」の「苦味」!

 

 

皆さん。

レオナルドダビンチの名作「最後の晩餐」になぞらえて、「明日、地球が滅亡するとしたら今日何を食べたい?」と考えたことが一度はあるでしょう。

最後の晩餐

私だったら「ゴーヤチャンプ―と山菜の天ぷら(特にタラの芽)」です。

皆さんの「最後の晩餐」は何でしょうか?

 

と、春の話題から話は飛躍して本日のお題は「Ki67」です。

Ki67はシンプルに「luminal type」を「AとBに分ける指標」と考えてください。

「luminal Aはホルモン療法単独に対し、luminal Bでは化学療法も上乗せするべき」というあれです。

 

ただ、ここで少し難しい話をしますが、(辛抱して)読んでください。

そもそもintrinsic subtypeとは「乳癌を遺伝子発現により分類」し、それにより「治療法とリンクさせよう」という試みです。

ここで大事な点は「遺伝子発現での分類」だということです。

intrinsic subtype具体的には496個もの遺伝子セットを「マイクロアレイ」という方式を用いて「その発現パターンを解析」することで分類しているのです。

 

実臨床の場では、患者さんに対し「遺伝子解析を行う」ことなど不可能であり、それを「免疫染色で代用」することとなります。

「エストロゲンレセプター:estrogen receptor:ER」と「プロゲステロンレセプター:progesterone receptor:PgR」と「ハーツー:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2:HER2」の免疫染色結果で代用しているのです。

 

遺伝子発現による解析(intrinsic subtype)により、従来(免疫染色で)「ER陽性、PgR陽性、HER2陰性」のグループが2つ(化学療法が有効な群:Aとそうではない群:B)に分れられることが解ってきたのです。

そこで問題となったのが、(実臨床の場では、患者さんひとりひとりを遺伝子解析することなど不可能なので)『どうやって、免疫染色だけで、AとBに分けるか? 』という点でした。

 

そこで白羽の矢が立ったのが「Ki67」だったのです。(これも免疫染色です)

St.Gallen 2015 Tailoring Therapy: Towards Precision Treatment of従来「細胞分裂期にのみ発現する蛋白」として「細胞分裂の指標=増殖の指標」として利用価値のあったものですが、これを用いて「luminal type をAとBに分けましょう」となったのです。

 

 

○注目すべきは本来の遺伝子解析による分類とは全く無関係である「Ki67」に(luminal typeを)「AとBに分ける(重要な)役割」を強引に負わせたと言う点です。

 

だから、「Ki67の値に線引きをすることが難しい」のです。

一番いいのは「Ki67がマイナスならAでプラスならB」のように明確な線引きができればいいのですが、そもそも「Ki67はそもそも、遺伝子発現としてAとBに分けるようなものではない」ので明確な線引きをすることなど不可能なのです。

 

○歴史的に言うと、最初期の論文が「Ki67を14%で分類」したものだから「14%で線引き」されていました。

しかし、実臨床の場では「Ki67を14%で線引き」すると「あまりにもBが多くなりすぎて臨床的な所見と合致しない」ことにより、見直されてきました。

 

具体的にはSt. Gallen 2015では「Ki67の線引きはどの範囲に存在すると思いますか?」という問いに対し「20-29%にある」という意見が最多得票を得ている(14-19%という意見の3倍相当)のです。

これを受け、従来の「14%で線引き」を改め「10-30%はグレーゾーン」とすることに合意が得られたのです。

 

次回は、これと「核グレードの関係」についてコメントします。